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樋口幸弘の「ウィンド楽書(ラクガキ)ノ−トファイル」


[作曲年]

2005年

[作曲の背景]

1945年の広島、長崎への原爆投下という悲劇にインスピレーションを受けて。広島平和記念公園の「原爆の子の像」のモチーフとなった、放射能被爆による白血病で死と闘った佐々木禎子(ささき さだこ)が入院中亡くなるまで折り続けた“折り鶴”の話は、とくに作曲者の心を揺り動かし、像の下に置かれた石碑に刻まれた『これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための』という碑文から採られた作曲者の平和のメッセージが、曲中、日本語と英語で演奏者により詠唱される。オープニングの印象的なクラリネットの旋律は、近年もうひとつの破壊的な悲劇がおとずれたニューヨークのグラウンド・ゼロ(2001年9月11日のテロによって崩壊した世界貿易センターの跡地)へ行き、実際にその場所に立ったときに浮かんだもの。曲のタイトルは、命を突然さえぎられた場所を去り、平和のうちに次の生命に移っている亡くなった犠牲者のイメージを呼び起こそう、との思いを込めてつけられた。スコアには、米国ネヴァダ大学ラスベガス校(UNLV)のトマス・レスリー、鈴木孝佳(タッド鈴木)の両氏への献辞がある。

[編成]

Piccolo
Flutes (I、II)
Oboes (I、II)
English Horn
Bb Clarinets (I、II、III)
Bb Bass Clarinet
Eb Contra Alto Clarinet
Bb Contrabass Clarinet
Bassoon <div.>
Eb Alto Saxophnes (I、II)
Bb Tenor Saxophone
Eb Baritone Saxophone
Bb Trumpets (I <div.><doub. Flugelhorn>、II <an extra for off stage solo>、III)
F Horns (I、II、III、IV)
Trombones (I、II)
Bass Trombone <div.>
Euphonium <div.>
Tuba
Violoncello (Opt.)
String Bass
Piano
Harp
Timpani
Mallet Percussion
(Tubular Bells、 Glockenspiel、Vibraphone、Marimba)
Percussion
(Bass Drum、Crash Cymbals、Suspended Cymbal、Tam Tam、Crotales、Rain Stick、Triangle、Claves、Wind Chime)

[楽譜]

作曲者自費出版

[初演]

2006年6月8日(木)、東京、大田区民ホール アプリコで開催された「タッド・ウインドシンフォニー第13回定期演奏会」において、鈴木孝佳(タッド鈴木)の指揮により。そのライヴ録音は、2007年にCD化(「タッド・ウィンド・コンサート Vol.1 トミー・ユー / 灰から救われた魂たち 世界初演」、WindStream、WST-25003)された。


トミー・ユー / Tommy Yu

1979年11月23日、台湾に生まれる。本名は、余 昶賢。1994年、14歳で単身渡米。作曲家への可能性に目覚め、本格的に作曲の勉強を始める。高校生の頃より、いくつかの作曲賞を受け、奨学生としてブリガム・ヤング大学に入学、2003年、同音楽科で学士号を取得して卒業。翌2004年にラスベガスへ移り、ネヴァダ大学ラスベガス校(UNLV)作曲科に院生として入学。在学中は、作曲をDr. Virko Baley、Dr. Jorge Grossmannに師事し、2006年8月、修士号を取得。2007年2月、母国台湾へ帰国した。作品中、フルート独奏曲「朝の夜想曲(The Morning Nocturn)」は、2006年4月、ユタ州で行われた米作曲家協会第7地区カンファレンスで230曲のエントリーの中から選出され、初演も行われた。また、2006年6月には、東京で、タッド・ウインドシンフォニーの演奏により「灰から救われた魂たち(Their Souls Were Lifted From The Dust)」の初演が行われた。
(c)2007, Yukihiro Higuchi/樋口幸弘
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■タッド・ウィンド・コンサート(1)/トミー・ユー/灰から救われた魂たち(世界初演)
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