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■2007年全日本吹奏楽コンクール全国大会ライブ盤
 
 
 

全日本吹奏楽コンクール全国大会:高校の部

日時:2007年10月21日(日)
会場:東京・普門館
レポート:ブリュンヒルデちなみ(BP特派員)

行ってきました全国大会(高校の部)!

 ああ……もう、あれから1年たってしまったのね……。時の流れは速いもんよ。歳をとるわけだわ。こうして単なる「オバサン」の私も、あっという間に「オバーサン」になっていくのね……。

 おっと、くだらない感慨に浸っている場合じゃないわ。みなさん、こんにちは。ほんの一部にファンがいるらしい、吹奏楽ミーハー・オバサン、元ユーフォ奏者の「ブリュンヒルデちなみ」で〜す。

 昨年、コンクール全国大会のミーハー・レポートを書かせていただいてから、もう1年たってしまったのね。今年は、調子に乗って、東京地区大会や東京都大会のレポートを書いちゃったもんで、成り行き上、全国大会も書かないわけにはいかなくなって、こうやってまたも登場です。厚かましくてすいません。相変わらずのミーハー・レポート、ごめんあそばせ。本格的な音楽レポートは、たぶん、このあと、専門家の方々が書かれると思うので、そちらをご覧下さいね。私の記事は、音楽面では、まったく参考になりませんので、ご注意を。ちなみに、コンクールの成績については、おそらく今頃には、おなじみTBTさんのページに出ていると思うので、http://www3.plala.or.jp/tbtknic/home.htmでご確認あそばせ。

■相変わらずのプラチナ・チケット状態!

  今年の全国大会は、10月20日(土)に中学の部が、21日(日)に高校の部が、それぞれ東京・杉並の「普門館」で開催されました。

 私は、土曜日はどうしても仕事があってダメなので、昨年同様、日曜日の高校の部にお邪魔しました。

 今年も、入場券の入手には苦労したわ〜。何しろ、まともな一般前売りで入手しようなんて、120%無理なのよ。なにしろ単純計算すれば、1団体あたり50人として、それが、前半・後半それぞれ14〜15団体ずつ出るわけでしょう。その父兄や関係者、OBだけで、ものすごい数になるのは当然よね。いくら普門館が5000人収容といったって、そりゃあ、プラチナ・チケットになるわよ。

 私の場合、BP編集部があちこち探し回って、ようやく余り券を持っている団体があったので、それを譲っていただいたんだけど(ご協力いただいた方々、ほんとうにありがとうございました)、きっと、出場団体の関係者以外で、聴きに行きたい人って、けっこういると思うのよ。開催が土・日だから、「一度、普門館ってどんなところか見に行きたい」と思っている地方の中高生だっていると思うのよね。よほど不便な場所でなければ、東京なんて、ほとんどの地方から日帰りできるんだから。

 実は、私の席のお隣に年配の男性がいらして、なにやら大きな旅行カバンを抱えているので、演奏の合間に「失礼ですが、どちらからいらしたんですか?」って聞いたの。そうしたら、なんと、ある地方の超有名高校吹奏楽部の、元指導者の先生だったのよ。名前を聞けば、誰でも知ってる方よ。で、そのあとが驚きなのよ。その先生が言われるに――「いやあ、入場券の入手には苦労しました。たまたまOBや保護者の皆さんが、熱心に並んで入場券を買ってくれましてね。そのうちの1枚を回してもらえたんです」……。

 これって、どうよ。あえてお名前は挙げないけど、あれほど実績があって、吹奏楽振興に尽力されてきた有名な先生でさえ、こうまでしなければ全国大会を聴けないのよ。私、当然「ご招待」でいらっしゃってるのかと思ったのに……。

 前に、BP編集長がメルマガにも書いてたけど、ホント、全国大会の入場システムって、もう少し、何とかならないのかしら。今のままじゃあ、出場団体の関係者だけで行われる「内輪のイベント」で終わっちゃうと思うのよ。もっともっと、普通の音楽ファンや吹奏楽ファンが気軽に聴きに行ける形には、できないのかしら。

 そういえば、昨年あたりから、全国大会の結果が、朝日新聞の社会面に写真入りで、けっこう大き目の記事で出るようになったの、知ってる? それほど人気があるってことだと思うのよ。だったら、なおさら、もっとたくさんの人たちに、普通に楽しんでもらえるような形になってほしいのよね……。

■素晴らしかった埼玉栄!

