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全日本吹奏楽コンクール全国大会:大学の部

日時:2007年11月3日(土)
会場:長野県民文化会館
レポート:播堂力也001(BP特派員)

なぜ、四国支部だけ「推薦団体なし」なのだ?
そんな状況は、今後の発展を考えるためには足かせでしかない!

 いやー、待ちに待った全国大会。「この日のために1年を費やしてきた」とは言い過ぎだろうか?
 日本最大の吹奏楽の祭典へ、心躍らせながら出向くようになってもう何年が経つだろう。例外なく今年もいそいそと全国大会の会場(今年は長野)へと足を運ぶのだった。

 開場時間ギリギリの到着だったので、知り合いとの挨拶もそこそこに、指定された2階席へと向かう。
 しかし、1983年開館のこのホール、規格が最新のホールと比べると残念ながら古さを感じざるを得ない。
 2階席までの階段! 座席の狭さ!
 もうメタボまっしぐらのオヤジには辛いことこの上なし。

 中学・高校の部と同様、ロビーにはブレーン社が陣取り、即売のワールドレコードがその隣に。
 そして入場口をはじめ、ロビーの到る所にNTTの「フレッツ光」での「全国大会配信」のお知らせをする人・人・・。
 正直言って良いですかぁ? チラシ何枚渡せば気が済むんじゃー!!

 さて、座席についた。私の座席は2階席の上手寄り。見下ろしがややキツイけど悪くない席だ。
 そして「大学の部」の演奏が始まる。

【いきなり、総評】

 残念なのは、せっかくの全国大会に四国支部の代表がいないことだ。
 まず、四国に在る大学の皆さんの奮起を願いたい。そして四国支部の吹奏楽連盟の方々には、「推薦団体なし」などということは言わず、この祭典へ何処かしら「参加」させてあげて欲しい。「全国」という同じ土俵に立ち、そこで切磋琢磨してレベルが上がっていくのです。四国だけカヤの外みたいな状況は、今後の発展を考えるためには足かせでしかない。

 さて、出場校は皆、厳しい予選を勝ち抜いてきただけあって、「おっとっと」となるような演奏はなくなってきた。
 むしろその地域差などは感じないで、全体的に好演が続いたのはリスナーにとっては喜びである。
 惜しむらくは「その団体でしか出せない色」みたいなものが、もっと強く感じられたら嬉しいのであるが、最近の傾向だろうか、全体的にスマートな演奏スタイルが多かった。

 そんな中で、「これ光ってた」と思う演奏にスポットを当てていこうと思う。賞に関係なく私見ですのであしからず。

1番 札幌大学
  すでに今年のコンクール課題曲を、中学・高校の部と何団体も聴いてきましたが、総じてマーチのテンポ設定が「速い」と感じていました。しかしここの課題曲IV“行進曲「ブルースカイ」”は、節度ある流れを持つ数少ない秀演であったと思います。
 演奏に諸所の取りこぼしがあり、賞に結実しませんでしたが、背伸びをしていない・身の丈にあった「音楽」をしている処が、私の琴線に触れました。こんな男に言われても嬉しくはないだろうが、自分たちの演奏をした「誇り高い銅賞」だったと思います。

3番 龍谷大学
  課題曲V「ナジム・アラビー」が全国大会でようやく聴けました。沸き立つアラビアの風味が程良く整理され、全体的な音の響きにハリがある朗朗とした演奏でした。多少乱暴気味に聴こえてしまう位、良く楽器が鳴っていた秀演だったと思います。
 自由曲の酒井格「また一緒」では、色々と割り振られた楽譜テーマがコラージュされていく様が面白く、12分間、大変興味深く聴くことが出来ました。音が生き生きとした「生命力」みたいなものを感じられた演奏だったので、私の中では文句なしの「金賞」予想でした。

4番 福岡工業大学
  全体的に安定した手堅い演奏に終始した感はあります。言葉尻だけで間違わないで欲しいのですが、これが全国大会という周囲が強烈にハイレベルの現場で、遜色無く安定して聴こえているという事は、バンドの持っているポテンシャルが非常に高いということ。その中でも自由曲の「ベルキス」におけるオーボエ&イングリッシュホルンのソロの音色はとても素敵でした。トランペット、ホルンら金管楽器も含め、あそこまで力を持っている団体なのですから、ビッとしたスパイスがもう一つでもあれば・・・。

