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【コラム】

富樫鉄火のグル新
第57回 『ショパンひみつメモリ』

ツィッターほど短くもなく、ブログほど個人的でもない、
同じような話題をグルグルめぐるけど、基本は最新の話題。グル新。

(週2〜3回更新しています。バックナンバーは最下段「目次ページへ」からお入り下さい)

 昨年、映画1本まるごとをUSBメモリ・スティックにおさめた「超字幕」シリーズなるものが発売された。画面の周囲に、日・英字幕が同時に表示され、単語の意味が瞬時に出るほか、セリフ優先で場面を選択・再生することができるなどの機能が付いた、一種の「英語学習教材」であった。

 モノ好きな私は、さっそく購入してみたのだが、PC画面で観る上、周辺情報が画面の周囲に表示されるため、画面そのものがあまりに小さく、そもそも英語を学ぶ意識などないままに観たものだから、すぐに飽きてしまった。

 だがそのとき、洋画がまるごと1作、あの小さなメモリ・スティックに入ってしまうことに、デジタル音痴の私は驚かされた。そして、この手法で、何か、音楽関係の商品ができるのではないかとおぼろげながら思ったものだ。

 そうしたら案の定、世界最大のクラシック・レーベルとして知られる「Naxos」(ナクソス)が、日本独自商品として、それを発売した。その名も『ショパンひみつメモリ』http://item.rakuten.co.jp/naxos/nyzc-27256/ である。

 何が「ひみつ」なのかは不明だが、確かに、ショパンのピアノ曲が58曲(CD5枚分)が、あの小さなメモリ・スティックに入っているのだから、何だか007の秘密兵器のような感じがしないでもない。

 今回も、モノ好きゆえ、さっそく購入してみたら、これがなかなか楽しかった。

 収録されているのはNaxosの既出音源だが、中身は「音」だけではなかった。「ひみつ」を暴露してしまえば、演奏音源以外に付随するデータ類が、とてもコンパクトに、よくできているのだ。「USBメモリ・スティック」ゆえ、PCで再生すると、画面上に、いろんなデータが出てくるのである。

 まず、曲が流れるごとに、簡単な解説が表示される。そのほか、ショパンのプロフィールや、年譜、楽曲紹介、ショパンにまつわることば辞典、関連人物紹介のほか、ピアノ曲のポイント演奏実例解説もある。これは、曲のさわり2小節だけを、楽譜と鍵盤を表示し、ピアノの弾けないひとでも、弾けたような気分になるアドバイス・コーナーだ。

 また、商品全体が「チョピ」なる丸キャラが先導するイメージなっていて、PC壁紙などにも使用できる(なかなかカワイイ)。

 聞くところによれば、これだけの付随データ類は、特に専門家の監修協力によることもなく、Naxos社内スタッフが制作したそうである。よく作ったと思う。近年、大手レーベルはCDの売り上げが低迷して青息吐息のようだが、配信のみならず、まだまだ、この種のパッケージ商品の可能性もあるような気にもさせられた。

 これは、決して専門的ではないが、とりあえず気楽にショパンを楽しむには最適のメディアである。一日中PCに向かって、Ottavaなどを聴きながら仕事をしているようなひとなら、抵抗なく楽しめるだろう(ただし、PCのフラッシュ上では、58曲自動連続再生はできないようだ。音楽ファイルを全選択して、Windows Media PlayerやiTunesなどで再生すれば、連続再生は可能のようである)。

 さて、こうなると、BP読者としては、当然ながら「吹奏楽版」が欲しくなるであろう。『吹奏楽コンクールひみつメモリ』『アンコンひみつメモリ』『アルフレッド・リードひみつメモリ』『スパークひみつメモリ』なんて、ぜひ、手許に置いておきたい。

 いや、Naxosはすでに、スーザの全集(と思われる)シリーズを、第7集までリリースしている。その音源を使って、「ふぃりっぷ君」が案内する『スーザひみつメモリ』なんて、どうでしょうか。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)

【注】『ショパンひみつメモリ』は、バンドパワー・ショップでは扱っておりません。同じ楽天市場内の「Naxos Music Store」http://item.rakuten.co.jp/naxos/nyzc-27256/でご購入ください。



富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)

(2010.05.21)


※本稿の著作権は富樫鉄火が、出版権はバンドパワーが独占しています。両者の許諾なく、出典元表記のない引用や、引用の範囲を超えた複写、コピー&ペーストを固く禁止します。
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