  で、とにかく高校の部は、前半・後半併せて29団体が出場。

 すでにご存知のとおり、今回は11団体に金賞が出ました。朝日新聞によれば、11団体もの団体に金賞が出たのは9年ぶりなんですって。それだけ実力が均衡してたってことかしらね。

 何しろ29団体もあるし、私は素人ミーハーなんで、とても全部の団体について書くこともできず、あくまで私自身の印象に残った団体について書きますね。

 この日、私のナンバーワンは、なんといっても埼玉栄高校でした。自由曲は、マスカーニの歌劇≪カヴァレリア・ルスティカーナ≫。いやあ……ほんとに素晴らしかったわ。

 実は私、若いころ、けっこうオペラ好きだったのよ。藤原歌劇団の優先予約会員だったこともあるくらいなのよ。中でもこの≪カヴァレリア≫って、特に好きなのよ。シチリアを舞台にした、激しい不倫ドラマで、しかも正味1時間のミニ・オペラなの。そこからの名旋律の抜粋だったんだけど、とにかくキレイでキチンとした演奏なの。なんていうのか「奇をてらった」感じがないのね。それでいて、あの三角関係ドラマの激しさも十分伝わってくるのよ。有名な間奏曲のメロディ部分なんか、コーラスで歌う余裕。その後も淡々と、キチンとした演奏がつづき、クライマックスで「これでもか」っていうほど音を伸ばして盛り上げるところなんか、背筋がブルブルしたわ。あれよ。あの感じがマスカーニのオペラなのよ。

 指揮の大滝実先生って、確か、本来は声楽の専門家だと聞いたことがあるけど、その影響かしら。とにかく埼玉栄の演奏は、吹奏楽ファンのみならず、オペラ・ファンを十分納得させる出来だったと思う。ミラノ・スカラ座のオケに聴かせたいほどだわ。もちろん金賞。

そのほかの名演

  次に感動したのは、福島県立磐城高校。昨年、大トリで矢代秋雄の≪交響曲≫を超名演で聴かせてくれた団体よ。

 今年の自由曲は、おなじみバルトークの≪中国の不思議な役人≫。これも昨年同様、指揮の根本直人先生の編曲なんだけど、よく演奏されている≪役人≫とは、抜粋箇所が少々違うような感じだったわ。すごく野性的で、音の厚みも十分あって、後半の盛り上がりなんかもうドキドキするくらいの迫力だったわ。金賞。

 元オペラ・ファンの私としては、埼玉県立伊奈学園総合高校にも期待してたのよ。何しろ、リヒャルト・シュトラウスの楽劇≪ばらの騎士≫よ!(プログラムには「歌劇」って出てたけど、これは間違いだわ。あの作品は「歌劇」じゃなくて「楽劇」なのよ……うるさい元オペラ・ファンですいません)。

 ≪ばらの騎士≫がコンクールに登場したのは、これが初めてらしいわよ。BPで播堂力也さんていう人が書いてたけど、リヒャルト・シュトラウスって、最近、著作権切れが始まって、さらにいろんな曲がフリーで演奏できるようになってきたそうよ。で、オペラの中のオペラ≪ばらの騎士≫が、ついに登場したってわけね。

 演奏は……よかったわあ。まさかこの名曲を、吹奏楽コンクールで聴けるとは思わなかったわ。リヒャルト・シュトラウス特有のねちっこくて分厚い響き、十分楽しませていただいたわ。たぶん、80人編成の大人バンドで演奏しても、また別の迫力と魅力が出ると思うわ。来年以降、大ヒットは間違いなしね。金賞。

 あと、いろいろ挙げるときりがないんだけど、質実剛健で危なげない見事な演奏だった、おなじみ大阪府立淀川工科高校(ダフニスとクロエ)。三善晃≪交響三章≫という難しい曲を、しっかり知的にまとめた東京都立片倉高校。演奏も響きも音量も音楽性もすべてが「正統派」「王道」だった東海大学付属高輪台高校(ダフニスとクロエ)あたりが印象に残ったわ。

自由曲と課題曲の傾向

  今年の自由曲では、≪ローマの祭り≫は1団体のみ。昨年みたいに≪祭り≫三連発みたいなことはなかったけど、そのかわり、≪ダフニスとクロエ≫が4団体の人気ぶり。特に前半の部で3回も登場の人気ぶりだったわ。

