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深川雅美ユーフォニアム・リサイタル

◎リサイタル終演後、心にさわやかさが残るリサイタルであった

 2007年2月10日、やまと郡山城ホールに於いて開催された深川雅美ユーフォニアム・リサイタルに足を運んだ。
 当日は、今年の暖冬の影響もあり、春を思わせる良い天気になった。やまと郡山城ホールは、奈良県の北部に位置する大和郡山市にある最近開館された比較的新しいホールである。近くには郡山城がありその城を取り巻く町並みは大変情緒があり美しい。
 リサイタルはその小ホールで開催された。天気も良かったせいか、また、共演する生駒市立桜ヶ丘、俵口小学校の生徒さんの親御さんも来られている様で、開演前から会場は大盛況である。
 リサイタルは1部、2部の2部構成で、まず第1部、1曲目はF.モレル作曲、「小品 へ短調」である、冒頭の8分の9拍子の軽快なリズムで始まり、深川女史の豊かな響きが会場一杯に広がった。軽快なリズムから中間部の美しくゆったりとしたメロディーに受け継がれユーフォニアム独特の美しい音色が良く合う曲である。 ただ、リサイタル1曲目なので、少し硬さが感じられたように思う。
 2曲目は、P.スパーク作曲の「ユーフォニズム」であった。P.スパーク特有の美しいメロディーが2本のユーフォニアムで奏でられ、中間部ではこれまたP.スパーク特有のリズミカルなリズムで、2本のユーフォニアムがまるで織物を織っているかのような感じを受けた。客演である関西のユーフォニアムの雄、木村寛仁氏の的確なサポートもあり、また、木村氏とは師弟関係にある深川女史の見事な適応力も相まって、本当に素晴らしい演奏であった。
 3曲目は、G.F.ヘンデル作曲「協奏曲 へ短調」である。第1部の最後にバロックをもってくる深川女史のチャレンジ・スピリットに敬服する。この曲は元々オーボエの為に作曲された曲であり、バッハと双璧するヘンデルの有名な曲である演奏するにあたっては、いかにシンプルに、いかにフレーズを作るのか、大変難しい曲である。しかし深川女史は彼女が持つ澄み切った音色で歌いきった。

 ここで第1部の終了である。20分の休憩があり、第2部の頭はまず今日の2つ目の客演である生駒市立桜ヶ丘、俵口小学校の合同バンドによる、映画「ライオンキング」よりと、バンドと合唱のための「翼をください」である。この両小学校に指導をしている深川女史のために特別出演となったこの合同バンド、本当に小学生とは思えない見事な演奏、合唱であった。聞けば、毎年全日本吹奏楽コンクールで金賞を取っている生駒中学校にこのバンドの卒業生が入学しているらしい。そう思えば当然の事かもしれない。

 2部3曲目はJ.ホロヴィッツ作曲「ユーフォニアム協奏曲」より第1楽章である。この曲はユーフォニアム奏者にとっては登竜門的なコンチェルトである。深川女史の的確なテンポ設定、フレーズ感等模範的な演奏であった(できれば、全楽章が聴きたかった)。
 リサイタル最後は、生駒市立桜ヶ丘、俵口小学校の合同バンドと深川女史の協演で、曲はイギリス民謡である「ブレイドン レイシィーズ」である。誰にでも聴きやすい民謡を主題とした変奏曲で、今宵3人目の客演である「ラッシュ ブラス」のソロ・テナーホーン奏者である中園氏の的確な指導の下、深川女史の見事なテクニックと生駒市立桜ヶ丘、俵口小学校の合同バンドの卒のないサポートでこのリサイタルの最後を飾るに相応しい演奏であった。
 最後になってしまったが、忘れてならないのがピアノのサポートである。ピアノ伴奏の南 敦子女史のサポートなしではこのリサイタルの成功はなかったであろう。ある場面では深川女史を引っ張り、またある場面では深川女史にぴったりと寄り添い本当に見事な伴奏であった。
 今回のリサイタルは、1つの公演で小学生のバンド演奏、合唱、またバンドによる伴奏等、日本では初めての試みではなかったかと思う。これも深川女史であったから実現したのではないだろうか。
 リサイタル終演後の何か心にさわやかさが残るリサイタルであった。

(2007.03.17)

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