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【英国ブラスバンド通信】
Vol.2・前半

「第157回ブリティッシュ・オープン・ブラス・バンド・チャンピオンシップス」
日時:2009年9月12日(土)10:00〜16:30
会場:シンフォニーホール(バーミンガム)

BPレポーター:多田宏江

写真協力:イアン・クルーズ(Ian Clowes)
http://www.pbase.com/troonly/090911_birmingham_open
▲この日最初の演奏団体、デスフォード・コリアリー(photo by Ian Clowes)

 英国ブラスバンド通信第2回目は、先月行われました「ブリティッシュ・オープン」と、翌日に行われました、ガラコンサート「ブラス・ガラ」のレポートを前編と後編に分けてお届け致します。

 場所は、シンフォニーホール(バーミンガム)
 晴天に恵まれた秋の週末。シンフォニーホール前の広場には野外ステージが組まれ、たくさんの人たちがホールの周りで音楽を楽しんでいました。

 野外ステージは、ブラスバンドとは関係なく、オーケストラ、オペラ、ロック、フォークミュージック等なんでもあり。バーミンガム市響の生演奏を無料で、ホットドックをほおばりながらビールを飲んで外で聴く。そんな人たちを見ながらバーミンガムの恵まれた音楽環境を感じました。

▲バーミンガム、シンフォニーホール

 今年のブリティッシュ・オープン出場団体は18団体。このコンテストの下にはグランドシールドという、ブラックプールで毎年5月に行われるコンテストが予選大会としてあります。

  オープンの演奏曲は課題曲1曲。18団体が昼の15分休憩を挟んでずーっと演奏するのですから、聴くほうも大変です。イギリス人のお客さんのほとんどは、コンテスト最中、聴かなくても良い団体を選んで、聴きたい団体だけ聴いている様子。そんなお客さんの行く先はホールのホワイエに出ている、ブラスバンド関連の出店たち(もしくはパブ?)。この出店は、ブリティッシュ・オープン当日のコンテスト前とコンテスト最中にしか開いていません。

▲ホワイエの出店たち。楽譜も、雑誌も、楽器も、
CDも、DVDも、楽器関連小物も一堂に会します

 今年の課題曲は、オーストリアの作曲家へルマン・ポールフーバー(Hermann Pallhuber)「タイタンズ・プログレス」(Titan's Progress)。
 トランペット奏者のハンス・ガンシュがプリンシパルを務める「ブラス・バンド・オーバーエースターライヒ」の委託作品として作曲され、同バンドによりヨーロピアン・チャンピオンシップ2007の自由曲として演奏され大好評を得ました。
 マーラーの交響曲第一番「巨人」(Titan) をモチーフに、中間部にはレントラーというオーストラリア・ドイツ南部のゆっくりしたダンスのリズムも入り、メリハリの利いた聞き応えのある曲です。演奏側の曲の特徴としては、中音部のフリューゲルが目立つ、ソプラノは普段にまして音域が高い、というところでしょうか。

 またこの曲は、ヘルマン・ポールフーバーにとって初めてのブラスバンド作品。初めての作品が150年以上の歴史のあるブリティッシュ・オープンの課題曲として演奏されたことに、コンテスト終了後の閉会式でステージに上がった本人は、喜びの挨拶をしていました。

 同じく閉会式では、ブラスバンド・コースがあるイギリスの4つの大学を代表する卒業生に送られるハリー・モーティマー・メモリアル・トラスト・アワードの授賞式と、ブラスバンド界の名誉賞、ワーシップフル・カンパニー・オブ・ミュージッシャンズ・アワードの授賞式が行われ、作曲家のピーター・グレイアムが今年の名誉賞を受賞していました。

▲ホール入り口に張ってあった演奏順表

 イギリスのブラスバンドのコンテストでは、審査を公正に行うため(カーテン審査)、当日に演奏順が発表されるようになっていて、ブリティッシュ・オープンも演奏順が当日発表されました。

 私の所属バンドである、ハマンズ(Hammonds Saltaire Band)は最後から2番目の演奏順で、コンテスト前のリハーサルの関係もあり、フォーデンス、コーリーの2団体しか聴けませんでした。客席でコーリーの演奏を聴いていると、リズムを変えたり、パーカッションを加えたり、編曲して演奏しているのが分かりました。難易度の高い曲を、楽譜通り演奏するだけでも難しいのに、さらに編曲してしまう余裕があるとは・・・。だけど、課題曲を編曲してもいいのか!?(ま、結果は、その時の審査員によると思います) 奥が深い、オープン!

■上位バンド結果の記事はこちら
http://www.bandpower.net/news/2009/09/11_cory/01.htm

▲優勝したコーリー。ブリティッシュ・オープン・ゴールド・チャレンジ・トロフィーと共に
(photo by Ian Clowes)

<ブリティッシュ・オープン演奏団体・演奏順>
※プログラムからの引用

1.Desford Colliery (James Gourlay)
2.Kirkintilloch (Selmer Simonsen)
3.Grimethorpe Colliery (Allan Withington)
4.BTM Band (Tom Davoren)
5.Foden's (Gary E Cutt)
6.Cory (Dr Robert Childs)
7.Fairey (Philip Chalk)
8.Brighouse & Rastrick (David King)
9.Carlton Main Frickley Colliery (Russell Gray)
10.Brisbane Excelsior (Howard Taylor)
11.Rothwell Temperance (David Roberts)
12.Co-operative Funeral Care (Michael Fowles)
13.Leyland (Jason Katsakaris)
14.Hepworth Cookson Homes (Ian Porthouse)
15.Virtuosi Gus (John Berryman)
16.Brack Dyke (Dr Nicholas J Childs)
17.Hammonds Saltaire (Morgan Griffiths)
18.Whitburn (Steven Mead)

■ブリティッシュ・オープンの写真はコチラのサイトからご覧いただけます。
http://www.pbase.com/troonly/090911_birmingham_open


(2009.10.09)

 
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