 全29団体中、オリジナルは8曲のみ。あとはすべてクラシック編曲。まあ、私みたいな古手の元吹奏楽部員にすれば、もっとオリジナルを聴きたいなあ、って気がしたけど、これも趨勢なのね。

 でも、クラシック曲を吹奏楽でやると、どうしたって大幅なカット短縮をしなくちゃならなくて、それが、時折「無理」に感じられることがあるのよね。あえて曲名は挙げないけれど、特に、長いオペラやバレエを短縮すると、原曲を知っている身としては、あまりにも慌しく聴こえて、その曲が本来持っている味までが消えちゃうような気がするのよ。もったいないというか……(それだけに、埼玉栄の≪カヴァレリア≫には、あまり違和感を感じなかった。だって、あれはもともとが1時間のミニ・オペラだから、普通に名旋律を抜き出すだけで、自然なダイジェストになるのよ。演奏も素晴らしかったけど、選曲の勝利だとも思ったわ)。

 課題曲は、とにかく【W】が圧倒的人気だったわね。ちなみに、課題曲の演奏頻度は、

【I】ピッコロマーチ(田嶋勉)……2団体
【II】光と風の通り道(来栖健一)……5団体
【III】憧れの街(南俊明)……8団体
【IV】ブルースカイ(高木登古)……14団体

 という偏り方だったのよ。特に前半の部なんか、最初から連続6団体が【IV】を演奏したんで、もう耳にこびりついちゃって……。

人の波に酔っちゃったわよ

  しかしまあ、毎年のことだけど、全国大会の普門館は、とにかくスゴイ人の波。休憩時間にロビーを歩いただけで、私みたいなオバサンは、もう人の波に酔っちゃって、目が回ったわよ。

 今年は、ロビーでNTT東日本が「フレッツ光に入れば、全国大会の映像配信がいつでも観られる」というキャンペーンをやっているし、いつものレコード会社のカウンターのほか、「当日録音」CDの販売カウンターなんか、もうパニック状態なのよ。何しろ、本番終了後15分で、その団体の演奏がCDになって販売されるもんだから、もうたいへんな騒ぎ。しかも1団体1枚1000円なのよ。これを高いと思うか安いと思うかは別だけど、昔は、数ヵ月後に発売されるLPレコードしかなかったんだから、時代は変わったわよねえ。あんなCDをその場で売られたら、あとで正式発売されるライヴCDの売れ行きに、影響があるんじゃないかしら。その上今は、音声(CD)じゃなくて、映像(DVD)の時代だしねえ……。

 会場内には、佼成出版社や東京佼成ウインドオーケストラの売店や解説コーナーもあって、いまは亡き指揮者のフレデリック・フェネルさんにまつわる貴重な資料なんかも展示されたわ。地方から来た中学高校の吹奏楽部のみなさん、ここもちゃんと見た? ここで「普門館の床(ゆか)」が無償配布されてけど、ちゃんともらってきました? 改装前の普門館のステージ床と同じ素材のものを細かく刻んで、当日、配布されてたのよ。まさしく「甲子園の土」ならぬ「普門館の床(ゆか)」! 私も、ちゃんとお守り代わりに1個もらってきちゃいました。

↑これが「普門館の床(ゆか)」だ!

 しかし、このコーナーで、一生懸命解説していた、東京佼成ウィンドオーケストラ事務局の人たちには頭が下がったわ。休日だというのに立ちっぱなしで、次々見学に入ってくる中高生たちに、一生懸命解説してるのよ。「どちらからいらしたんですか? ○○県? ああ、来年ツアーで行きます。ぜひ、コンサートにいらしてくださいね」って。私も、あの宣伝&啓蒙姿勢、見習って仕事で生かさなくちゃだわ。

■イビキをかいて爆睡しないでよ

  今年は、東京地区大会や都大会のレポートで、部員たちのマナーについて、オバサンの特権でいろいろグチを書かせていただいたけど、今回の全国大会でも、ちょっと感じたことがあるので、さあ、いくわよ。

