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【コラム】

富樫鉄火のグル新
第112回
文化学園大と日体大のイベント

ツィッターほど短くもなく、ブログほど個人的でもない、
同じような話題をグルグルめぐるけど、基本は最新の話題。グル新。

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 たまたま紹介されて、文化学園大学・国際ファッション文化学科の卒業イベント『竹取物語』を観てきた(文化学園大学・遠藤記念館大ホール。入場無料)。すべてが学生の手になるファッションショーなのだが、クラシックやダンス、ミュージカルなどの要素を入れ、毎年、立ち見が出るイベントなのだという(2日間で6公演開催!)。ダンスや体操パフォーマンスは日本体育大学体操部、オーケストラは武蔵野音楽大学管弦楽団の賛助出演である。

 これが驚くべき見世物だった。ラスト、月からの使者たちがかぐや姫を迎えに来る場面など、うっとりさせられる美しさだった(ここで、原作通り、姫を守る帝の軍団=日体大体操部との戦いを、再現してほしかった!…原作だと「二千人」の軍団となっているのだが)。伊福部昭《シンフォニア・タプカーラ》による群舞なども、素晴らしい選曲だったと思う。衣装デザインもなかなか見事だし、モデルもファッション誌から抜け出てきたようなレベルの高さだった。

 ただ、あまりに面白かったのだが、最後列席で、特設ステージも高位置だったので、要所がよく見えなかった。聞くと、翌日、日本体育大学・体操部の「演技発表会」なるイベントがあり、そこでも一部抜粋で上演されるという。そこで渋谷に用事があったついでに、東京第二体育館へ寄ってみた。今度は入場料2000円の興行だったが、これまた驚いてしまった。

 私は「体育」とはまったく縁のない人種なのだが、まさか「体操」がエンタテインメントの見世物になっているとは、思いもしなかった。最近ネット上で話題の「集団行動」から始まって、Gボール、床運動、ポップスやコミカル・パフォーマンスのゲスト、国立劇場歌舞伎研修生による立ち回りなど、まるでオモチャ箱のような賑やかさで、てっきり『竹取物語』を再見に行ったつもりが、2時間、これまた呆気にとられて帰ってきた。大会やコンテストで披露されるマーチング・ショーを、十倍パワーアップしたような出し物だった。

 私自身、大学で講師をやって、もう10年以上になる(音楽関係ではありません)。その間、学科やゼミなどの外部アピールに、いささか協力してきたつもりだが、いまや、大学は、ここまでやらなければならないのかと、目が回る思いだった。観客をとことん楽しませるには、アマチュア芸では通用しないことを、彼らは十分わかっている。比較しても意味ないのだが、この2つの大学のイベントは、「エンタテインメント」の視点で見る限り、吹奏楽といい勝負…いや、凌駕しているとさえ思った。


富樫鉄火(昭和の香り漂う音楽ライター)
FMカオン、毎週(土)23時〜「BPラジオ/吹奏楽の世界へようこそ」パーソナリティもやってます。パソコンやスマホでも聴けます。12月は、《アフリカン・シンフォニー》大会と、CDのジャケット・アート特集です。

◎Eastman Wind EnsembleのCD

(2014.12.16)


※本稿の著作権は富樫鉄火が、出版権・公衆送信権はバンドパワーが独占しています。両者の許諾なく、出典元表記のない引用や、引用の範囲を超えた複写、コピー&ペーストを固く禁止します。
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