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福田滋「吹奏楽・隠れた名曲紹介」
《第3回》グループ「三人の会」(3) 團伊玖磨(1924-01)その1

■追悼・團伊玖磨先生

團伊玖磨 ポートレート
<広瀬飛一撮影>

5月17日午前2時40分(時差があるので中国では1時40分)に團先生が亡くなりました。旅行先の中国・蘇州市の病院で心不全のためでした。
 そのニュースを聞いた時、私はエッセイ「三人の会」の3回目、まさしく團先生の原稿を執筆中でしたが、すでに書いていた先生の吹奏楽作品についての原稿はすぐに破棄して全面的に書き直すことにしました。それほど、先生の逝去は私にとってショッキングな出来事だったのです。この3回目の文が遅くなったこと、前回までより詳しく(2回にわたって発表します)なっているのはそのためです。どうかお許しください。

「DAN YEAR 2000」
全公演プログラム

昨年2000年6月から今年の3月にかけて、團伊玖磨の主要作品のほとんどを、一挙に演奏するという大イヴェントが「DAN YEAR 2000」というタイトルのもと、全国規模で開催されました。世界的な作曲家の記念年ならともかく、存命中の作曲家の演奏イヴェントとしては、まさに空前絶後のものでした。これは、いかにも團伊玖磨という作曲家の大きさを世間に知らしめる事業として充分であったと思います。
 ところが、皮肉にも人生をかけたその大事業と時を同じくして、先生は最愛の夫人和子さんを同じ心臓病で失い(DAN YEAR 2000の企画会見の前日)、36年連載してきた随筆「パイプのけむり」が雑誌の廃刊という形でピリオドを打つことになり、また團さんのアイディアでスタートし、音楽監督を務めてきた東京駅の「エキコン」もこの期間に幕を閉じました。

歌曲集
「マレー乙女の歌へる」 初演
<林喜代種撮影>

しかし團先生は、それらの悲しい事柄を振り払うように、“DAN YEAR 2000”にエネルギーを注ぎ、全30曲の新作歌曲集「マレー乙女の歌へる」(イヴァン・ゴル詩/堀田大學訳)の初演でこの事業の最後を飾り、新しいスタイルの音楽への情熱を世界に問うたのです。3月11日みなとみらいホールでの、その音楽はまさに新境地を開く作品で、聴衆は驚きの色を隠せなかったといいます。先生はまさに新しいものを求めて羽ばたく瞬間だったのではないでしょうか。
 第7交響曲や新しいオペラ、能を素材とした室内オペラ、その後喜劇を計画中、さらに3つめの祝典行進曲(3代の御成婚記念曲を書くのは年齢からいって無理なので、雅子さまのお子さまのために行進曲を作りたいと言っていました)が聞けなかったのは本当に残念でした。「ヴェルディは80歳を過ぎてから『ファルスタッフ』を書いた。そういう男に僕はなりたい」と話していたそうですが、その團さんの『ファルスタッフ』は永遠に未完に終わってしまいました。

■さようなら、團先生(葬儀に参列して)  

葬儀での祭壇・遺影
<著者撮影>
團伊玖磨・葬儀場
- 護国寺 -
<著者撮影>

6月21日、小雨降る護国寺において故團伊玖磨氏の葬儀(密葬は5月20日神奈川県横須賀市の自宅で、生前親交があった天皇、皇后両陛下、皇太子ご夫妻も弔文をよせられ、オペラ歌手の佐藤しのぶさんら約600人が参列)がとり行われました。
 13時から始まった葬儀は、開式の辞、読経の後、7人による弔辞に移りました。日中文化交流に尽力した團さんらしく、中国人民外交部長の唐家旋閣下、中国人民対外友好協会会長の陳昊蘇氏という日中文化関係の2人の中国人によって團さんの素晴らしい功績が紹介され、日中文化交流協会代表理事で日本画家の高山辰雄氏、今回の訪中に同行した歌舞伎俳優中村芝翫氏、神奈川県知事岡崎ひろし氏、友人代表として作家・詩人の辻井喬氏と続き、最後に伊藤京子さん。彼女は歌劇「夕鶴」のつうを歌い続けた声楽家で涙ながらの弔辞は参列者の涙を誘いました。
 引き続き全部で3000通に及ぶ弔電の1部を紹介した後、喪主挨拶(このとき、演奏会にたびたび足を運んでいた小泉純一郎首相が到着)として團さんの御子息2人の挨拶があり、焼香へと移りました。その後、一般参列者の焼香になりましたが護国寺を訪れる人の列(1500人)はいつまでも長く続いていました。なお、参列者の中には、作曲家の三善晃氏、俳優の森繁久弥氏、民主党の鳩山由紀夫代表など多くの政治関係者が姿を見せていたほか、天皇陛下、皇太子殿下など皇室からの花がたくさん捧げられていたのがとても印象的でした。

葬儀場に入場する
小泉純一郎首相
<著者撮影>
どこまでも続く花、花…
<著者撮影>

喪主の團名保紀さんは、「父は、昨年6月から"DAN YEAR 2000"と名をうったコンサートで全6曲の交響曲を始め、主要オペラなど集中的に演奏するというフェスティバルを今年の3月まで9ヶ月間の長期をかけて行いました。これは本当に異例のことです。このフェスティバルで普段は決して見せたことのない涙を見せたことで本当に父は満足しているんだなぁ、と実感しました。3年半ほど前に心臓の病で危篤になり、奇跡的に生還した後の仕事ぶりは目を見張るものがあり、また新たな作品を書き残したのです。父は私たち家族にも健康と見せかけた演技をしていたところもあり、私たちは残念ながらそれに気づきませんでした。8つめのオペラ、7つ目の交響曲の構想を計画中であったと推察していますが、充分に満足のできる晩年を過ごして幸せだったと思っています。父の作品を通していつまでも皆様の中に團伊玖磨が生き続けることを願ってやみません」と挨拶しました。
 我々演奏をする側のものが、團さんを失ったことの大きさを認識するにはもう少し時間がかかるのかもしれません。私の所属している音楽隊は、その直後の屋外コンサートで追悼演奏として「祝典行進曲」をプログラムに加えましたが、メンバーはどのような気持ちで演奏したのでしょうか、また團さんの元にはどのような響きで届いたのでしょう。


■團先生、得意の演出?

「さよならパイプのけむり」 表紙
(朝日新聞社) <著者撮影>

これは、おなじみ「パイプのけむり」の表紙です。「アサヒ・グラフ」1964年6月5日号の第1回「ハンド・バック」から2000年10月13日号「さようなら」まで、回数にして1842回、36年間を越える長きにわたり私たちを楽しませてくれました。團さん、あるいは「パイプのけむり」のファンであれば表紙を見て直ぐに「おやっ」と思うかもしれません。写真の表紙は最終27巻目「さよならパイプのけむり」ですが、出版されたものはピンクの明るい表紙だったはず。別に白黒(モノクロ)の写真でもありません。これは6月21日に護国寺で行われた「團伊玖磨・合同葬儀」で特別に配られた特装印刷のものなのです。扉裏に「大寺の 香の煙は細くとも 空にのぼりて 雨雲となる ― 」の読み人知らずの一句が新に掲載されていますが、これは最終回「さようなら」の終りに掲載されたもので、夏が終り、秋がせまる八丈の描写の序文から、生きるということで生まれるものは音楽の創造と、この週1度の小さな文章を書くことだと記しています。そして、連載を始めた経緯など36年を振り返りながら次のように「けむり」の幕を引きました。
「今年もいよいよ秋らしい秋がきた。秋は、折り敷く落ち葉の中で物事を終えるのに似合った季節である。長年、この稿に親しんで下さった方々にお別れの挨拶をせねばならぬ時が来た。さようなら。僕はもう此処には帰って来ない。老人は消えていく。見えるのはだんだん小さくなって行く背中だけだ。老人は古い古い今様の旋律を口ずさんで歩いて行く」そして、前述の一句のあと、こう続けています。「老人のパイプからはもう『けむり』は出ない。目指しているのは、求めているのは、今はもう異る種類の『けむり』のようである」
 急遽、合同葬儀までに特装版を作ることが決まり、デザイナー(装幀)の多田進さんをあわてて探し、なんとか間に合わせた、というお話を團伊玖磨事務所から伺いました。1月に出版されていた「さよならパイプのけむり」を配ることは遺族と相談してすぐに決まっていましたが、秘書の佐藤静恵さんの発案で、ピンクの文字だった部分を濃いグレーに変えて皆さんに配ることにしたのだそうです。本の帯に書かれている「生病老死、愛別離苦は人の世の定めです。親しんで下さったみなさん、それでは、さようなら」という自身の言葉があまりにもぴったりしていて悲しく、前に掲げた一句の通り、降りしきる雨は開式を待っていたかのように止み、まさに「空にのぼりて、あま雲となる−」と先生がすべてを演出しているようでした。護国寺の帰路、包みを開け、中から出てきたこの本を見て「さすがは團さんのところはみな、センスが違うなぁ」と思わず、私はあのおどけた笑顔を脳裏に思い浮かべてしまいました。
(この本、話題になり問い合わせが殺到したそうですが、残念ながら特装版のため書店では手に入らないものです)