 演奏が終わった部員たちは、いったん外に出て、記念写真を撮ったり、楽器をトラックに積んだりして一段落すると、客席に来る。

 で、主にみんな、「出演者席」というスペース席が1階両側にあって、そこに座るのよね。それはいいんだけど、イビキをかいて爆睡するのはやめてよ。

 特に前半の部の、早いほうの出演だった部員たちは、おそらく夜が明ける前から起きて楽器を運んだり、最後の練習でクタクタだったと思うわよ。地方から来たのであれば、きっと前日からの旅でたいへんだったはずね。この1年間、必死に練習してきて、その最後の演奏が終わっただけに、いっぺんに力が抜けて、眠くなるのも分かるわ。

 だけど、眠るんなら、どこか別の場所へ行って寝てよ。ロビーとか外とかで(それもよくないけど)。みんな、じっと息を鎮めてステージ上の演奏を聴いてるのに、そのすぐ横で、数十人の高校生が座席から転がり落ちそうな格好でいっせいにグーグーとイビキをかいて寝てるんじゃ、うるさいし、気が散るのよね。だいたい、あんなに大量人数でそっくりかえって爆睡状態じゃあ、一見、ガス中毒で全員が意識を失っているみたいで、気持ち悪いじゃないの。「爆」は本番での「爆演」だけにしといて、「爆睡」はやめてよね。

 その一方で、とてもマナーのよかった団体もあって気持ちよかった。特に、成績発表で「銅賞」といわれた瞬間、客席から大きな声で「ありがとうございました!」と声をあげたあなたたち。素晴らしかった。立派だわ。ここまで勝ち抜いてきて、全国大会で銅賞――それだけで実にたいへんなことなのよ。それに対して失望や文句をあらわさず、素直にお礼の挨拶ができるなんて、私、涙が出てきちゃったわよ。

■B組にも光を!

  ところで、今回も、休憩時間にプログラムの後ろに出ている様々なデータを眺めていて思ったんだけど……。

 コンクールに「A組」「B組」ってあるのはご存知よね(東京だと「C組」もあるみたいね)。

 で、私たちが通常「コンクール」と呼んで、こうやってレポートしたり、新聞に載ったりするのは「A組」のコンクールのことなのよね。中高だったら50名以内で、課題曲・自由曲を12分以内で演奏する。でも、コンクールには「B組」もあるのよ。

 地域によって違いはあるかもしれないけれど、たとえば私が住んでる東京の場合、「B組」は35名以内、自由曲1曲のみを7分以内で演奏するのよ。で、仮に東京大会「B組」で代表金賞を取ると、東日本学校吹奏楽大会という催しに進めるけど、そこが最終地点。いわゆる「全国大会」は、ないのよ。もちろん、会場だって普門館じゃないのよ。要するにB組は別立てのコンクールなのね。

 で、今回、プログラムの後ろに載っていたデータを見て、私「う〜む」って唸っちゃったわよ。

 だって、実際には、コンクールに参加している中学高校って、「A組」よりも「B組」のほうが、数が全然多いのよ。

 たとえば東京の場合だと、中学は、「A組108団体」に対して「B組312団体」なの。高校は「A組87団体」に対して「B組172団体」。つまり中学では約3倍、高校も約2倍、「A組」よりも「B組」のほうが多いのよ。

 各支部ごとの数字を見ても、「A組」>「B組」なのは、関西支部と九州支部くらいで、あとはほぼすべて「B組」>「A組」、もしくはほぼ同数なのね。

 またまた、これって、どうよ。要するにコンクールの実態って、少なくとも参加団体数だけで見れば「B組」の世界ってことにならない? 普門館へ行けるだの行けないだのって騒いでいるのは、ずっと少数の「A組」の世界なのよ。それが、まるで中学高校の吹奏楽界全体みたいに見られているわけよ。これ、ちょっと変じゃない?

 「B組」だって、頑張ってると思うのよ。ちなみに私、家に帰ってから、過去「B組」専門でコンクールに出ていた昔の知人たちに、メールで「緊急アンケート」をしてみたのよ(まるで朝のワイドショーみたいでしょ)。

 質問は「なぜ、あなたの学校はA組に出ないで、B組専門だったのですか?」。で、その回答は……

「人数が足りなかった。人数さえいればA組に出たかった」(複数)
「課題曲・自由曲の2曲をこなせるほどの実力も、指導者の力量もなかった」(う〜ん、実感……)
「夏休み中の練習目標にちょうどいい」(これもなんとなく実感……)
「大学の付属高校なので、10〜11月に、内部進学試験がある。よってもしA組に出て、支部大会、ましてや全国大会なんかに進んでしまったら、3年生は両立はとても無理。だから最初からA組は視野になかった」(すんごい自信ですねえ……)
「どうせA組に出ても、決まりきった実力団体が勝つに決まっているので、最初から挑戦する気なんてなかった」(おいおい、そんなに早く諦めないでよ……)
 
