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TAD Wind Symphony
ニューイヤーコンサート

photo:suzuki makoto

◎どんなにすばらしい録音(CD)でも、やはりライブの情報量にはかなわない! それが実感できた、すばらしい演奏会だった

 2007年1月13日快晴の中、部員達と一緒にタッド・ウインドシンフォニーをかつしかシンフォニーヒルズにて聴いてきました。
 開場の30分前に着きましたが、もうすでに並んでいる開場待ちの人で一杯でした。学生の姿だけではなく、壮年の社会人の方も多く並んでいました。

▲指揮のタッド鈴木氏
▲ポップな演奏会ということで、プレイヤーも華やかな衣装で登場

 この日の演奏会は、プロフェッショナルの吹奏楽団ではおそらく日本で最初の課題曲を演奏したものだと思います。
 課題曲演奏となると全く情けない事に、つい私達はどの曲の鳴りがよいか、リズムが難しいか、どれが減点されやすいかなど、来たるコンクールを意識した演奏に関心や多くの注意が集まりやすいのですが、この日の演奏会はそういうことを一切忘れさせてしまう演奏会でした。 
 一例を挙げると課題曲の「ピッコロマーチ」は、小さなマーチだから「ピッコロマーチ」と、作曲した田嶋氏が名付けたと聞いています。確かに演奏は軽快な演奏でありましたが、それだけでなく素敵な散歩道を歩いている時に目にする風景、その風景を見て散歩する人の心の動きを感じさせる演奏でした。こういう演奏は本当に楽しいですね。この作品が持つメロディーとオーケストレーションをいかんなく発揮した演奏だったと思います。
 この演奏によって、私は心に様々な想いを浮かべ上記のような感想を持ちました。ただ、私がこう想ったことは、作曲者の意図するものとは、全く異なっていると思います。しかし、音によって私の心を様々に動かしてくれたタッドウインドシンフォニーの演奏はこのように音楽の素晴らしさを楽しませてくれました。
 また、小編成の「光と風の通り道」はテューバ1本で演奏されましたが、客席(私は一階後方で聴いていましたが)に届く音はトロンボーンやユーフォニアムのバランスの良さだけではなく難しい打楽器とのバランスに配慮された伸びのある暖かい音が届いてきました。かなりの名人とお見受けしました。ここにも模範以上の理想化された演奏があり、作品の持つ素晴らしさを聞く事が出来ました。
 物語性のある演奏といえば、課題曲の「憧れの町」はある物語のために作られた曲です。最初の鮮やかな金管のファンファーレは、物語の始まりを予感させ、そして次に聴こえるメロディーからは、物語の進行がよくわかり、わくわくして聴きました。終わりのアダージョの部分、テンポが遅くなるところは、この町から去りがたい作者の思いを感じました。

 この日のプログラムは他の課題曲「ブルースカイ」(伸びやかな響きが青空に響き渡る演奏でした!)「ナジム・アラビー」(異邦な雰囲気満ちあふれる興味深い作品、心惹かれました)「ショウほど素敵なものはない」「ミスサイゴン」「オペラ座の怪人」「スターウォーズ」のプログラムでした。管楽器の持つ醍醐味、音色のブレンドによる音色の変化は、充分高校生や私達を楽しませてくれました。特に最後に演奏されたスターウォーズは、スタジオ録音の演奏!と思わせるようなダイナミックあふれる金管楽器の光り輝く響き、木管楽器の絶妙なアンサンブルなど名演でした。
 ホルンのソロ、あの有名なH氏でありましたが、その美しいハイトーンの音色は心にジーンときました。H氏を見ているとレイア姫が浮かんでは消え、H氏に変わりレイア姫が歌っていると錯覚してしまいました。

 ところで、音楽をライブで聴く良さとは何でしょうか。それは、どんなに録音が素晴らしいCDよりもその音楽作品が持つさまざまな情報を、聴き手の私達の心に直接届く事です。指揮者と演奏者がすばらしければすばらしいほど、その情報量は増えていきます。そして音の情報が、たくさんあればあるほど容易に曲の素晴らしさに私達は近づく事が出来ます。
この日の演奏会は、まさしくその良さを実感できるハッピーニューイアーではなくハッピーニューデイな1日でした。

■TAD Wind Symphony公式HP
http://www3.ocn.ne.jp/~tad.wind/

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