「皆さん、さようなら、さようなら、どうぞお達者で…」
<広瀬飛一撮影>



【吹奏楽作品紹介】
 さぁ、それでは吹奏楽曲の紹介です。今回、作品をまとめてみて、多くの名曲を残してくださった團伊玖磨先生へ、改めて感謝と敬意の気持を表したいと思います。



「祝典行進曲」
楽譜

◇「祝典行進曲」(1959)
  Grand March“Celebration”

昭和34(1959)年4月10日の皇太子殿下(今上天皇陛下)のご成婚を祝して、朝日新聞社と東芝レコード会社が委嘱したコンサート・マーチで、その年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲(高校の部)にも採用されました。その後、39年の東京オリンピック入場行進にも演奏(古関裕而作曲のオリンピック・マーチの後、5曲目に演奏。指揮/松本秀喜)され、国内はもとより国外でも盛んに演奏される日本を代表する名行進曲です。
 この名曲誕生には次のようなことがありました。当時、東芝レコードの専属だった團氏に立案者の砂田茂専務とプロデューサー芦原貢氏は、当初お祝いの作品として歌曲の作曲を勧めました。これはもっともな話で、そのころの團氏は歌の作曲者として名をなしていたからです。しかし、頑なに行進曲の作曲を主張する團氏に二人は何度も「うーん、行進曲ねぇ、今は流行らない種類の音楽だなぁ」と難色を示しました。
 そのころの日本は、この年(前年の58年)に入って“岩戸景気”に沸き、12月に初めて一万円札が発行され、暮れに東京タワーが完成、一本270円のフラフープが飛ぶように売れ、巷では「おーい中村君」という呑気な歌が流行っていました。しかし、十数年前に終わったばかりの戦争の傷痕が街中には、まだごろごろしていたのです。そんなときに、せっかく忘れていた軍靴の音を思い出させる行進曲が歓迎されるはずがありません。でも、團氏は「軍隊を連想させる行進曲ではなく、コンサート用の優雅な曲想の行進曲を作曲してこれからの希望あふれる日本を祝福したかったのです」と熱く語ったのです。(「降っても パイプのけむり」22巻「祝典行進曲」から)
 しかし時は下って、99年に作曲者から直接聞いた話はとても興味深いものでした。「ボクには吹奏楽っていうものが懐かしくてしょうがないんです。せっかく自分が陸軍戸山学校で習得した技術を忘れるの残念だし、学んだことを無駄にしないために吹奏楽の曲、行進曲から初めていろんなものを書きたいと、そうしたときに、ある方面からマーチを作らないか?とお話があったので国民全体の喜びとして作りましょう!と言ってこの祝典行進曲を宮内庁に献上したんです。ですから、この曲はよく聴くとやっぱりフランス風のアレンジによる旧陸軍(旧陸軍は世界一と謳われたフランス式であった)のマーチの作り方そのものですよね。よくそれがあの中にそのまま讃えられていると思うんです」
 このお話はちょっと複雑!?でした。まぁ、いずれにしてもこの作品、日本を代表する名行進曲に違いありませんし、私も大好きな曲のひとつです。

皇太子御成婚パレード後
祝賀式に向かう音楽隊

この作品が初演されたのは、御成婚当日(4月10日)の夕刻5時から明治神宮外苑の国立競技場で行われた朝日新聞社主催・東京都後援による「皇太子さま御結婚お祝いの夕」(御成婚パレードでは演奏されていません)で、演奏は、陸上自衛隊中央音楽隊、海上自衛隊東京音楽隊、航空自衛隊航空音楽隊、警視庁音楽隊、東京消防庁音楽隊、皇宮警察本部音楽隊、アメリカ第五空軍軍楽隊の合同バンドでした。その後もこの行進曲は、ロス五輪の入場行進や今上天皇陛下即位のパレードの際にも、天皇・皇后御訪中の歓迎宴の席でも演奏され続けています。
【楽器編成】[音楽之友社(1959)]
Pic./Fl.1.2/Ob./Bsn/EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Alto1,2,3,4
Trb1,2,3/Bari./Euph./Bass/S.Drum/B.Drum


オリンピック序曲
表紙

◇「オリンピック序曲」(1964)
  Olympic Overture 

昭和39年10月10日に行われた第18回東京オリンピック開会式のために作曲されたもので、開会前のアナウンスに続き演奏されました。この直後に黛敏郎の電子音楽が流され、天皇陛下のご臨席、国歌演奏、選手入場という流れになります。開会式の冒頭に演奏されたこの序曲は、金管のファンファーレに続き4つの鐘が印象的な壮麗な作品です。初演時の演奏は、陸・海・空、自衛隊音楽隊、警察音楽隊、消防庁音楽隊、皇宮警察音楽隊、神奈川県警音楽隊が担当(指揮/中央音楽隊第2代隊長 斎藤徳三郎)しました。その後、あまり演奏に恵まれていないのがなんとも残念で、開会式当日の演奏を聴くと録音状態が良くないのと合同演奏のせいか、この曲の良さが充分に伝わってきません。ぜひ、どこかのバンドでの再演を期待したいところです。なお、余談ですが團伊玖磨氏が山田耕作筰先生に薦められ、八丈島に作曲小屋を立ててから初めて作曲したのがこの序曲でした。以後、八丈では次々と名作が生まれることになります。
【楽器編成】[Eastern Music Publishing(1963)]
Pic./Fl.1.2/Ob.1,2/Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/Alto.Cl./BassCl/A.Sax.1,2
T.Sax/B.Sax/Corn. orTp1,2,3,/Hrn1,2,3,4,/Trb1,2,3/Bari./Euph/Bass
Timp/S.Drum&B.Drum/Cymb./4 Campanela.


◇Prospera aeterna (1964)
 詳細不明(The Heritage Encyclopedia of Band Musicに掲載あり)(調査中)
[音楽之友社(1964)]


◇行進曲「青年」(1965) The Youth,March
 太平洋戦争中兵士の士気の鼓舞や現地人の宣撫工作等に活躍した陸軍と楽隊の喜びと悲しみを綴った團伊玖磨のエッセイ「陸軍と楽隊始末記」が1965年(昭和40年)「戦場に流れる歌」のタイトルで映画化(東宝映画/脚本・監督 松山善三、音楽 團伊玖磨)されました。すでに「無法松の一生」「にごりえ」等で見られるように映画音楽の分野でも数多くの秀作を世に送っている團氏は、この映画では吹奏楽を駆使した音楽を作曲しましたが、その主題曲がこの行進曲「青年」なのです。
 なお、この映画で加山雄三が扮する軍楽隊長小沼中尉のモデルはブリジストンタイヤ久留米工場吹奏楽団の指揮者小山卯三郎氏の若き姿と言われています。大変明るいこの行進曲は、作曲者も気に入っていたのか、たびたび指揮をとっていました。99年の「Shonan Concert 1999」(よこすか芸術劇場、みなとみらいホール)において作曲者自身の指揮で、そして昨年の大事業「DAN YAER 2000 ブラス・ファンタジー」でも「ジャパン・スーパー・バンド・コンサート2000」(神奈川県民ホール前広場)で演奏(指揮/伊藤透)されました。



キスカ・マーチ
楽譜
映画
「太平洋奇跡の作戦キスカ」

◇「キスカ・マーチ」(1965) Kiska March

65年に東宝で封切られた、映画「太平洋奇跡の作戦・キスカ」(監督:丸山誠治、出演:三船敏郎、山村聰、佐藤允ほか)のテーマ行進曲で、もうひとつの主題歌「霧のキスカ」と2つのテーマ音楽がありました。
 ストーリーは「アメリカ軍が反撃に転じたために、太平洋の日本軍は敗退を余儀なくされ、アッツ島の日本軍が玉砕、キスカ島にも危機が迫っていた。そこで、海軍はキスカに救出艦隊を派遣する」というものです。日本映画には珍しく陽性の戦争映画で封切りの当初、映画館の前で海上自衛隊音楽隊がこの「キスカ・マーチ」を演奏しました。この映画、LDで再発(ファンの間で話題になりました)後、DVDでの発売が待たれる傑作映画で、特技監督円谷英二の戦闘シーンの撮影は注目に値します。映画館の前の生演奏については次のような貴重なお話が聞けました。「当時は、このような館前での演奏は珍しいことではなく、戦争映画などにはつきものだったですね。たしか片山正見隊長の指揮だったと記憶しています」(元海上自衛隊東京音楽隊長、谷村政次郎氏談)
 そういえば、筆者も戦争映画の時に劇場前に並んで、先着50名!ということで飛行機のプラモデルをゲットした懐かしい記憶(その映画は、「太平洋の翼」で“紫電改”のプラモでしたが、30名を過ぎるころから“グラマン”に変更されガッカリした)があります。なんだかとても良い時代でした。そういえば、その時の映画「太平洋の翼」も團先生の音楽だったんですね。今度機会があれば是非、音楽中心(無理だって!)に観たいと思います。曲は、なかなか勇壮なテーマの行進曲で、戦争映画の初期傑作として興味深い作品です。なお、「キスカ・マーチ」の楽譜は、海上自衛隊東京音楽隊の好意でお借りすることができました。
【楽器編成】[海上自衛隊東京音楽隊(1965)]
Pic./Fl./Ob./Bsn1,2/EbCl./BbCl1/Unis.Cl/A.Cl/BassCl/A.Sax1,2/T.Sax/B.Sax
Cor.1,2,3,/Hrn1,2,3,4/Trb1,2,3/Bari./Euph/Basses/S.Drum&B.Drum/Timp..


