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【コラム】

富樫鉄火のグル新
第120回
不思議な新聞記事

ツィッターほど短くもなく、ブログほど個人的でもない、
同じような話題をグルグルめぐるけど、基本は最新の話題。グル新。

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 新聞には、時々、不思議な記事が載る。

 たとえば、朝日新聞の3月9日付夕刊の3面(文化面、東京3版)の隅に「全日本吹奏楽コンCD発売」と題した、小さな記事が載った。

「昨年の全日本吹奏楽コンクール(朝日新聞社など主催)全国大会の…各部に出場した96団体の演奏を、CD17枚に分けて収録したシリーズが発売されている。/昨年10月…のライブ録音。全団体の課題曲と自由曲の両方を収録している。各税別2200円。」(…は略部分)
 要するに、コンクールのライヴCD発売の告知記事なのだが、なんとこの記事には、「商品名」「発売元」が一切書かれていないのだ。
 その横には「ゴールドディスク 最高賞は嵐に」と題する記事もあって、本文で「特別賞には『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』が選ばれた」「クラシック・オブ・ザ・イヤーは…精華女子高校吹奏楽部のデビューCD『熱血! ブラバン少女』に贈られた」と書かれているが、やはり、「発売元」は一切、明記されていない。

 もし、本の告知記事が、こうなっていたら、どうだろう。
「人気作家、村上春樹氏が、昨年、北欧5か国を旅した際の旅行記が、上下2巻に分けて発売されている。各1200円」
 本については、「書名」も「版元名」もない、そんな書評や告知記事は、まずありえない。現に同じ紙面の上には、作詞家・松本隆氏が日本語訳した、シューベルト『冬の旅』CDブックの紹介記事があるが、ちゃんと「学研パブリッシングから発売された」とある(CDブックはISBNコードが付されて、書籍として流通する)。
 実は、新聞紙上で、CDが、「今月のCD評」などではなく、一般的な告知記事として紹介される際、このように「商品名」も「発売元」も明記されないことが、よくあるのだ(特に、朝日新聞に多いような気がする)。スペースの都合なのか、宣伝ではないからなのか、それとも、本と違ってCDに何か別の考え方でもあるのか、よくわからないが、どうも腑に落ちない。あるいは、広告を出さないと、正確な記事にしてもらえないのだろうか。

 ちなみに上記の「吹奏楽コンCD」の商品名・発売元は、『全日本吹奏楽コンクール2014』Vol,1〜17(発売:キングレコード)である。『アナ雪』の発売元はWALT DISNEY RECORDS『ブラバン少女』の発売元はソニー・ミュージックである。 確かに、それぞれ、字数を食う商品名・発売元だが、制作に携わったひとたちの気持ちを思うと、少々、やるせない思いを感じてしまう。


富樫鉄火(昭和の香り漂う音楽ライター)
FMカオン、毎週(土)23時〜「BPラジオ/吹奏楽の世界へようこそ」パーソナリティもやってます。パソコンやスマホでも聴けます。3月は、シリーズ「戦後70年」沖縄の戦中戦後、そして、《レ・ミゼラブルの魅力》です。

 

 

(2015.03.17)


※本稿の著作権は富樫鉄火が、出版権・公衆送信権はバンドパワーが独占しています。両者の許諾なく、出典元表記のない引用や、引用の範囲を超えた複写、コピー&ペーストを固く禁止します。
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