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【レポート】

ザ・ブラス・スカラーズ presents
"Another" Brass Thing - 10 piece Brass Band Live!
〜どうしても、お聴かせしたい英国流テンピース・ブラスバンド〜

日時:2008年3月15日(土)
会場:兵庫県西宮・甲東ホール
レポート:樋口幸弘(ウィンド・ナビゲーター)



 新たな起爆剤となるか!!
関西でも本格プロのテンピース・ブラス・コンサート開催!!

 2008年3月15日(土)、兵庫県西宮で行われたテンピース・ブラスのコンサートにおじゃました。コンサートのタイトルは、題して「ザ・ブラス・スカラーズ presents 〜どうしても、お聴かせしたい英国流テンピース・ブラスバンド〜」。“それじゃー、聴かせてもらおう!!”と、阪急電車にガタゴトと揺られながら、一路会場の西宮市甲東ホールへ。

 土曜日の午後ということもあって、ロビーで待つお客さんには夫婦連れが多い。そして、そんな和らいだ雰囲気の中、偶然、会場内一番乗りを果たす。なんとも儲けた気分だ。

 演奏者の“ザ・ブラス・スカラーズ”は、関西で活躍するプロの金管奏者のアンサンブル・グループで、普段は多種多彩な編成で演奏活動を行っている。きっと、グループの中に根っからの“ブラス好き”のアイディアマンがいるのだろう。

 そして、この日、彼らが取り組んだ“テンピース・スタイル”のブラス・アンサンブルは、コルネット、フリューゲルホーン、テナーホーン、バリトン、ユーフォニアムといったサクソルン属を中心とした金管楽器にパーカッションを加えた編成。イギリスをルーツとするが、これまでさまざまな編成で演奏活動を行ってきた“ザ・ブラス・スカラーズ”としても、この編成でのライヴはこれが始めてだった。

 しかし、これがけっして“お遊び”なんかでないことは、プログラムをみれば一目瞭然で、フィリップ・スパークの『ディヴェルティメント』、ジョン・ゴーランドの『ピース』、ハワード・スネルの『ベートーヴェンズ・ビーノ』、ゴフ・リチャーズの『ア・ラ・カルト』といった、テンピース・ブラス編成のために書かれたオリジナルをズラリ並べた本格プロは、なんとも壮観だった!!

 そして、この日に備え、公開リハまで行ったという意気込みは、各曲のキャラクターに踏み込み、よく練りこまれた演奏となって会場を魅了。高音から低音楽器までがテュッティで鳴った瞬間のブレンドされたサウンドなどは、これが始めてテンピースを行ったグループのものかと思わせるほど明るくブリリアントで、まさしく正調ブリティッシュ・ブラスのそれだった。また、スピードあふれるコルネット・グループやパーカッションの音楽的アクションも、アンサンブル全体に活力を与える源となっていて、見ているだけで愉しい気分になった。これは本格的だ!!

 こんなに面白いのに、日本では、その魅力が十二分に知られるところとなっていないブリティッシュ・テンピース・スタイル。そんな中、これほど愉しく、ポジティブでブリリアントなコンサートが行われたことに大いなる称賛を贈らねばならないだろう。

 そして、この日、運良く会場に足を運んだ人々は感じたに違いない。

 “こいつは面白い!!”そして、“もう少し聴いていたいな!!”と。

【出演】The Brass Scholars

中島 真(Soprano Cornet)、白水大介(Cornet)、高木宏之(Cornet)、福田裕司(Flugelhorn)、岸本浩治(Tenorhorn)、深川雅美(Baritone)、坂岡裕志(Euphonium)、喜井 宏(Trombone)、熊谷和久(Bass Trombone)、吉野竜城(Tuba)、廣川祐史(Percussion)、山崎良子(Percussion)


【演奏曲目】

歌劇『ムラーダ』から“貴族たちの行列”
(リムスキー=コルサコフ / 星野 究編)

ロンドンの小景 より
(ゴードン・ラングフォード)

ピース
(ジョン・ゴーランド)
Euphonium Solo: 坂岡裕志

ディベルティメント
(フィリップ・スパーク)

剣士の入場(雷鳴と稲妻)
(ユリウス・フチーク / 黒沢ひろみ編)

ベートーヴェンズ・ビーノ
(ハワード・スネル)

展覧会カンカン
(ハワード・スネル)

ア・ラ・カルト
(ゴフ・リチャーズ)

<アンコール>

ディスコ・キッド
(東海林 修 / 星野 究編)

ほか

【テンピース・ブラスの代表的なCD】

 
 

 

(C)2008 Yukihiro Higuchi / 樋口幸弘

(2008.03.24)



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