◇吹奏楽のための「奏鳴曲」(1976) Sonata for Band
 詳細不明(調査中)




行進曲「べっぷ」
楽譜表紙

◇行進曲「べっぷ」(1976)
 Grand March BEPPU

別府市は、毎年別府市で行われる第25回「別府大マラソン」大会を記念して團伊玖磨氏に行進曲の作曲を委嘱しました。作曲者は半年の間、濃緑の山々と美しい海にいとなまれる別府市の風土を研究するとともに、マラソン・コースまでも調べてこの輝かしい作品を完成させました。「このマラソン大会は、今や世界的行事の一つであります。その大会、並びに別府市民の活力を象徴する大行進曲を作曲することは、私にとってこのうえない喜びでありました。皆さんのマーチとして、別府市の繁栄とともにこの大行進曲が末永く高鳴ることを祈ってやみません。」(團伊玖磨)
【楽器編成】[別府市(1976)非売品]
Pic./Fl.1.2/Ob./Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/BassCl/A.Sax/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3
Hrn1,2,3,/Trb1,2,3/Euph/Sousaphone/S.Drum&B.Drum/Cymb.




行列幻想3楽章
表紙

◇ブラスオーケストラのための「行列幻想」
  (1977時松敏康 編曲)
  Procession Fantasy for Band

この作品は、1977年ブリジストンタイヤ久留米工場吹奏楽団の委嘱により、同年5月久留米市石橋文化ホールで行われた同吹奏楽団の第9回定期演奏会で、作曲者の指揮により行われました。
「行進曲には、いろいろな行進曲がある。今回の作品については、少し変わった行進曲を書きたいと思った。人間の行列を“男”、“女”、“そして男と女”の3楽章から組み立ててみた。第1楽章は力強く、第2楽章は優美に、そして第3楽章は力強く演奏してほしい。優れたブリジストンタイヤ吹奏楽団のために作曲するのは幸福だった。全体としては明るい曲になるように努めた」「第1楽章は、やや無骨で古風なリズムにのって男性的なテーマが装飾を従えて現れ、クライマックスに向かっていきます。第2楽章は1楽章にくらべてはるかに柔らかい衣装を風になびかせる女性たちの踊りにも似た行進曲です。美しいばかりでなく、憂愁を秘めた心の歌が聴こえます。第3楽章は1と2の要素をさまざまに組み合わせて、男女によって支えられる理想的世界を華々しく描きます」(團伊玖磨)
 編曲の時、松敏康は警視庁音楽隊嘱託の編曲者で、吹奏楽法に詳しい氏に團さんもよく相談をしていたそうです。なお、この曲のフルスコアは出版に先立ち「バンド・ジャーナル」誌の別冊付録楽譜となって全国に広まりました。(98年1、2月号)
 團氏とブリジストンのつながりは長く「ブリジストンタイヤ株式会社・社歌」(1956年、創立25周年記念作品・作詞/石橋正二郎)、その後「ブリジストン・マーチ」を作曲しています。そして、「久留米市の歌」、合唱曲のスタンダードとして有名な合唱組曲「筑後川」を作曲するなど久留米市ともゆかりが深かく、さらに九州交響楽団の久留米公演や「くるめ市民コンサート」などでしばしば同市を訪問していました。
【楽器編成】[音楽之友社(1997)]
Pic./Fl.1.2/Ob.1.2/Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/Alto.Cl./BassCl/Cnt.BassCl.
Sop.Sax/A.Sax1.2/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Hrn1,2,3,4,/Trb1,2,3/BassTrb.
Euph/Bass/St.Bass/Timp/Perc.1-5



行進曲「海の若者」
表紙

◇「海の若者」(1978)
 March Umi no Wakoudo

1978年、海上自衛隊佐世保音楽隊のために作曲された行進曲で、楽譜の表紙にはタイトルが「海の若者(わこうど)」と記されている。シンバルの一撃の後、変ホ長調で奏される金管のテーマから開始、その後トュッティとなる堂々とした明るい作品で、海を護る若者たちの息吹が聴こえてくるような溌剌とした作品です。
【楽器編成】[海上自衛隊佐世保音楽隊(1978)]
Fl./Ob./EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Hrn1,2,/Trb1,2,3
Euph/Bass/Glockenspiel/S.Drum&Tamb./Cymb




行進曲「希望」
表紙

◇行進曲「希望」(1987)
  Grand March“Hope”

「全日本吹奏楽連盟の創立50周年を祝って、この大型の行進曲を作曲することは心からの喜びでした。格調の高い、フォルムの整った曲を作ることを心掛けました。前に皇太子殿下のご成婚を祝って作曲し、今方々で演奏されている「祝典行進曲」の続編のような、言ってみれば「祝典行進曲第2番」の心算で筆を進めました。接続部に幾分似た部分が現れるのはそのためです。昔の日本では行進曲は軍国主義的なものが多く鳴っていました。もとより音楽的に優れたものもその中にありましたが、今、日本は平和国家となり、行進曲も平和を謳歌する喜びに満ちたものが要求されています。この曲が、全国に高鳴り、多くの方たちの「希望」の心を湧き立たせるよすがになることを心から祈っています」(團伊玖磨)
【楽器編成】[全日本吹奏楽連盟(1988)]
Pic./Fl.1.2/Ob./E.h/Bsn/EbCl./BbCl1,2,3/Alto.Cl./BassCl/A.Sax
T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Hrn1,2,3,4,/Trb1,2,3/Euph/Bass/St.Bass/Timp
Xylophone/Glockenspiel/S.Drum&Tamb./Cymb.




行進曲
「パシフィック・フリート」
楽譜

◇行進曲 「太平洋艦隊」
  パシフィック・フリート (1988)
  Grand March“Pacific Fleet”

1988年に作曲されたこの作品は、海上自衛隊のために作曲されたオーソドックスな行進曲で、太平洋の荒波の中を勇ましく進む護衛艦の勇姿を見事にあらわしています。
【楽器編成】[海上自衛隊(1988)]
Pic./Fl.1.2/Ob./E.h/Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/Alto.Cl.
BassCl/A.Sax/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Hrn1,2,3,4
Trb1,2,3/Euph/Bass/St.Bass/Timp/Glock.&Tri.
S.Drum&Tamb./Cymb.& B.Drum




新祝典行進曲
表紙

◇「新・祝典行進曲」(1993)
  Grand March“The Royal Weddings”

この行進曲は、1993年1月なかば(殿下と雅子さんの婚約が皇室会議で決定された19日)に、皇太子殿下と大和田雅子さんのご成婚を前にして、奉祝の念をもって書き上げられたもので、前の年の6月15日に、團氏が天皇、皇后両陛下に神奈川県葉山でお目にかかった時に、「お祝いが近いと存じますので、新しい行進曲を考えております」と作曲を約束しました。変ホ長調のかなり規模の大きい華やかで祝典的な作品で、男性的で力強さい部分と、女性的で優美な部分を盛り込み日本・東洋的な感覚と現代的な感覚をクロスさせた作品です。「今度も、足並みを揃えるための実用音楽ではなく、前回のような馬車のパレードの時代でもない。おそらくオープン・カーのパレードだろう。軽やかなテンポで、想い合った方々が結ばれる輝かしい喜びを歌い上げる曲にしたい。1月9日に皇太子妃が大和田雅子さんに決まったニュースが流れた時、僕は最後の頁の総譜を書き終えようとしていた」(團伊玖磨)
 発表は1月29日、報道陣を多く集めた警視庁音楽隊の練習場において作曲者自身の指揮により演奏され、2月5日に普門館大ホールにおける東京佼成ウィンド・オーケストラによるレコーディング、2月10日には、海上自衛隊横須賀音楽隊により公開初演(横須賀市文化会館)が行なわれました。

御成婚パレード
新祝典行進曲の奏楽
(1993.6.9)

御成婚当日(6月9日)、午後4時45分、皇太子・妃両殿下の乗られたオープン・カーは皇居宮殿南車寄から東宮仮御所迄の4.2キロのパレードに出発。御車の速度は平均時速10粁 、所要時間は約30分でした。「新・祝典行進曲」の演奏は九つの音楽隊がリレー式に行う停止演奏の形で行われ、演奏は順に宮内庁楽部(管弦楽30名)、陸上自衛隊中央音楽隊(70名)、東部方面音楽隊(50名)、警視庁音楽隊(50名)、海上保安庁音楽隊(36名)、東京消防庁音楽隊(50名)、航空自衛隊航空中央音楽隊(50名)、海上自衛隊東京音楽隊(70名)、皇宮警察音楽隊(26名)の総計432名でした。(「降っても パイプのけむり」22巻「祝典行進曲」から)
【楽器編成】[音楽之友社(1993)]
Pic./Fl.1.2/Ob./E.h/Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/Alto.Cl./BassCl
A.Sax/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,/Hrn1,2,3,4,/Trb1,2,3/Euph/Bass
St.Bass/Timp/Glock.&Tri./S.Drum&Tamb./Cymb.& B.Drum

