吹奏楽マガジン バンドパワー 吹奏楽マガジン バンドパワー
スペシャル >>インデックス
樋口幸弘の「ウィンド楽書(ラクガキ)ノ−トファイル」

奈良県吹奏楽連盟発行の
    「大仏と鹿」スコア表紙

3月(1999年)に入り、NHK音楽番組部のチ−フ・プロデュ−サ−のAさんから「大至急、お会いしたい。」という急を要する電話が入った。
 喫茶店で待ち合わせて話をうかがうと、その大筋は「来年度の予算の枠組みが決まりまして、FMは番組の多くを外部に制作を委託することになりました。」という衝撃的な内容だった。そして、多くの番組はすでに昨年末に民間委託が決まっていたが、<ブラスのひびき>はなかなか結論が出ず、3月に入ってやっと同じく外部制作が決まったという。さらに「NHKとしては、今後とも番組を続けていただくつもりで先方に申し入れたのですが、新しく<ブラスのひびき>を制作することになった民間の制作会社は、どうしても "東京の人" で番組を制作したいという強い姿勢を崩さないのです。ご了解いただけますでしょうか?」という。何のことはない。今世間で吹き荒れているリストラと同じ性格の話である。当時、こちらも母の病状の一進一退がつづき、東京・渋谷のスタジオとの間を8時間以上もかけて往復することに肉体的にも精神的にも疲労感を覚えていて、いつかは番組に迷惑をかけることになるのではないかと心配していたところだったので、一瞬考えた後にNHKの申し出に同意することにした。もちろん、番組のいくつかのテ−マを完結させることができず、リスナ−への重大な裏切り行為になるという思いが何度も頭をよぎったが、当時としては "もっと番組に集中できる人が作る方がいい" 、これが精一杯の結論だった。そして、3年間お世話になった同番組の卒業はこうして突然決まった。


...つづく

 
 
(c)2000,Yukihiro Higuchi
>>インデックスページに戻る
>> スペシャルトップページに戻る
jasrac番号 吹奏楽マガジン バンドパワー