5番 近畿大学
  過去、私の中では、音が「近畿大学――っ!!」と個性を強く見せ付けるような演奏のイメージをしていた大学でした。そういう演奏を期待していた、古くからのファンである私にとってはちょっと残念な印象。落ち着いた説得力を持った、ある意味、「大学生よりもうちょっと大人」な演奏だったように感じます。
  自由曲「プラハ」の緊張を持った音のクラスターなどでも暴力的な感じがしない、実に感心度の高い演奏をしておりました。もうちょっと「ハジけて」欲しい気がしましたけど、納得の「金賞」受賞です。

7番 神奈川大学
  脱帽。まさにそんな言葉が似合う演奏でした。
 課題曲・自由曲共に、細微に渡り整理が行き届いた演奏で、一本一本の楽器の楽譜が目に映されるような感じ(分かり辛い!)。
  自由曲「交響三章」は、直前記事の方にて「1999年の名演の再現なるか」と煽ってみましたが、結果としては「一味違った良さ」を感じた演奏でした。音楽的なプレッシャーは弱まった気がするが、シャープ差においては格段の「冴え」を持っていて、新たに加えたカット箇所なども含め、違った新鮮さを持った素晴しい・文句なしの絶対的「金賞」。
  しかし神奈川大学の演奏を聴く度に、同じアマチュア演奏家の端くれとしては自信がなくなりますよ、ホント。

8番 埼玉大学
  こちらの大学は、「若さ」に満ち溢れた演奏でした。
  指揮者のエネルギッシュな振る様子に導かれ、両曲とも最終的にはボルテージが上がった「熱い」演奏が、私には好印象でした。「最終的に」と書いたのは、曲の序盤やカット部分などにおいて「迷い」とも受け取れる不安定感を見せてしまったのが勿体無いと思ったため。伸びしろはまだまだありそうで、以後に期待を抱かせる演奏でした。
  「ぐるりよざ」での、歌詞をなくした男性コーラス、前向きのバリトンホーンなど試行をこらし工夫した部分は、大きなプラス効果があったと思います。

10 創価大学
  自由曲「ハリソンの夢」においての駆け抜けるようなスピード感・技術力は、この日でも際立って光った存在でした。
 あえて欲を言えば、システマチックでない部分での説得力を持ち、「ここは良かった」のような断片的な印象を持たせない状況になったら、もう文句なし。
  直前記事で書いたように、駒澤大学が三出休みしてしまったが、立派に「金賞」を受賞してくれました。改めて東京の大学が層の厚い事を、世間に認知させてくれました。東京の出場枠は増やして欲しいものです。

 以上、ざっと私見で特に気になった部分を書きなぐってみました。
 勿論のことですが、今回書かなかった団体にも、「良さ」はあります。しかし今回は、私の琴線を揺さぶる「色濃さ」が露骨に見えたものに関してのみ触れてあります。

  大学の部は、ここ数年で飛躍的に全体のレベルが上がっています。これからも暫くは、我々リスナーを楽しませてくれることは間違いありません。
  今後、全国大会のCDがキングレコードから発売されます。そのCDで全国大会の演奏を純然と楽しむのも良いことですが、やはり生の音楽に勝るものはありません。今回、客席にいて体感したものは、文章で100%正しく伝えられるものではない「感動」であります。
 この文章が、少しでもその「感動」を分かち合うための指針となれば幸いであります。

■2007年全日本吹奏楽コンクール全国大会ライブ盤をチェックする
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000304/

(2007.11.07)

■全日本吹奏楽連盟のHPで2008年の課題曲(一部)が聴けちゃいます
http://www.ajba.or.jp/kadaikyoku.htm


■2007コンクールのレポート、募集中!

「こんなステキな演奏に出会えた」「このバンドのこんなところがすばらしかった」などなど、コンクールを聴きに行って(または出演して)感じたアナタの素直な感想を聞かせてください。皆さんからの投稿、お待ちしています。

【メール送り先】kotaro@band-p.co.jp

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