◇「希望のあしおと」(1998)March Kibou no Asioto
 警視庁機動隊創設50周年を記念して、その年の観閲式のために委嘱され作曲されたマーチがこの「希望のあしおと」で、タイトルは、第81代警視総監前田建治が命名しました。團氏と警視庁音楽隊のつながりは深く、平成6年の「團伊玖磨が語る吹奏楽の120年から」(明治記念館)のコンサートは旧陸軍軍楽隊から警視庁に受け継がれた約2000の楽譜を再現、後世に伝えるための企画として高い評価を得ました。また、98年10月の水曜コンサート(日比谷公園野外音楽堂)でも自作の「行列幻想」、行進曲「青年」などを自身で指揮をしました(このとき行進曲「希望のあしおと」は、当時の隊長牟田久壽が指揮)。曲はドラム・マーチにトランペットのファンファーレが続く明るいもので、グロッケンが効果的に使用されています。転調が多いのもこの作品の特性で、最初のテーマが再現されると元気にエンディングを迎えます。
【楽器編成】[警視庁音楽隊(1998)]
※公開を希望していないため詳細不明。


◇March Tanabata(2000)
神奈川県平塚市“湘南ひらつか七夕まつり”50回を記念して、平塚市民歌の作曲者である團氏が作曲したもので、曲中に平塚市民歌が織り込まれた、明るく、力強く、おおらかな行進曲です。吹奏楽の編曲は伊藤透氏で、市内の学校や市民バンドで演奏されました。この行進曲、平成12年7月5日には團伊玖磨の指揮、演奏は神奈川県警音楽隊でレコーディングも行われ、市民歌、花の街など團氏の作品をカップリングしたCDは市で無料貸し出しを行っています。
[お問い合わせ:平塚市文化財団事業課(文化センター内)0463-32-2237]

 


【アレンジ作品】

◆組曲「シルクロード」(1955/99稲垣征夫 編曲)
Suite for The Silk Road (arr. Ikuo Inagaki)

 この曲は、1953年から54に掛けて作曲されたオーケストラ組曲です。初演は「三人の会」の第2回演奏会にて作曲者自身の指揮、東京交響楽団により1955年の春に行われました。東洋に生まれ、西洋音楽を学んだ作曲者は、早くからこのシルクロードに関心を持ち、音楽化したいと考えて「日本とヨーロッパの間に横たわっている多くの国、たくさんの民族、そういうところにある旋律を使って、新しい曲を書こうとした」と述べています。そして完成した曲は、アラビア、インド、中国などの音階も使用され、東西両文明が融合・
統一された作品となりました。この吹奏楽版はNEC玉川吹奏楽団の指揮者、稲垣征夫氏が團氏から、「普通は許可しないのですが、稲垣征夫氏が編曲するのなら特別に許可しましょう」という編曲許可を得て、2000年5月第19回定期演奏会で初演されたものです。
 曲は「綺想的前奏曲」「牧歌」「舞踏」「行進」の4つから構成されています。この楽譜は現在、團さんが亡くなったために、版権は確定していませんがアレンジの良さもあって、今後期待の作品になることは間違いないでしょう。
 なお、この作品によって、後に語ることになりますが、私とNEC玉川吹奏楽団の鈴木氏と新たな出会いを生むことにもなりました。


◆花の街 (1947/00伊藤 透 編曲)
 戦争が終わった当時、作曲者は目黒に住んでいました。ちょうど隣に住んでいたNHKに勤めている娘さんから「作曲の勉強をしていらっしゃると伺ったのでお訪ねしたのですが、NHKが放送する婦人の時間のためにこの詩に作曲していただけませんか?」と言われ、差し出されたのが江間章子さんの美しい詩でした。この詩に曲をつけた作品がこの「花の街」で、その歌はNHKの午後11時15分から45分までの「メロディーに乗せて」という婦人番組のテーマ音楽となり番組の前後に2回、11年間日本中に流れることになりました。その後、この歌は中学3年、高校1年の教科書に掲載され、さらに広まりました。
 なお、この吹奏楽編曲は昨年の「DAN YEAR 2000」の行事のひとつ「ジャパン・スーパー・バンド・コンサート2000」(神奈川県民ホール前広場・10月15日)のアンコールで取りあげられたもので、大きな感動と反響を呼び要望によりAPIからレンタルされることになりました。編曲は当日の指揮をとった伊藤透氏によるものです。
[お問い合わせ:API,inc.Tel 044-888-3781]


◆美しき日本の四季 (1947/87池田八十二編曲)
 この作品は日本のうたを4曲の合唱付きのメドレーにしたもので、「夏の思い出」(江間章子/中田喜直)、「ちいさい秋みつけた」(サトウハチロ−/中田喜直)、「雪の降る街を」(内村直也/中田喜直)、「花の街」(江間章子/團伊玖磨)という構成(曲順)になっています。編曲は陸上自衛隊東部方面音楽隊の矢野勝男のものを元に、1987年に中央音楽隊の池田八十二が大幅に監修・編曲したもので、混声合唱団のパートがついた本格的なバンドと合唱の名アレンジで、エンディングの「花の街」が素晴らしい効果を上げています。

【楽器編成】[陸上自衛隊中央音楽隊(1987)]
Fl.1.2/Ob./Bsn/EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax1,2/T.Sax/B.Sax/Tp1,2,3,
Hrn1,2,3,4,/Trb1,2,3/Bari./Euph/Bass/St.Bass/Timp/Glock.
Percussion/Harp/Chorus1,2




「花といるのはしあわせだ」
表紙

◆花といるのはしあわせだ (農林中央金庫 企画)

この作品はサトウハチロー作詞の子供の歌で、農林中央金庫が企画した行事のために吹奏楽編曲され演奏された。初演は、独唱、立川澄人、合唱、二期会合唱団、演奏、海上自衛隊音楽隊で行われ、その際に印刷譜が制作されました。
「花は、花はともだちだ、チューリップ、ポピー、カーネーション〜」ととても爽やかな歌詞で親しまれています。吹奏楽への編曲は内藤孝敏によるものです。

【楽器編成】[農林中央金庫]
Pic./Fl./Ob./Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax/T.Sax/B.Sax
Tp1,2,3,/Alto1,2,3,4,/Trb1,2/Euph/Bass/Bass in E♭/Percussion



「この土」
表紙

◆この土 (1965朝日新聞社・須摩洋朔 編曲)

朝日新聞創刊80年の記念行事として制定された「新しい日本の歌」です。作詞・作曲ともに明朗な作品で、とくに青少年が愛唱するにふさわしい歌曲に仕上がりました(文部省:瀬尾弘吉談)。朝日新聞社選定のこの歌、作詞は丸野きせ、作曲家は團伊玖磨で、吹奏楽の編曲は須摩洋朔(中央音楽隊初代隊長)で、この曲は厚生省の推薦をいただきました。

【楽器編成】[ビクターレコード(1965)]
Pic./Fl./Ob./Bsn1,2/EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax/T.Sax/B.Sax
Tp1,2,3,/Alto1,2,3,4,/Trb1,2/Euph/Bass/Percussion




行進曲「この土」
表紙

◆行進曲「この土」
  (1965朝日新聞社・深海善次 行進曲作曲)

この行進曲は、前出の「新しい日本の歌」として朝日新聞社が選定した「この土」を取り入れて行進曲にしたもので、行進曲作曲は深海善次です。深海氏は、海軍軍楽隊でユーフォニアムを専攻、大正15年海軍省委託学生として東京音楽学校(現:東京芸術大学)において弦楽を習得した後、同音楽学校講師及び日本ビクターの専属作曲家として活躍しました。楽譜は「祝典行進曲」とともに「祝 皇太子殿下御成婚」として東芝レコードからLP(こちらは祝典行進曲のみ)とともに出版されたものです。3連譜の力強い前奏に引き続き、軽やかな第1マーチ、男性的な第2マーチの後、トリオの部分として「この土」のメロディーが美しく歌われます。

【楽器編成】[東京東芝電気株式会社(1965)]
Pic./Fl./Ob./Bsn/EbCl./BbCl1,2,3/A.Sax/T.Sax/B.Sax
Tp1,2,3,/Alto1,2,3,4,/Trb1,2/Euph/Bass/Percussion


◆河口[カコウ](1998) 
 曲は、九州のアマチュア合唱団、久留米音協合唱団の創立5周年(1968年)を記念して作曲された、混声合唱組曲「筑後川」の最終楽章を吹奏楽用に編曲したもので、グランディオーソのこの5楽章「河口」は、4分の5拍子の壮大なフィナーレです。行進曲風な楽句にのって幅の広い豊かな旋律が筑後川の悠久の流れを歌い上げる、スケールの大きな曲で、全曲の構成は「みなかみ」「ダムにて」「銀の魚」「川の祭り」「河口」の5楽章かななります。1998年に、カワイ・シンフォニック・ライブラリーから出版されたこの版の編曲は、作曲者の信頼が厚い警視庁音楽隊の時松敏康が行いました。
[カワイ出版(1998)]

