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【コラム】

富樫鉄火のグル新
歌舞伎座「改築」大歓迎

ツィッターほど短くもなく、ブログほど個人的でもない、
同じような話題をグルグルめぐるけど、基本は最新の話題。グル新。

(週2〜3回更新しています。バックナンバーは最下段「目次ページへ」からお入り下さい)

 いよいよ歌舞伎座の最終公演が始まった。4月30日の閉場式に向けて、大賑わいらしい。劇場正面には最終日までのカウントダウン時計も表示されている。

 世間には「あの伝統的な建物がなくなるのは惜しい」との声があるようだが、そういっているのは、歌舞伎座に「かよったことのない」ひとだと思う。いまどき、すべての演劇ホール、コンサートホール含めて、あれほど見物(観客)に不親切な建物はない。

 歌舞伎座にはエレベータもエスカレータもない。段差だらけでトイレも少ない。見物の大半はお年寄りだ。3階席の見物など、たいへんな思いをして上り下りしている。食堂は地下だから、幕間は大騒ぎだ。

 天井桟敷で幕見するには、東京芸術劇場のエスカレータを思わせる、長い急階段をクリアしなければならない。よくいままで事故が起きなかったものだと思う。その不便さは、一度や二度行った程度では体感できない。何度もかよって初めてわかる。小さな芝居小屋ならいざしらず、1800人収容の大劇場がこれでは、やはりよくないと思う。

 歌舞伎座は、1889(明治22)年に開場したのが、漏電火災や関東大震災による壊滅後、1925(大正4)年に新築された。その後、東京大空襲で半壊したのを一部改修して、1951(昭和26)年に再開場した。だからいまの歌舞伎座は、「大正時代の建物」なのだ。

 古いものを残すことも大切だが、ソフト(演目)とハード(建物)の両方を残すことは、やはり無理だ。ソフト保存のためにハード改築を決めた松竹の英断に、喝采を送りたい。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)

(2010.04.09)


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