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【コラム】

富樫鉄火のグル新
第19回 『上海バンスキング』再演

ツィッターほど短くもなく、ブログほど個人的でもない、
同じような話題をグルグルめぐるけど、基本は最新の話題。グル新。



 斎藤憐作の舞台『上海バンスキング』は、1979年、オンシアター自由劇場によって初演された。以後、何回となくロングラン公演がつづく大ヒットとなり、1994年の9演が最終公演となった。まさに、日本演劇史に残る舞台だった。

 それが、なんと、今月、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで再演される(2月23日初日)。キャストも、吉田日出子、串田和美、笹野高史、小日向文世、大森博、真名古敬二といった当時のメンバーが再結集するという。

 この芝居は、戦前〜戦後にかけての上海を舞台にしたジャズマンたちの物語である(まさに、岩井直溥氏の少年時代!)。役者が舞台上で、ナマでジャズを演奏したり歌ったりする、リアリティあふれる舞台だった(もちろん、要所にはプロ・ミュージシャンが加わっている)。

 往年の名曲ジャズの数々も素晴らしかったが、なんといっても、オリジナル主題歌≪ウェルカム上海≫がよかった。私も昔、何度か観て、「どこか、吹奏楽版で≪上海バンスキング・メドレー≫なんて楽譜、出版してくれないかな」と思ったものだ。

 しかし、まさか2010年のいまになって、当時のメンバーで再演されるとは、夢にも思わなかった。だって、メイン・キャストは、ほぼ全員、還暦過ぎてるんだよ。プロ・ミュージシャンでもない還暦過ぎの役者たちが、連日、芝居しながら歌ったり、楽器を吹いたり叩いたり、いまでも大丈夫なんだろうか? 吉田日出子は「歌手」役だけど、串田和美などは「クラリネット奏者」役なんですよ。いまでもちゃんと、音出るのか?

 というわけで、この芝居、究極の「アマチュア音楽会」でもある。芝居やジャズがお好きな方は、ぜひご覧いただきたい(といっても、チケット入手は困難極まるんじゃないかなあ)。

※この芝居、1994年の最終公演後、大道具や小道具がオークション販売されました。今回、それらを再使用するべく、所有者に呼びかけが行なわれています。お持ちの方、ぜひ貸してあげてください。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/10_bansking/topics.html

■舞台『上海バンスキング』
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_bansking.html

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)

(2010.02.06)


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