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第54回全日本吹奏楽コンクール
(一般の部)全国大会

日時:2006年10月29日(日)
会場:栃木県 宇都宮市文化会館
レポート:ブリュンヒルデちなみ(BP特派員)

さすが「一般バンド」は見所、聴き所がいっぱい
これはぜひとも、DVDやCDでチェックしておかないとね。

 さてさて、職場の部が終わりました。

 先週は、うっかりお弁当を忘れてヘロヘロになった私ですが、今回は大丈夫。ちゃんとおにぎりやらお菓子やらを用意していきましたから。

 お昼休憩で外に出ると、横に大きな公園があって、噴水の横で、出演を終えたバンドが賑やかに記念撮影をしてました。みなさん、ご苦労様。どこも、素晴らしい演奏でしたよ!

 そんな様子を眺めながら、さわやかなお天気のもと、噴水前のベンチでお握りを食べました(といっても、コンビニで買ったやつだけどね)。

 さあ、いよいよ、今年最後のコンクール、「一般の部」の始まり始まり〜!


鼓膜は大丈夫か?

 実は、事前に小太郎さんから、こんなこと言われてたんです。

「一般バンドは人数が多いし、大人だから、音がでかいよー。普門館と違って、残響ビンビンのコンサートホールでやるから、全部聴くと、鼓膜がジーンとなる。気をつけながら、その様子もレポートしてね!」

 おいおい、これって、人体実験かよ……。

 でもね、それってホントだったわ。確か規定では、一般バンドの上限人数は「80人」なのよね。高校が「50人」だから、それよりずっとデカい編成だわよ。しかも会場が、5000人入る普門館じゃなくって、2000人収容のコンサートホールでしょう? そこで「80人」の大音響が、いかにすごいことになるか……いやいや、とにかくすごいことになりました。

【1】の大津シンフォニックバンド(滋賀)からして、早くもステージいっぱいの演奏者なの。何しろラッパだけで10人よ! ホルンとトロンボーンなんか各8本! すごいわねえ……。結局、本来職場バンドに所属してもいいような経験者が、会社にバンドがないんで、こういう一般地域バンドに流れているんじゃないかしら。しかし……私も一度、こんな大編成バンドで吹いてみたかったわ。
 曲も、高昌帥の『ウインドオーケストラのためのディテュランボス』っていうんだけど、なにやらとんでもない曲なのよ。音の洪水……それでいて、ガーンと伝わってくるものがあるのね。なるほど、これぞ大人バンド、一般の部の迫力なのね。【銀賞】

【2】は……これって、「レディス・バンド」? 松陽高校OB吹奏楽団(鹿児島)。だって、見た感じ、全部女性なのよ……いや、ごめんなさい。よく見ると、男性も2〜3人いました。でも、一瞬、ほとんど女性に見えたわ。それがなかなかカッコイイのよ。黒づくめの衣裳を着た数十人の大人の女性が『白鳥の湖』を演奏するのよ。ああ、私も入りたい……。
 そして、またまた「?」。なぜか、ハープがテューバの横(上手側)に置いてあって、誰もいないけど、あれ、誰が弾くのかしら。普通ハープは打楽器のそば(下手側)にあるんじゃないの? と思ったら、何と! テューバ担当の、数少ない男性奏者の一人が、『白鳥の湖』の途中で、にわかに横に移動して、ハープを弾き出すのよ! びっくり〜! だって、この男性、けっこう大柄で、いかにも「ワシはテューバじゃ!」って感じなの。その男性が、まさか突然ハープを弾きだすとは! 映像が手に入ったら、ぜひ確認してね! けっこう驚き感動ものですよ〜。【銅賞】でしたが、BPから【女性軍団の中で、よくぞテューバとハープをこなしてくれました!賞】を贈呈します!
 ちなみに高校の部に松陽高校が出ていたので、この学校は、現役とOBが両方、全国大会に出たわけね。うらやましいわ〜。