【CD(レコード)紹介】
 さて、今度は團伊玖磨氏の吹奏楽作品の音源を紹介していきましょう。「3人の会」の中では最も多くの吹奏楽作品を残された、ということはファンだけでなく吹奏楽界にとってもラッキーであったといえますが、うれしいことにCD・レコードの数もかなりの点数が発売されています。なお、再発されているものはできるだけ新しいものを掲載しています。


● 組曲「シルクロード」

◆組曲「シルクロード」CAFUA(CACG-1013)

作曲者から特別に許可をもらった組曲「シルクロード」をメインに意欲的な作品が並んでいます。原曲のオーケストラ版「シルクロード」の現役盤が手に入らない今、このCDは大変貴重なものとなっていますが、演奏も大変に素晴らしく「オケ盤なんかいらない!」という快演です。積極的なアプローチで新しい作品を開拓する精神は大変に貴重で、吹奏楽界の発展に欠かせないことだと思います。私自身もこの作品を惚れ直しました。最後のトラックに入っている、ミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」も注目に値します。

[収録曲]
行進曲「神秘の殿堂の貴族たち」(スーザ)、よだかの星(福島弘和)、交響詩「スパルタクス」(ヴァンデルロースト)、組曲「シルクロード」(團伊玖磨)、他
♪稲垣 征夫/NEC玉川吹奏楽団 [録音2000.5.14/横浜みなとみらいホール]



●祝典行進曲

◆「新・祝典行進曲〜皇太子殿下御成婚を祝して」
  東芝EMI株式会社(TOCZ-9203)
 ふたつの「祝典行進曲」だけが収められたCDで、2曲とも作曲者が指揮をしています。新・祝典行進曲は、これが初レコーディングで、まさにタイムリーな企画となりました。演奏も確かなもので、新祝典行進曲についての詳しい解説は、永久保存したいものです。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、新祝典行進曲(團伊玖磨)
♪團 伊玖磨/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音 1993年2月5日/普門館大ホール]


◆星条旗よ永遠なれ
  世界のマーチ名曲選 フォンテック(FOCD-9134)
 世界のマーチ名曲16曲が集められたCDで、録音は新しいもの。フォンテックの中央音楽隊のシリーズ「フランス名曲集」「バーンズ交響曲第3番」「イギリス近代名曲選」に続くシリーズ第4弾でした。
[収録曲]
国民の象徴、海を越える握手、銃声、錨を上げて、旧友、ヴァルドレス、剣士の入 、勝利の父、祝典行進曲(團伊玖磨)、軍艦行進曲 他
♪野中 図洋和指揮/陸上自衛隊中央音楽隊 [録音1999.11/中央音楽隊合奏場]


◆「吹奏楽大全集Vol.3
  祝典行進曲〜日本行進曲集」

 日本クラウン(ZY-1008)
 日本クラウン・レコードが1996年から開始したワンポイント・レコーディング方式で収録したシリーズ(全12巻)で、当時話題になりました。この方式は、指揮者・演奏者が作り上げた音楽を最良かつ忠実に再現するために考案され、自然でいてバランスのとれた録音はマルチと一味違う、いままでにないものでした。全20曲。
[収録曲]
陸軍分列行進曲(ルルー)、君が代行進曲(吉本光蔵)、歓声(須摩洋朔)、希望に燃えて(水島数雄)、東京行進曲(瀬戸口藤吉)、進歩と調和(川崎優)、祝典行進曲(團伊玖磨)、ブルー・インパルス(斎藤高順)、秋空に(上岡洋一)他
♪富家 秀則/陸上自衛隊中央音楽隊 他 [録音1996.9-97.2/入間市民会館 他]


◆「世界の祝典行進曲」
 キング・レコード(KICG-3060)
 皇太子殿下の御成婚おお祝いして、日本の代表的作曲家・團伊玖磨氏が奉祝の意を込めて作曲し、殿下に献上した「新祝典行進曲」のほか、世界の大作曲家が王室などのために作曲した御慶事をお祝いするにふさわしい行進曲とファンファーレなど9曲を収録しています。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、新祝典行進曲(團伊玖磨)、戴冠式行進曲(マイアベーア)、皇帝行進曲(ワーグナー)、戴冠式行進曲(サンサーンス)、他
♪船山 紘良/陸上自衛隊中央音楽隊 [録音1993.4/入間市民会館]


◆「マーチ名曲選Vol.3」
 東芝EMI株式会社(TOCZ-9203)
 東芝がLP(2枚組の3シリーズ)の時代に発売したシリーズからチョイスしたもので「吹奏楽名曲コレクション」として全20巻があります。この「マーチ名曲選」は全部で5枚、このVol.3には19曲のマーチが入っています。演奏は、陸・海・空のバンドで録音は古さを感じさせない歯切れの良いもの。
[収録曲]
ザカテカス(コーディナ)、サーベルと拍車(スーザ)、祝典ギャロップ(須摩洋朔)、祝典行進曲(團伊玖磨)、スペアミント(チュリーヌ)、他
♪高橋 良雄/陸上自衛隊中央音楽隊 他 [録音 1974年/中央音楽隊合奏場 他]



◆「愛の喜び・新祝典行進曲」
 ビクター音楽産業(VICC-8005)
 お二人の御成婚を心から喜び、その感情を曲に託した作曲者のタクトで新・祝典行進曲(この1曲のみ)がレコーディングされた記念CDで、このバンドとのつながりも深いものを感じさせます。録音は東京の秋川市にあるキララ・ホールで、2曲の祝典行進曲のほかに、愛を祝福し、愛を語る世界の名曲が集められています。もちろんオーケストラ等の演奏もカップリング。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、新・祝典行進曲(團伊玖磨)、結婚行進曲(メンデルスゾーン)、威風堂々第1盤(エルガー)、皇帝円舞曲(J.シュトラウス)、愛の喜び(.クライスラー)、君が代行進曲(吉本光蔵)他
♪汐澤 安彦/ジャパン・スーパー・バンド [録音 1993年2月25日/キララ・ホール他]


◆星条旗よ永遠なれ 〜ブラン楽長時代の至芸W
 東芝EMI株式会社(TOCE-55221)
 世界最高峰の吹奏楽団として名高いギャルドによる行進曲集。特に、後半6曲の日本行進曲集は1961年の初来日時に、東芝の強いリクエストで実現。“奇跡のセッション”として名高いこの録音は、東京・杉並公会堂での収録ですが、簡単なリハーサルの後、いきなりの本番でほとんどがワン・テイクかトゥー・テイクで収録したものです。当時最高だった、純フランスの響きが存分に楽しめる豪快な演奏。
♪レイモン・リシャール/ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 [録音:1961年11月16日/杉並公会堂]


◆「祝典行進曲〜オランダ王立海軍軍楽隊名演集」
 フィリップス(PHCP-20265)
 私が最も好きな演奏。「世界のブラス・バンド」というLPレコードのシリーズに収録されていたもので、邦人作品の4曲の完成度に度肝を抜かれたことを思い出します。平成12年にCD(全12曲)として蘇り、上品な響きがさらに新鮮に再現されました。この好企画、オランダにスコアを送ったのは6月で、初の海外バンドによる邦人オリジナル作品のレコーディングとなりました。
[収録曲]
行進曲「希望」(川崎優)、吹奏楽のための小狂詩曲(大栗裕)、吹奏楽のための幻想曲〜移り気な五度のムード」(塚原哲夫)、祝典行進曲(團伊玖磨)、ボイヤーの入場行 進曲(ハルヴォルセン)、忠誠行進曲《十字軍の王シグール》より(グリーグ)、他
♪J.P.ラロ/オランダ王立海軍軍楽隊 [録音 1968年6-7月頃]

◆「マーチ・ワールドVol.5」
 ブレーン(BOCD-7505)
 巨匠フェネルのマーチ全集として5枚のシリーズで発売されたもので、演奏はさすが、と思わせる出来です。「この特筆すべき小品(マーチ)を選曲するにあたり、基本的には同様のスタイルを持つこの音楽を、パノラマ式に、そして対照的にプログラムすることが、私の挑戦でした。偉大なマーチは永遠です!」−フレデリック・フェネル 全18曲。
[収録曲]
サンブル・エ・ミューズ連隊 、モスコーに敬礼 、祝典行進曲(團伊玖磨)、ゼン・ベイシーズ(ハフィーン)、タイコンデロガ・マーチ(L.アンダーソン)、他
♪フレデリック・フェネル/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音1992年4月14-16日/入間市民会館]

◆世界のマーチ・ベスト・コレクション
  〜日本のマーチ・ベスト20(戦後篇)

  キング・レコード(KICG-3029)
 このアルバムは、芥川さん、黛さんのマーチも含まれていて「三人の会」の3曲が聴ける上、日本の代表的な作曲家の行進曲が多く聞ける、超お薦め貴重盤でもあります。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、コバルトの空(レイモンド服部)、太陽の下に(奥村一)、秋空に(上岡洋一)、祖国(黛敏郎)、ブルー・インパルス(斎藤高順)、大空(須摩洋朔)、栄光をめざして(芥川也寸志)、白銀の栄光(山本直純)、他
♪陸上自衛隊中央音楽隊/海上自衛隊東京音楽隊/航空自衛隊航空中央音楽隊[録音 1989年3-12月/入間市市民会館]