  まあ、いろんな理由があったけど、おそらく「B組」に出ている団体って、おおむね、以上のような理由のどれかだと思うのよね。

 で、私、思ったのよ。「B組の全国大会」も、開催してあげるべきなんじゃないの? だって、実態は「A組」よりも「B組」の方が多いのよ。しかも最近は少子化だから、演奏者や指導者に実力がありながら、十分な人数で編成が組めない吹奏楽部も、けっこうあると思うのよ。「だったらアンコンに出れば」って言う人もいるかもしれないけど、あれはやはり「アンサンブル」(8人まで)の世界であって、「吹奏楽」とはまた別のものだと思うのよね。

 決して普門館で、とは言わないけれど(35人編成じゃ、とても普門館の大ホールは無理よね)、何とか「B組の全国大会」をやってあげられないものかしら……。「35人の吹奏楽」だって、別におかしくもなんともない。立派なウィンド・オーケストラだと思うのよ。

 ――というわけで、今年のコンクール全国大会、中学高校の部は終わりました。金賞も銀賞も銅賞も、すべての出場団体のみなさん、素晴らしい演奏を、どうもありがとう!

(2007.10.22)

【追記】

  上記の記事は、21日(日)深夜に書いたものです。その後、22日(月)の朝日新聞朝刊に、高校の部に関する記事が載ったんだけど、それを見て、ちょっと感じたことがあるので「追記」として、以下、書かせていただきますね。

 その22日(月)付けの朝日新聞朝刊には、高校の部の結果や、出場団体の奮闘ぶりがレポートされてたんだけど、最後に、審査員のある先生のコメントが載ってたのね。それは――

「『コンクールが終わったらこれで終わり』ではなく、合唱やオーケストラといった、より深い音楽の世界の入り口に立ったと思ってほしい」

 ――というもの。

 これ読んで、私、ちょっと思ったの。何となくこのコメント、「吹奏楽は、あくまで深い音楽世界の手前にあるものだから、これからは、吹奏楽ではなく、合唱やオーケストラをやってほしい」って言っているように感じない? 私の考えすぎかしら?

 でも、ほんとうにそうだとしたら、これじゃあ、1年間頑張って、普門館を目指してきた部員たちが、とても可哀想だと思った。吹奏楽って、そんなに浅い世界なのかしら?

 まあ、私みたいな素人ミーハーが偉そうなことを言ったって、説得力ないと思うんだけど、吹奏楽だって、とても深い音楽世界だと思うのよね。

 いま話題の『一音入魂! 全日本吹奏楽コンクール名曲・名演50』という本で知ったんだけど、たとえばアルフレッド・リードさんて、「吹奏楽はクラシック・オーケストラと互角の存在である」と唱えて、ひたすら吹奏楽のためのオリジナル名曲を作り続けたんだそうよ。確かにリードさんの曲って、どれも素晴らしいわよね。あれとクラシック名曲を比べたって、そもそも違うものなんだから、意味ないと思う。

 ほかにも、その本で紹介されてたけど、三善晃≪深層の祭≫なんて課題曲は、とてつもなく深い音楽だと思うのよ(とても私のバンドじゃ演奏できなかったけど)。

 確かに「卒業したら、今度は吹奏楽じゃなくて、合唱やオーケストラに親しんでほしい」みたいな考え方って、間違いとはいえないと思う。自分の好きな音楽に親しめばいいだけのことよね。でも、せめて吹奏楽コンクールにおけるコメントとしては「さらに新たな吹奏楽の世界も知ってほしい」とか「これからも楽器から離れず、音楽を続けてほしい」みたいな言葉がほしかった……。

 だって、その審査員の先生だって、プロの吹奏楽団を指揮して、素晴らしく「深い」演奏のCDを、たくさん出していらっしゃるんだから。

(2007.10.23)


■2007コンクールのレポート、募集中!

「こんなステキな演奏に出会えた」「このバンドのこんなところがすばらしかった」などなど、コンクールを聴きに行って(または出演して)感じたアナタの素直な感想を聞かせてください。皆さんからの投稿、お待ちしています。

【メール送り先】kotaro@band-p.co.jp

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