【3】は、おなじみ土気シビック。いやあ、もう、すごいの何のって……。いいですか、ラッパ8人、トロンボーン6人、ホルン9人、ユーフォ6人、テューバ6人、コントラバス4人、ティンパニ2人(2組)ですよ! 一瞬、金管バンドかと思っちゃった。これもDVDで見てよ、驚くわよ! もちろん、この編成は、自由曲『惑星〜木星』のため。
 しかし『木星』とは懐かしいわねえ。土気シビックほどのベテランが、これほど古典的な名曲で勝負してくるのも意外だったわ。昔、大ヒットした自由曲よ。私もやったことあるんだけど、いま、あらためてこの曲が全国大会で聴けるとは夢にも思わなかった。あの大人数で、ウルトラ迫力演奏。圧倒的な【金賞】でした。

【4】もすごかったわよ〜。強豪のアンサンブルリベルテ(埼玉)。委嘱新作の、真島俊夫『鳳凰が舞う』っていうのを演奏したんだけど、和風な曲なのに、何ともすごい迫力! 特に打楽器の人たちがたいへんで、6人が、もう、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、ほとんど運動会状態なのよ。よくぞ、あれだけたくさんの小物を、間違えずに叩き分けたと思うわ〜。またもDVDで見る価値のある光景よ。見事【金賞】でしたが、BPからは、あの6人に【いくら競い合う場とはいえ、ほんとうに、あんなに走り回るとは思いませんでした、ご苦労様!賞】を贈呈します。

【5】はJSB吹奏楽団(鹿児島)。天野正道『交響組曲第1番』より。もちろん演奏も素晴らしかったけど、途中の「声」が驚くほどきれいで、びっくりしちゃった。【銅賞】でしたが、BPからは【楽器ももちろんですが、声楽もとても美しくて驚きました!賞】の贈呈です。

【6】の百萬石ウインドオーケストラ(石川)は、おなじみラヴェルの『スペイン狂詩曲』を、きちんと、しっかり演奏してくれてました。大人バンドにこういう曲が出てくると、かえって新鮮です。【銅賞】

【7】大曲吹奏楽団(秋田)。驚いたわ〜。課題曲は「III」(木下牧子作曲)で、自由曲も同じ木下牧子さんの『ゴシック』っていうの(これも委嘱新作なのかしら)。課題曲と自由曲を同じ人の作品で統一することって、そう簡単にできることじゃないと思うのよ。しかもこの自由曲、不思議な魅力のある曲なの。何だか、この団体だけ、ほかとは違う空間って感じだったわ。見事に【金賞】でした。

【8】は、これもおなじみ浜松交響吹奏楽団(静岡)。私は単なるバンド・ミーハーですから、あまり詳しくないんですが、こういう音楽があるのね〜。天野正道の『交響組曲ガイア』第2楽章(去年は、別の楽章をやったそうです)。地球環境の問題とか戦争とかを描いた曲らいしんだけど、凄まじいっていうか、とにかく音楽のあらゆる要素が入っていて、それが次から次と出てくるような……もうこれは、音楽によるスポーツじゃないかしら。私なんか、目が回ってきちゃった。【銀賞】だったけど、よく、ああいう曲に挑むと思うわ。すごいバンドです。ひれ伏しちゃいます。

【9】もおなじみ、川越奏和奏友会(埼玉)。モートン・グールドの『祝典のための音楽』っていうのを演奏したんだけど、ひな壇のいちばん上、トロンボーンの横(上手側)に、お姉さんが一人、スラリと立ったまま、トランペット・ソロを吹くの。それが、同じ女性として、惚れ惚れするようなカッコよさなのね〜。これも要DVDチェック! 演奏も見事で、もちろん【金賞】。そして、ソロのお姉さんには【今大会、いちばんのカッコいいヴィジュアルだった(もち、演奏も素晴らしい!)で賞】の贈呈です。

【10】東京正人吹奏楽団は、難曲『ウインドブリッツ』をさすがの腕前で聴かせてくれました。【銀賞】


そして後半、オーラスへ……

 ここで休憩になりました。ロビーに出ると、たったいま聴いた演奏が、もうCDになって売ってるのよ。時代は変わったわねえ。昔は、とにかくライヴLPが出るまでは、音なんか確認できなかったもんねえ。私の場合、職場の部でヤマハが演奏した『すべての答え』のCDを買っちゃいました(帰ってから、あの二刀流のお兄さんの姿を思い出したくて)。