◆新・祝典行進曲
  〜吹奏楽による日本慶祝曲集
 日本クラウン(CRCI-20105)
 谷村隊長お得意の選曲で、多くの貴重な作品が聴けます。とくに指揮者である谷村氏の解説は資料的価値十分で、読み応えがあります。
[収録曲]
新・祝典行進曲(團伊玖磨)、、祝典行進曲(團伊玖磨)奉祝前奏曲(大沼哲)、行進曲「皇太子殿下」(山田耕筰)、奉祝前奏曲「御降誕」(深海善次)、祝典行進曲(團伊玖磨)、他
♪谷村 政次郎/海上自衛隊東京音楽隊 [録音:1993.4.8-9/ルミエール府中アスカホール]

◆警視庁音楽隊創設50周年 「都民と50年!!」AMD (WE-90915-2)

警視庁音楽隊創設50年を記念して制作された2枚組CDで、1枚目は「音で綴る日本の吹奏楽のあゆみ」、2枚目は「音で綴る警視庁音楽隊のあゆみ」という構成になっています。解説の内容が素晴らしく資料的価値が充分ですし、収録されている珍しい曲も貴重な音源となっています。新・祝典行進曲は作曲者の指揮によるものです。非売品。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、祝典行進曲(團伊玖磨)、扶桑歌行進曲(ルルー)、走れ大地を(山田耕筰)、トリティコ(ネリベル)、ザンパ序曲(エロール)、他
♪團 伊玖磨(他)/警視庁音楽隊 [録音1973-98年 日比谷公会堂他]

◆皇太子御成婚記念レコード  「祝典行進曲」
 東芝レコード(17cm盤EC-1001)
 皇太子御成婚記念レコードとして発売されたもので、近衛秀麿指揮、ABC交響楽団の演奏の「越天楽」とカップリングされていました。同時発売には、「君が代」(岩城宏之/NHK交響楽団)や「皇太子さまおめでとう」、「奉祝行進譜」「プリンス、プリンセスおめでとう」「こうたいしさんのテニス」といったレコードがあり、当時の国民の熱狂的祝福ぶりが想像できます。しかし、いま考えるとどれも凄いタイトルですね。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、越天楽(近衛秀麿)
♪團 伊玖磨/東京ブラス・オーケストラ [録音 1959年 詳細不明]

◆スタンダード・マーチ 「オリンピック・マーチ」
 コロンビア(COCG-12861)
 録音は少々古いのですが、選曲の優れたアルバムです。歯切れの良い演奏は古さを感じさせませんが、編成が小さめなところが少し気になります。1995年にCD化されましたが、レコードからのCD化なので全12曲と曲数は少なめです。
[収録曲]
スポーツショー行進曲(古関裕而)、ビルボード(クロール)、ブラヴューラ(デュブル)、オリンピック・マーチ(古関裕而)、祝典行進曲(團伊玖磨)、他
♪手塚 由紀夫/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音 1978年6月]  

◆イーストマン・ウィンド・アンサンブル・イン・ジャパン Vol.2
 東芝 EMI(LP-TA-72044)

イーストマン・ウィンド・アンサンブル初来日の実況盤のVol.2で、日本の吹奏楽界が衝撃を受けた名演奏が揃っています。パートの数を絞り込んだクリアなウィンド・アンサンブルのサウンドは、これまでの演奏の概念を覆しました。このときの演奏で上岡洋一作曲の行進曲「秋空に」が全国的に広まったことは有名です。No.1とあわせて早期のCD化が待たれている名盤でしょう。このライヴ、私も会場で聴かせていただきましたが、アンコールの「祝典行進曲」ではパーカッションが気持ちよく(?)飛び出したことを覚えています。なかなか良い音でしたが、奏者(B.D.)は曲が終わるまではちょっと恥ずかしそうでした。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、戸外のための序曲(コープランド)、カディッシュ(マクベス)、パッサカリアとフーガ(バッハ)、交響曲第6番(パーシケティ)、他
♪ドナルド・ハンスバーガー/イーストマン・ウィンド・アンサンブル [録音 1978年6月4日/東京厚生年金会館ライヴ]

◆世界行進曲集〈日本編〉(LP-AB-5001)

海上自衛隊の東京音楽隊と横須賀音楽隊による合同バンドを朝比奈隆(祝典行進曲のみ)が指揮をした記念的録音で、76年5月に立正佼成会普門館で収録されました。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、コバルトの空(レイモンド服部)、スポーツ行進曲(黛敏郎)、軍艦行進曲(瀬戸口藤吉)、愛馬行進曲(須摩洋朔)、他
♪朝比奈 隆/海上自衛隊東京音楽隊、横須賀音楽隊 [録音 1976年5-6月/普門館大ホール]

◆MARCH WORLD クラウン・レコード(LP-GW-5354Q)

航空自衛隊航空音楽隊が世界のマーチを最新録音“ダミー・ヘッドと4チャンネルとの鮮烈な出会い”というキャッチ・フレーズで発売されたものです。クラシック・マーチからスタンダード・マーチまでの幅広い意欲的なプログラムが素晴らしく、タイトルの通り「世界名行進曲集」として優れたアルバムとなっています。なお、次期の隊長、斎藤高順の作曲した「銀翼」が初めて収録されました。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、威風堂々第1番(エルガー)、ナイツブリッジ・マーチ(コーツ)、ヴァルドレス(ハンセン)、銀翼(斎藤高順)、他
♪長野浩二、斎藤高順/航空自衛隊航空音楽隊 [録音1976年5月13-14/都市センターホール]

◆バンド・フェスティバル
 ビクター音楽産業株式会社(VY-1009)
 飯吉靖彦が指揮をする佼成吹奏楽団のこの録音セッションは、多数のマイクを使用し4チャンネル用(当時流行っていました)のレコード録音を目的にしたもので、当時としては、なかなか意欲的な作品を取り上げている楽しいアルバムです。2ヵ月にわたるレコーディングは、録音日、会場が異なっています。
[収録曲]
イタリアン・フェスティヴァル(オッサー)、行進曲「ヴァルドレス」(ハンセン)、祝典行進曲(團伊玖磨)、序曲「詩人と農夫」(スッペ)、他
♪飯吉 靖彦/東京佼成吹奏楽団 [録音 1970年11-12月/イイノ・ホール、普門館大ホール]

◆BRIDGESTONE THE GOLDEN BRASS ALBUM
 クラウン・レコード(PLW-134)

ブリジストンタイヤ久留米工場吹奏楽団は1970より72年まで、全日本吹奏楽コンクールにおいて3年連続金賞を受賞しました。その72年のコンサートのライヴ(市民に贈る吹奏楽の夕べ)がこのアルバムに収められています。
[収録曲]
歌劇「リエンチ」序曲(ワーグナー)、祝典行進曲(團伊玖磨)、どこまでもゆこう、夜空のトランペット(ロッソ)、ジャズ・スイート(メルシー)、他
♪小山 卯三郎/ブリジストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 [録音 1972年/石橋文化ホール・ライヴ録音]


●オリンピック序曲

◆「東京オリンピック」コロンビア(1964 LP・ADM-1〜5)

開会式の実況中継から各種目のハイライト、閉会式に至るまでの、まさに東京五輪のすべてがここにあります。興味をひくのは、大会で使用された音楽すべてが収められていることで、大変貴重なものが多く揃っています。
[収録曲]
オリンピック序曲(團伊玖磨)、電子音楽(黛敏郎)、祝典行進曲(團伊玖磨)、大会賛歌A(清水修)、オリンピック・マーチ(古関裕而)、大会賛歌B(小倉朗)、オリンピック賛歌(サマラ)、各国代表マーチ、他
♪斎藤 徳三郎(他)/合同音楽隊 (陸・海・空自衛隊音楽隊、警察音楽隊、消防庁音楽隊、皇宮警察音楽隊、神奈川県警音楽隊)[録音 1964年10月10日/国立競技場]

◆「オリンピック・ハイライト」 クラウン(1965 LP・LW-5094)
 オリンピックの翌年にレコーディングしたもので、A面がオリンピック関係の曲、B面が日本の行進曲集になっています。
[収録曲]
オリンピック序曲(團伊玖磨)、オリンピック・ファンファーレ(今井光也)、オリンピック讃歌、われらの日章旗(斎藤徳三郎)、東京五輪音頭、他
♪斎藤 徳三郎/陸上自衛隊中央音楽隊 [録音 1965年8月12-16日/世田谷公会堂]


●行進曲「青年」

◆「ブリジストンタイヤ吹奏楽団イン・コンサート」 
CBSソニー(IBAG-45)

ブリジストンタイヤ吹奏楽団が、全日本吹奏楽コンクール五年連続金賞受賞記念に制作した同団3枚目レコードで、タイトルは「イン・コンサート」で、クラシックからポップスまでと幅広いジャンルに取り組んでいます。
[収録曲]
行進曲「青年」(團伊玖磨)、「こうもり」序曲(J.シュトラウス)、マイスタージンガー前奏曲(R.ワーグナー)、愛のテーマ(B.ホワイト)、他
♪小山 卯三郎/ブリジストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 [録音 1975年4月14-15日/久留米市石橋文化ホール]

◆「マーチとともに」 キング・レコード(17cm LP・NSEC-908)

