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東京佼成ウインドオーケストラ
第95回定期演奏会「Trumpet Party!」

日時:2007年12月7日()19:00開演
会場:東京・すみだトリフォニーホール
レポート:マリュー


 感動アリ、笑いアリ、涙アリ・・・
 トランペットの魅力にノックアウトされた演奏会

 12月7日、東京佼成ウインドオーケストラの定期演奏会に行ってきました!
「Trumpet Party」と題されただけに、トランペットが大活躍の派手な演奏を期待してワクワクしながら会場へ。
会場についてロビーにいると、プレ・コンサートが始まり聴き馴染みのある曲が!「トランペット吹きの休日だ〜!」早速トランペットだな…と思いつつも、音色がトランペットじゃない…。慌ててホールに入ると、ラッパの代わりに奏でていたのは3本のS.Saxと、ソプラニーノSaxでした(伴奏はDrum、Cl、Ob、Bass等)。しかも、ホンモノのTp吹きの奥山さんが新聞読んでくつろいでいる演出まであり(並木さんは家政夫?/笑)、まさに本当の"トランペット吹きの休日"で、プレ・コンサートから全開で楽しませてもらいました(アレンジもすごく良かった!)。

1曲目は、華やかなTpファンファーレで始まる「チアーズ!」。Trumpet Partyのオープニングにはコレしかない!と思わせるくらいで、いきなりゾクゾクっと鳥肌が立っちゃいました。
その後、都響首席奏者の高橋敦氏が登場。2曲目の「トランペットとウィンド・シンフォニーのためのクロニクル」は、いきなりカデンツァから始まり、その超絶技巧っぷりをいきなり堪能しました。ゲネラルパウゼでの張り詰めた緊張感すら心地よく感じ、「トランペットってこんなに音色の幅があるんだぁ…」とただただ感嘆の声しかでませんでした。今まで現代曲の協奏曲を聞いたことがなかったので、新鮮な感じがしました。

そして、今回楽しみにしていた曲の一つ、「歌劇『ローエングリン』第三幕より」。「ローエングリンと言えばエルザの大聖堂への行列!」と、吹奏楽では圧倒的にエルザが有名ですが(私もその1人…)、この第三幕からセレクションされたアレンジ、素晴らしかったです!
  T.Saxの仲田さんの編曲で、ご自身の指揮でコンクールに出場されていたのは知っていたのですが、実際に耳にしたのはこの日が初めて。「第三幕への前奏曲」から始まり、有名な「結婚行進曲」へ。この行進曲のアンサンブルもキレイで素敵でした。最後の「ハイリンヒ王、万歳」では、バンダのTpが20本!(多分)。四方(五方?)から鳴り響くバンダ。座っていた席が、バンダを前後左右から聴くことができ、そのステレオ効果とステージ上のスタンドプレイ…身が震える感じがしました。ブラボー!!この第三幕、コンクールで流行りそうな予感…。

余韻に浸りながら休憩を挟んで、二部開演。奏者の入場に続いて司会者が。「あれ?定期で司会なんて珍しいな…」と見ていると…なんと真島俊夫さんではないですか! あの優しい雰囲気と語り…、ラッパの熱い音と対照的でハマっていました(笑)。(ちなみに、二部は皆様衣装替え。指揮の齊藤一郎氏が、何色で来るか…と、一緒にいた後輩と賭けた結果…赤!と予想した私の勝ち/笑)。

そして、二部でとっても珍しい光景を見てしまったのです(書いてよいものかどうか…)。事件はエリック・ミヤシロ氏ソロの「ハリー・ジェイムスに捧ぐ」で起きました。ソロがデクレッシェンドしていき、余韻が残る。指笛が鳴り、客席から鳴り止まぬ拍手…。ひょこひょこっと登場する真島先生。しかし、エリック氏の様子がどうもおかしい…。なんと!曲がまだ終わっていなかった!! 4曲のメドレーなのに、残り1曲が演奏されぬまま終わってしまうというハプニング発生!これは…なかなか見られない事件です(笑)。中断後、齊藤一郎氏の「120小節目から(?)」の声で改めて再開し、無事?終了(笑)。

二部はとにかく華やかでした。「フィンランドのポップス曲でサンバ?」という真島先生のツッコミが入った「トランペット・パーティー」、ソロの応酬「イスパニア・カーニ」、なんとTp6本のソリで賑やかに編曲された「トランペット吹きの子守唄」(眠れん!/笑)、真島先生とエリック氏がクリフォード・ブラウンについて熱く語った後、フリューゲルでしっとり「アイ・リメンバー・クリフォード」、そして、メイナード・ファーガソンの他に吹けるのはエリック氏だけだろう…「ロッキーのテーマ」。1階席8列目、ど真ん中に座っていた私の方にベルが向き、ハイノートがクリーンヒット!

最後にもうひとつ。この日は、吹奏楽の父であり、TKWO桂冠指揮者、マエストロ・フレデリック・フェネルの命日でありました。アンコールで演奏された「コルネット・カリオン」…。ゲストプレイヤーを含めた全員で、2階バルコニー席、パイプオルガンバルコニーから、まるで降ってくるようなトランペットの音色…。マエストロを追悼するその音に、涙が流れました。

感動アリ、笑いアリ、涙アリ・・・、
本当にトランペットの魅力にノックアウトされた演奏会でした。

是非、他の楽器でもパーティーを開いて欲しいと思ったのは私だけではないはず…。


【プログラム】

<プレ・コンサート>
●ラッパ吹きの休日/ルロイ・アンダーソン/arr. 宮村和宏

<第1部>
●チアーズ /ジャック・スタンプ
●トランペットとウインド・シンフォニーのための「クロニクル」 /ジョセフ・トゥリン
  Solo:高橋敦
●歌劇「ローエングリン」第三幕より/リヒャルト・ワーグナー/arr. 仲田守

<第2部>
●トランペット・パーティー/マルック・ヨハンソン/ペトリ・ユッティライネン
●イスパニア・カーニ/パスカル・マルキーナ/arr. 真島俊夫
●ハリー・ジェイムスに捧ぐ/arr. サミー・ネスティコ
●トランペット吹きの子守唄/ルロイ・アンダーソン/arr. 岩井直溥
●アイ・リメンバー・クリフォード/ベニー・ゴルソン/arr. 真島俊夫
●ロッキーのテーマ/ビル・コンティ/arr. 岩井直溥

<アンコール>
●ファンファーレ&フリーリッシュ/ジェームス・カーナウ
●コルネット・カリオン/ロナルド・ビンジ

(2008.01.10)



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