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樋口幸弘の「ウィンド楽書(ラクガキ)ノ−トファイル」
File No.01-05:<オ−プニング・テ−マ>



「ブラスの祭典」の番組台本

1999年4月、NHK−FM<ブラスのひびき>の新体制移行に伴い、筆者の提案にあった「大仏と鹿」の初演ライヴのオン・エアも自動的にオクラ入りとなった。
 その結果、すぐに酒井さんに経緯を説明する必要が生じたが、その前に "待てよ−" と、送っていただいたテ−プをもう一度聴き直してみることにした。するとどうだろう。ヘッドホンに演奏が流れだした瞬間、得体の知れないパルスがアタマの中をものすごいスピ−ドで駆け抜けるのを感じたのだ。 "アッ!!" 右手も反射的にストップウォッチを握っていた。
 もう一度聴いてみる。 "コメント入りまでのタイムもOK!!""これは、番組のテ−マ音楽としても使える!!" 直感がそう教えてくれた。
 この時ちょうど、収録が迫っていたNHK−FM<ブラスの祭典/第46回全日本吹奏楽コンク−ル>の番組テ−マを早急に決める時期がきていたのだ。
 早速、番組ディレクタ−のCさんに電話を入れる。ひとしきり、今度のドタバタ劇についてのやりとりがあった後、「今度の "ブラスの祭典" のオ−プニングとエンディングのテ−マ音楽なんですが・・・・・・・・・・。」と用件を切りだした。すると、Cさんはテ−マ音楽の選曲について、そのすべてを一任してくれた。
 3月14日、番組で使えるように微調整を終えた「大仏と鹿」のDATテ−プを携え、NHK放送センタ−のスタジオの中でもデジタル対応の最新設備が整った502スタジオに入る。早速、ディレクタ−氏の最終OKをもらうために音声さんにテ−プを委ねる。すると、一瞬の静寂の後スタジオのモニタ−スピ−カ−から市音のすばらしいサウンドがのびやかに聞こえてくる。 "OKだ!!" 心の中の自分の声が叫んでいた。Cさんももちろん大満足。そして、間を置かず番組本編の収録へと一気に進んでいく。(余談ながら、Cさんは "テイク1" を大切にされるディレクタ−で、筆者のコメントが少し淀んでも、ほとんど "気になりません" と言って録り直しを認めてくれない。マイクの微調整や使用音源の録音レベルのチェック以外、リハ−サルもない。この番組も<ブラスのひびき>も、ほとんど "ナマ放送" 同然だった。お聴き苦しかった箇所は、すべて筆者の責任です。)
 収録の最後の頃に、日曜日にもかかわらず、チ−フ・プロデュ−サ−のAさんも顔を出されて3年間の労苦にねぎらいの言葉をいただいた。この後、2月13日に収録を終えていた<ブラスのひびき>3月27〜28日放送予定分のエンディングを "お別れのメッセ−ジ" に差し替えるための収録を終え、3年間つづいたスタジオ通いは終わった。
 帰宅後、酒井さんに電話を入れる。そして、ことの経緯を説明すると同時に、お世話になった奈良県吹奏楽連盟の方へも知らせていただくように頼んだ。このとき作曲者は、<ブラスのひびき>での紹介が無くなったことに少々ガッカリされたようだったが、代わって全国放送のテ−マ曲として使われることになったことをとても喜ばれていた。
 番組は振り替え休日の月曜日、3月22日、朝9時からオン・エアされ、「大仏と鹿」のひとり歩きも同時に始まった。

...つづく

 

 
 
(c)2000,Yukihiro Higuchi
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