フジテレビの番組「マーチともに」(16時30分〜45分間放送)を記念して制作したレコードで、陸・海・空の自衛隊音楽隊がレコーディングしました。この番組はフジのほか、「関西テレビ」「東海テレビ」「札幌テレビ」「仙台放送」「広島テレビ」「テレビ西日本」とのタイアップで全国的に放送され、吹奏楽ファンを喜ばせました。なお、このレコードには指揮者のクレジットがありません。
[収録曲]
行進曲「青年」(團伊玖磨)、行進曲「大空」(須摩洋朔)、軍艦行進曲(瀬戸口藤吉)、ミュージカル“心と花”より「ブレスカ」(H.ワルタース)
♪陸上自衛隊中央音楽隊/海上自衛隊東京音楽隊/航空自衛隊航空中央音楽隊


●航空自衛隊大行進曲

◆「マーチとともに」 東芝音楽工業株式会社(1969 LP・ORS-35) 

テレビ放送「マーチとともに」にあわせて録音をしたもので、陸・海・空自衛隊音楽隊が3曲づつ演奏しているが、各音楽隊の代表曲「大空」「軍艦行進曲」「ブラビューラ」が収録されている。
[収録曲]
分列行進曲(ルルー)、後甲板にて(アルフォード)、航空自衛隊行進曲(團伊玖磨)、行進曲「旧友」(タイケ)、洋上の生活(ラッセル)、他
♪渡辺 一/航空自衛隊航空音楽隊、他 [録音 1969年/フジテレビ・スタジオ]

●行進曲「べっぷ」

◆「若い力/スポーツ・マーチ傑作集」 
 キング・レコード(KICG-3054)

キング・レコードが発売した「世界のマーチ・ベスト・コレクション」の第2期6枚の中のひとつで、選曲が面白く貴重な作品が目白押しです。儀典関係の曲も多くファンには見逃せない1枚となりました。
[収録曲]
東京オリンピック・ファンファーレ(今井光也)、フジテレビ・スポーツ・テーマ(新田一郎)、朝日に栄光あれ(神津善行)、栄冠は君に輝く(古関裕而)、行進曲「ベップ」(團伊玖磨)、コンバット・マーチ(三木祐二郎)、サラブレッド・マーチ(渡部岳夫)、行進曲「虹と雪」(岩河三郎)、白銀の栄光(山本直純)、他
♪進藤 潤/航空自衛隊航空中央音楽隊、他 [録音 1989-92年/入間市民会館]


●「ブラス・オーケストラのための行列幻想」

◆「行列幻想」佼成出版(KOCD-2905)

東京佼成ウィンド・オーケストラが「ジャパニーズ・バンド・レパートリー」の第5弾として発表したもの。この意義深いシリーズは「深層の祭」「ぐるりよざ」「能面」「火の伝説」があり、日本の吹奏楽オリジナル作品の最先端を示すアルバムとして、国内はもちろん、広く海外へも紹介するに値するCDです。この「行列幻想」もまた選曲・演奏ともに優れたものです。
[収録曲]
三日月に架かるヤコブのはしご(真島俊夫)、ソング・アンド・ダンス(鈴木英史)、「行列幻想」(團伊玖磨)、瞑と舞(池上敏)、シンフォニック・バンドのためのパッサカリア(兼田敏)、管楽器のためのメロディ(伊藤康英)、他
♪金 洪才/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音 1995.9.4-5 和光市サンアゼリア]

◆ブリジストン吹奏楽団久留米「東京公演」 
  ブレーン(BOCD-7114)
 ブリジストン吹奏楽団久留米の東京公演をCDにしたもので、意欲的なプログラムのクラシックとお得意のポップスが聴きものです。委嘱団体による作曲者指揮の全曲版は大変に貴重です。
[収録曲]
「行列幻想」(團伊玖磨)、交響詩「ローマの松」(レスピーギ)、ブラジル(ラッセル)、セレソ・ローサ(レオナルディ)、エル・クンバンチェロ(エルナンデス)、行進曲「星条旗よ永遠なれ」(スーザ)、他
♪團 伊玖磨(客演)、小野照三/ブリジストン吹奏楽団久留米

◆レジェンダリーX ブリジストン吹奏楽団久留米 
  ブレーン(BOCD-7135)
 レジェンダリー・シリーズ最後の第5弾ファイナルの1枚で、興味深い作品が並んでいます。とくにポップスの課題曲が群を抜いている人気でしたこのバンド、切れの良いサウンドが光っています。選曲も良。團伊玖磨氏の新しい曲「ブリジストン・マーチ」(作曲者客演指揮)が含まれているのも注目です。
[収録曲]
「行列幻想」より第3楽章「そして男と女の行列」(團伊玖磨)、「リエンチ」序曲(ワーグナー)、ディスコ・キッド(東海林修)、ポップス変奏曲「かぞえうた」(岩井直溥)、「ブリジストン・マーチ」(團伊玖磨)、他
♪小山 卯三郎、小野照三、山口清高(他)/ブリジストン吹奏楽団久留米

◆レジェンダリーX〜ファイナル・ボーナスCD 
  ブレーン(OSBR-17090)
 レジェンダリー・シリーズ最後の第5弾ファイナルの5枚を購入するともらえるボーナスCDです。各バンドの聴きどころを収録しています。
[収録曲]
「行列幻想」より第1楽章「男の行列」(團伊玖磨)、行進曲「忠誠」(スーザ)、「吹奏楽のためのカプリス」(保科洋)、「南の島のトーテムポール」(田中賢)、ポップス描写曲「メイン・ストリートにて」(岩井直溥)、他
♪小山 卯三郎(他)/ブリジストン吹奏楽団久留米(他)


●新祝典行進曲

◆「新・祝典行進曲」 東芝EMI株式会社(TOCZ-9203)
ふたつの「祝典行進曲」だけが収められたCDで、2曲とも作曲者が指揮をしています。新・祝典行進曲は、これが初レコーディング。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、新祝典行進曲(團伊玖磨)
♪團 伊玖磨/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音 1993年2月5日/普門館大ホール]

◆「愛の喜び/新・祝典行進曲」
  ビクター音楽産業(VICC-8005)
 お二人の御成婚を心から喜び、その感情を曲に託した作曲者のタクトでレコーディングされたもので、このバンドとのつながりも深いものを感じさせます。録音は東京の秋川市にあるキララ・ホールで、2曲の祝典行進曲のほかに、愛を祝福し、愛を語る世界の名曲が集められています。もちろんソロやオーケストラ等の演奏もカップリング。
[収録曲]
新・祝典行進曲(團伊玖磨)、祝典行進曲(團伊玖磨)、結婚行進曲(ワーグナー)、威風堂々第1盤(エルガー)、ワルツ「金と銀」(レハール)、愛の夢(F.リスト)
♪團 伊玖磨/ジャパン・スーパー・バンド [録音 1993年2月25日/キララ・ホール他]

◆「世界の祝典行進曲」 キング・レコード(KICG-3060)
 皇太子殿下の御成婚おお祝いして、殿下に献上した「新祝典行進曲」のほか、世界の大作曲家が王室などのために作曲した御慶事をお祝いするにふさわしい行進曲とファンファーレなど9曲を収録。とくにサン=サーンス、ワーグナー、チャイコフスキーそしてシュトラウスの作品は日本で初めてのレコーディングとして注目に値します。
[収録曲]
新祝典行進曲(團伊玖磨)、祝典行進曲(團伊玖磨)、ファンファーレ「ウィーン市祝典曲」より(R.シュトラウス)、皇帝行進曲(ワーグナー)、戴冠式行進曲(サン=サーンス)、戴冠式行進曲(チャイコフスキー)、他
♪船山 紘良/陸上自衛隊中央音楽隊 [録音1993.4/入間市民会館]

◆「マーチ・ワールドVol.1」 ブレーン(BOCD-7501)

巨匠フェネルのマーチ全集として5枚のシリーズで発売されたもの。マエストロの得意分野である演奏はさすがで、5枚で世界の行進曲のほとんどが揃う高企画シリーズの登場です。「この特筆すべき小品(マーチ)を選曲するにあたり、基本的には同様のスタイルを持つこの音楽を、パノラマ式に、そして対照的にプログラムすることが、私の挑戦でした。偉大なマーチは永遠です!」−フレデリック・フェネル 全15曲。
[収録曲]
海を越える握手(スーザ)、勝利の父(ガンヌ)、ブロックM(ビリク)、ウィーンはウィーン(シュランメル)、新・祝典行進曲(團伊玖磨)、マンハッタン・ビーチ(スーザ)、ミリタリー・エスコート(ベネット)、他
♪フレデリック・フェネル/東京佼成ウィンド・オーケストラ [録音1992年4月14-16日/入間市民会館]

◆「新・祝典行進曲〜吹奏楽による日本慶祝曲集」
  日本クラウン(CRCI-20105)
 珍しい選曲のCDで、多くの貴重な作品が聴けます。とくに指揮者である谷村氏の解説は資料的価値十分で、読み応えがあります。
[収録曲]
新・祝典行進曲(團伊玖磨)、大序曲「擧國の歡喜」(江口源吾)、初春の前奏と行進曲「日出づる國」(山田耕筰)、皇太子御成婚を寿ぐ為の前奏曲「祝典」(陶野重雄)、祝典行進曲(團伊玖磨)、君が代(林廣守)、他
♪谷村 政次郎/海上自衛隊東京音楽隊 [録音:1993.4.8-9/ルミエール府中アスカホール]

