吹奏楽マガジン バンドパワー 吹奏楽マガジン バンドパワー
BPセミナー/サクソフォーン
text:大貫 茜(Sax奏者)
VOL.1 アンサンブル編
サンジュレーの「サクソフォーン四重奏曲第1番作品53」を吹いてみよう!

 

●曲の練習を始める前に

チューニング
 Altoの実音Aを基準に一人ずつ合わせていきます。Aが合ったらEも合わせておきましょう。音あわせに重点を置きすぎて響きを殺してしまうのではなく、音がきちんとなっている状態で合わせます。Eをあわせる時に、Aからスラーで移行させると効果的です。

ハーモニー練習
 チューニングがあったら、ハーモニーを合わせてみましょう。四重奏は音域の違う楽器の集まりですから、ユニゾンが合っていてもハーモニーが合うとは限りません(特にサクソフォーンは)。普段からのトレーニングが大切です。今回は私達が練習で使用している譜例を紹介します。[譜例1]

▲譜例1(クリックすると画像が拡大します)


 メトロノームを必ず使用しましょう。合図はSopranoが出します。
 4人のブレス、アタック、息のスピード、音の処理の仕方を揃えましょう。
 アンサンブルコンテストやコンサートなどで演奏する場合は、広い会場で吹くことを意識して練習しましょう。ちなみに、私達はホールなどで演奏する際、4人のバランスをとるためにリハーサルでも使用しています。可能であれば、練習の段階から第3者に聴いてもらえると良いですね!

リズム練習
 ハーモニー練習の音を使ってリズムパターンの練習をしましょう。これは4人の吹き方のニュアンスを揃える練習です。
[譜例2]

▲譜例2(クリックすると画像が拡大します)


 自分達の取り組んでいる曲のテンポでもチャレンジしてみましょう。
 縦の線を合わせることはもちろんですが、全音符のときにビート感をなくさないように、また減衰しないように注意して練習しましょう。ハーモニー練習同様、合図はSopranoで、ブレス、アタック、息のスピード、処理の仕方に気をつけましょう。

 以上の3つは、毎回やる習慣をつけると、曲の練習もスムーズに進むようになると思います。五感をフル活用して基礎練習も楽しみましょう!!!

サクソフォーン四重奏曲第1番作品53
ジャン=バプティスト・サンジュレー

 では、曲を使ってアンサンブルの練習をしてみましょう。

 ジャン=バプティスト・サンジュレー(1812−1875)は、ブリュッセルに生まれた作曲家兼ヴァイオリニスト。
  この曲は、サクソフォーン四重奏最古の作品として知られ、アンサンブルコンテスト等でも多くの団体が取り上げていますが、このサクソフォーン四重奏という編成は、1840年代にアドルフ・サックス(1814−1894)によってサクソフォーンが発明されて間もなく誕生しました。サックスの友人であったサンジュレーが、1858年に発表した「サクソフォーン四重奏曲第1番」によってこの編成の歴史が始まっていったのです。

  今回は第1楽章を取り上げます。
  まず、サンジュレーがヴァイオリニストであったことや、サクソフォーンの奏法がまだ確立されていなかったことから、既存の弦楽四重奏を意識して書かれたものであると考えられます。ですから、曲中のアーティキュレーション(アクセント、スタッカートetc.)や表情のつけ方(クレッシェンド、デクレッシェンドetc.)に注意して練習を進めましょう。
 
1小節目の和音
 フェルマータの音の長さを設定しましょう。[譜例3]

▲譜例3(クリックすると画像が拡大します)


 4人の<>の幅を揃えるためテヌートタンギングで分割して練習します。
 この時、3拍目を頂点にします。音の立ち上がりと音の処理に気をつけましょう。デクレッシェンドは、早くなってしまうので音をしっかり保ちましょう。

2小節目〜
 テヌート、メゾスタッカートの認識を揃えましょう。
(テヌートはただ単に長めというわけではなく、よく響かせて丁寧に…etc.)

7小節目
 アクセントは、「強く」ではなく「強調して」という意味です。
ここでは、重心を乗せてしっかり鳴らすという解釈で良いと思います。

9小節目〜
 AltoとTenorのシンコペーションは少しはっきりとビート感を出しましょう。ただし、音が短くならないように気をつけましょう。10小節目のTenorはSopranoとのかけあいを意識して、Baritoneは8分音符を感じて遅くならないようにしましょう。

32小節目
 ffの表示の通り、Andanteの頂点です。29小節目からエネルギーの上昇が始まりますが、クレッシェンドを急がないよう、たっぷり吹いていきましょう。

39小節目
 Baritoneの響きを感じてから少し長めに伸ばして処理しましょう。

40小節目
 前の雰囲気を引きずらないように。SopranoはAllegroのテンポをしっかり感じて合図を出しましょう。

47小節目
 Sopranoは、8分音符の処理が短くならないようにフレーズを長くとって吹きましょう。

55小節目
 SopranoとAltoのユニゾンは、下降の時にdim.せず、fで最後まで吹ききりましょう。そうすると、次のsub.pが効果的に聴こえます。

79小節目
 Baritoneは、mpを意識し過ぎないように。Sopranoとの対話になるので伴奏とメロディの違いをしっかり出しましょう。

98小節目
 fffは、「大きい」というよりは「豊かに」、「壮大に」という意味でとらえ、アクセントは前述の通り、重心をのせて吹きましょう。

110小節目
 Tenorは最低音が出てきますが、音が広がり過ぎないように吹きましょう。ただし、Altoのメロディの対旋律なので、主張することは忘れずに。

118小節目
 Tenorのメロディは2拍目でブレスをとる場合、テンポの中で吸わないとどんどん遅くなっていってしまうので注意しましょう。

126小節目〜
 Tenorの6連符は、[譜例4]のように、リズム・アーティキュレーションを変えて練習しましょう。

▲譜例4(クリックすると画像が拡大します)

139小節目〜
 SopranoとAltoの16分音符のタンギングがうまくいかない場合は、息の流れがスムーズにいっていないことが原因の一つであると考えられます。まずはテンポをおとして倍のリズムで練習しましょう。この時、テヌートタンギングで練習します。慣れてきたら譜面どおりに。スタッカートは短く切ろうとして音の響きまでとめてしまいがちなので、「短く」ではなく「半分の長さ」でとイメージするとよいでしょう。

(文責)
Powers Saxophone Quartet

  • Soprano Saxophone:大貫 茜
  • Alto Saxophone:河原昌平
  • Tenor Saxophone:三宅祐人
  • Baritone Saxophone:武田一晃)

(2009.02.18)

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