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ブライアン・ボーマン
ユーフォニアム・マスタークラス公開クリニック

日時:11月27日 (火) 
会場:大阪・三木楽器 開成館サロン
レポート:樋口幸弘(ウィ
ンドナビゲーター)

◎それはクリニックの名を借りた、
すばらしいコンサートだった!!

 2007年11月27日(火)、大阪・三木楽器 開成館サロンで開催されたブライアン・ボーマン公開クリニックにおじゃました。現在、アメリカのノース・テキサス大学教授をつとめる同氏は、かつて、アメリカ空軍ワシントンD.C.バンドのソロ・ユーフォニアム奏者として世界的な名声を有するだけでなく、すぐれた教育者としても知られ、日本で活躍するプロフェッショナルの中にも、氏のもとに学んだ人は多い。

 今回のクリニックは、日本管打楽器コンクールのユーフォニアム部門審査員として氏の日程の空き日を活用して開かれたもので、会場は、氏を慕うプロ奏者や専門学生らでギッシリ満員。受講する“生徒”(失礼!!)も、深川雅美、坂岡裕志、松谷晃伸、三宅孝典という、いつもは“先生”と呼ばれている関西の代表的ユーフォニアム奏者がズラリ勢ぞろいする超豪華版だった。

 と前置きはこれくらいにして、いざクリニックが始まると・・・・・・。各奏者とも練りに練った選曲、そして好演の連発に、ボーマン“先生”もすっかりご満悦。しかし、そこはプロフェッサー。『こういうことが手助けになるかも知れない。』と、さらにいい演奏につながるような的を得たアドバイスに頷く“生徒”たち。それぞれ一流プレイヤーだけに、まるで魔法か何かを見せられているかのように、見事、音が演奏が変わっていく。

 そして、氏が1984年の大阪市音楽団定期演奏会のゲスト奏者として招かれて以来の付き合いという三宅さんの選曲は、フィラスの「ユーフォニアム協奏曲」。『少し長い曲なので、どこでも止めてください』という“生徒”に対し、『この曲のナマ演奏はそんなに聴けるものではないので、会場のみなさんにぜひ“通し演奏”を聴いてもらいたかった』と演奏後にコメントした“先生”。受講生ひとりの持ち時間の大部分をそのフル演奏にあてる予想外の展開に、会場は完全にコンサート状態。演奏後の割れんばかりの拍手が、場内の興奮ぶりをよく表していた。

 その後、会場の聴講者との質疑応答に移ったが、クリニックの最中、何度も氏が口にした“頭の中にある理想のユーフォニアムの音”とは?という質問(それは、たぶん、どの奏者の音を理想としたのですか?という意味を含んでいる質問のように思えた)に対し、もともとオーケストラでヘンデルのメサイアを歌ったり、ヴァイオリンを弾いていたという氏は、『若い頃には、もちろん有名なレナード・ファルコー二やレイモンド・ヤングといったユーフォニアム奏者も聴いた。しかし、その他、多くの声楽家や、それ以外のいい音楽をLPレコードで聴いているうちに、イメージが出来上がっていった。いい音のイメージは、人によって違う。ユーフォニアムを吹く人には、ユーフォニアムだけでなく、ぜひ、それ以外のいい音楽もいっぱい聴いてほしい。そして、自分が理想とするユーフォニアムの音を見つけ出して欲しい』という回答には、まさに我が意を得たり!!

 その後、冗談っぽく、『しかし、LPレコードといっても、皆さん分からないかなー』といいながら、『そうだ、彼が持っている!!』と、こちらを指差す。突然のご指名にやや戸惑いながら、クリニックの前にサインをいただいたばかりのカーナウの『シンフォニック・ヴァリアンツ』(もちろん、独奏:ブライアン・ボーマン / 伴奏: アメリカ空軍ワシントンD.C.バンド)の収録されているLPをバッグから取り出しステージへ。(なんでこうなるノー??)

 そんなハプニングもあったが、その後は、アメリカから持ってきた奏者の演奏に追従する新しい伴奏ソフトを使っての氏の独演会。バッハ/グノーの「アベマリア」やおなじみ「ヴェニスの謝肉祭」など、予定の2曲を大きく上回る5曲がこの日会場を埋めた人々のために特別に演奏された。

 “日本ではじめた訪れたのが大阪で、それ以来この町が大好きになった。ここには多くの音楽仲間がいる”というボーマン氏。クリニック終了後、『今日聴かせていただいた音は、まだヤングのように若々しい。次に来られるときは、レコーディングも考えてくださいね』というと、『まだまだ録音したい曲は、いっぱいあるよ』と少年のように目を輝かせる氏。音楽だけでなく、その暖かい人柄に再び感動。『シー・ユー・スーン!!ドクター!!』、近い将来の再会を祈念しながら、興奮うずまく会場をあとにした。

(2007.12.04)


ブライアン・ボーマン ユーフォニアム・マスタークラス
 公開クリニック プログラム

1.G・F・ヘンデル: 協奏曲へ短調 より 第1・2楽章
  深川雅美(ユーフォニアム) / 南 敦子(ピアノ)

2.I・ボサンコ: グローリアス・リバレーション
  坂岡裕志(ユーフォニアム) / 竹村美和子(ピアノ)

3.J・S・バッハ: 無伴奏チェロ組曲 第1番
  松谷晃伸(ユーフォニアム)

4.J・フィラス: ユーフォニアム協奏曲
  三宅孝典(ユーフォニアム) / 浅川晶子(ピアノ)


(C)2007、Yukihiro Higuchi / 樋口幸弘

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