◆警視庁音楽隊創設50周年「都民と50年!!」 
  AMD (WE-90915-2)
 警視庁音楽隊創設50年を記念して制作された2枚組CDで、1枚目は「音で綴る日本の吹奏楽のあゆみ」、2枚目は「音で綴る警視庁音楽隊のあゆみ」となっています。解説の内容が素晴らしく資料的価値充分ですし、収録されている珍しい曲も貴重な音源となっています。新・祝典行進曲は作曲者の指揮によるものです。非売品。
[収録曲]
祝典行進曲(團伊玖磨)、祝典行進曲(團伊玖磨)、ヤッパンマルシュ(不詳)、国の鎮め(古矢弘政)、序曲「スラヴァ」(バーンスタイン)、ラプソディー(外山雄三)、英雄行進曲(サン=サーンス)、こうもり序曲(J.シュトラウス)、他
♪團 伊玖磨(他)/警視庁音楽隊 [録音1973-98年 日比谷公会堂他]

●機動隊行進曲「希望のあしおと」

◆機動隊行進曲「希望のあしおと」 私製版(番号無し)

機動隊50周年を記念して作られた「希望のあしおと」のCDは自主制作のもので、楽譜の改訂の後、警視庁の練習場で録音されたものです。指揮は前音楽隊長の牟田隊長で、このCDは團伊玖磨事務所の好意により特別に頂いたものです。収録は1曲のみ。
♪牟田 久壽/警視庁音楽隊
[録音/1998 警視庁音楽隊練習場]


■團先生のこと

團伊玖磨事務所
佐藤静恵さん(秘書)
<著者撮影>

夏の日差しが厳しい8月1日の午後、勝鬨にある團伊玖磨事務所を訪ねると、秘書の佐藤静江さんがとても丁寧に迎えてくれました。まだ、膨大な資料の残務整理中のようで事務所は書類の山でしたが、佐藤さんの奮闘(八丈島の方にも行ってきたばかり)ですぐにもとの整頓された事務所になることでしょう。
 今回は、今年50周年を迎えた私の所属している陸上自衛隊中央音楽隊の記念誌に團先生の祝辞をお願いしていたので、完成した本を届けたのですが、「この記念誌は先生に是非見て欲しかったですね」と伝えると、その場で先生の祝辞の直筆原稿を音楽隊に寄贈していただけることを提案してくださり、大変恐縮をしました。「こういうものは、一番喜んでいただけるところに収まるのが一番なのですよ」
 お話が先生のことになると「特別」といって、いろいろなお話しを聞かせていただきました。先生は3月までの大事業「DAN YEAR 2000」の後、とても充実して創作意欲に燃えていました。「先日も来年、50周年を迎える海上自衛隊東京音楽隊の記念行進曲を委嘱されて、『よし夏までに書き上げるぞ』なんていってたんですよ。だから私は、『先生、夏なんてもう直ぐです』よって言ったら、『行進曲は研究済みだからチョイチョイっと書き上げよう。いずれにしても秋までなら確かだろう。だがまてよ、ひょっとしたら瀬戸口藤吉を越えなくちゃいけないのか? 軍艦行進曲は名曲だからなぁ、これは大変かもしれない!』などととても楽しそうに話していたんです」
 そして、先生は今回の訪中の間に何度か電話をくれたそうですが、特に亡くなる前日の電話で、なにか何時もと違い『早く日本に帰りたがっている』と感じたそうです。なんだか疲れた声で「あなたは来てくれるの?」と、空港まで出迎えに来てほしい旨を訴えていたそうです。きっと何か虫が知らせたのかもしれません。
 佐藤さんは、「まだまだ頭の中には、次の交響曲や新しい作品のアイディアが沢山あふれているのに、人体の機能の問題でそれが叶わなくなるって本当に残念だと思うんです。そして、こんなことは言ってはいけないのでしょうが、もし出来る事なら医療技術の進んだ未来まで身体(頭脳)を保存して、またすばらしい作品を書き続けてほしいと思ってしまいます」
「また、もし異国ではなく日本で倒れたのであれば、そして蘇州ではなく、その前に滞在していた北京(10〜14日)、上海(15、16日)といった大都市であったら、ひょっとして助かったのではないかと、どうしても考えてしまいます。もちろん現地の方々と蘇州第二人民病院の医師の人たちには精一杯のことをしていただいて感謝しているのですが…」「でも、作曲家って良いですよねぇ、先生の作品はこれからも多くの人々が演奏をして下さるでしょうし、その音楽はずっと皆さんの心に残っていくものなんですものね」と最後は明るい笑顔をみせてくれました。

書斎での團氏
<酒巻俊介撮影>

有意義な時間を過ごした私は、貴重な写真・資料をお預かりして、勝鬨の事務所を後にしました。地下鉄の入り口から振り返ると事務所のある高層マンションは夕日に映えてとても綺麗でした。
 後日、佐藤さんから電話があり、勝鬨の團伊玖磨事務所は閉めて、後は佐藤さんのマンションで事後処理をしていく旨を伺いました。「パイプのけむり」でおなじみの事務所だっただけになんだか寂しい気持ちになり「もう勝鬨の橋を渡ることもないだろう、そして、もう一方の八丈島のアトリエ(作曲小屋)はどうなってしまうのだろう?」と思いを巡らせながら受話器を置きました。


■新たな出会い
 バンド・パワーに「エッセイ」を書いている縁で2つの出会いがありました。ひとつは組曲「シルクロード」の項で触れた、NEC玉川吹奏楽団の鈴木君とのことです。彼は同団でコンサートの企画選曲を担当していて、私の「エッセイ・三人の会」の記事を見て、次回の團伊玖磨編にNEC玉川吹奏楽団のCD「シルクロード」に触れて欲しいとCDを送ってくれたのです。もちろん重要なCDなので、とり上げるつもりでしたが、そんな鈴木君の気持ちが大変ありがたかったです。それに、私の「芥川編」を見たおかげで「交響管弦楽のための音楽」(建部知弘編曲)の演奏を今年(2001年)の7月に実現できたという御礼の言葉までいただきました。このようなことが実際に起こることが紹介の文を書いている者にとって一番幸せなことだと思います。それにしても鈴木君のパワー、私は大好きです。これからも頑張ってビックリするような企画を立て欲しいですね。
 さて、もうひとつは、ある外国人からでの調査依頼からはじまりました。その方の父上(すでに他界)が「三人の会」のマネージャーをやっていたという話なのですが、このことが真実かどうか調べて欲しいと依頼されました。プライバシーの関係でこれ以上は書くことができませんが現在調査中なのです。永六輔さんが一時「三人の会」のアルバイトをしていたということも聞きましたが詳しくはわかっていません。どなたか情報がありましたら是非、御一報をお願いします。
 というように、記事を書くと色々な出会いがあります。私は、その一つ一つを大切にしていきたいと思いますし、それが縁で新たな事柄に興味がわいてくる自分を抑えることができません。ということで、これからますます忙しくなりますねぇ。


■著者近況

 2001年6月にレコーディングした「ファンタジア〜未来へそして子どもたちへ」のCDが完成いたしました。この作品は鶴ヶ島市が作曲家の川崎絵都夫さんに委嘱した吹奏楽のオリジナル作品で、今回は吹奏楽と邦楽ヴァージョンの2種類が収録されました。興味のある方は、鶴ヶ島市あるいは私まで連絡を下さい。1枚1,000円で配布しています。

●FANTASIA
  for the future and for our children(作曲:川崎 絵都夫)


《邦楽版》 1-3楽章 指揮/福田 滋  
演奏/日本音楽集団 合唱/つるがしま児童合唱団
《吹奏楽版》1-4楽章 指揮/福田 滋  
演奏/鶴ヶ島市民吹奏楽団、リベラ・ウィンド・シンフォニー
            ソプラノ独唱/佐野あけみ  
合唱/つるがしま児童合唱団、鶴ヶ島第二小学校6学年児童
[鶴ヶ島市婦人センターハーモニーホール:2001.6.10,24録音](SRK-018)

 リべラ・ウインド・シンフォニーのCD「Wind Gradation〜風の階調(いろあい)」も完成。仕上がりは、聴いてからのお楽しみです(次回詳細を掲載いたします)。所沢でのライヴ、ミュージカル「キャッツ」が入っているヴァージョンはCD-Rでの配布となりますが、こちらはまだ完成に時間がかかるようです。
 さて、次の企画、某出版社から依頼されたCD録音はすでに動きだしています。難曲ばかりのCDになりそうですが、ゲスト・コンダクターを迎え、さらに上を目指し全力で良い演奏をしたいと思っています。私の担当の1曲に組曲「ナイアガラ大瀑布」というのがありますが、なんとパワーのいる(耳栓?が欲しいー!)大音響の作品でしょうか? サイレン、汽笛等なんでもありの珍曲。まぁ、それらの試みも楽しみにひとつにしていきましょう。

◇質問などは右記のアドレスまで。 E-mail :fukufuku@104.net

 
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