【11】は、これもまたおなじみ、横浜ブラスオルケスター(神奈川)。ここも凄まじかったわ〜。どうやると、あんなに管楽器がビュンビュン鳴るのかしら。もう、「音が出る」っていうんじゃなくて、まさしく「鳴っている」感じなの。高昌帥の『陽が昇るとき』っていう、圧倒的な音楽で、もう、音楽でぶん殴られたって感じ。それと、指揮者が、小柄な人なんだけど、全身全霊で、バンドから音を引っ張り出そうとしている感じがしてすごかった。【銀賞】でしたが、BPから【音楽はもちろん、指揮姿でも十分、感動させてくれました!賞】を贈ります。

【12】倉敷市民吹奏楽団(岡山)は、レスピーギの『教会のステンドグラス』。8本のホルンが、ほとんど叫ぶような響きで、よくあんな音が出るなあと思いました。【銅賞】

【13】創価学会関西(大阪)は、すべて男性で、質実剛健といった演奏でした。【金賞】!(しかも3出・3金)! 自由曲は、中橋愛生の『科戸の鵲巣(しなとのじゃくそう)』という新しい曲。先週、春日部共栄高校も、これを演奏して金賞を取ってました。

【14】ウィンドアンサンブル ドゥ・ノール(北海道)は、今大会中、唯一のポップス色のある曲でした。グローフェの『ハリウッド組曲』。全体にジャズやムード音楽の香りがあって、とても楽しめました。この曲、これから流行りそうですねえ。【銀賞】

【15】はここもおなじみ名取交響吹奏楽団(宮城)。大人バンドでは珍しく、赤いジャケット姿です(ほかは、ほとんど黒服)。トーマス・ドス『シダス』を、圧倒的な演奏で聴かせてくれました。【銀賞】

 今大会、全部門中の最後の最後【16】は、初出場、BMSウインドアンサンブル(徳島)。自由曲は、BP読者にはおなじみ、八木沢教司『空中都市マチュピチュ』でした。ここは、それほど巨大な編成でもなく(それでもラッパ7本よ)、この雄大な曲を、ただの大音響でなく、キチンと聴かせてくれました。ひな壇最上、上手側、大太鼓担当のお姉さんが、細腕なのに、小物も担当していて、大太鼓と小物の間を行ったり来たり、しゃがんだり、立ち上がったり、もう、見ているだけで大変そうで、思わず「頑張って……」と小声で声援を送ってしまいました。演奏後、クネクネ〜っとなってましたが、その気持ち、よく分ります。徳島から栃木まで、初出場でよく来てくださいました。【銅賞】でしたが、あのお姉さんに【大太鼓と小物の両方を、よくぞ頑張ってくれました!賞】を贈ります。


来年、また会いましょう!

 というわけで、今年のコンクールもすべて終わりました。確かに一般バンドは、どこも大人数で大音量、少しばかり鼓膜がジーンとなったけど、でもどれも、「私たちの音楽を伝えたい!」って感じが溢れていて、しかもヴァラエティに富んだ選曲ばかりで、高校の部とはまた違った感動を味わいました。

 ちなみに、帰りは大変だったよ〜。もう真っ暗で、バスかタクシーしかないんだけど、そのバスが、1時間に1本か2本なのよ。表通りに出ても、タクシー空車なんか、一台も走ってないし……。で、タクシー乗り場に長蛇の列。しかも、ポツポツとしか空車が来ない。1時間近く並んで、ようやく宇都宮駅にたどり着きました。駅には、楽器を持った人たちがあふれかえっています。ここからまた、地元各地に帰って行くんですね。みんな、お疲れ様! すてきな音楽をありがとう!

 世間では、もう来年の課題曲が発表になっているみたいで、ほとんどのバンドは、来年向けの対策に入っていることでしょうね。

 今回、ひょんなことから、日曜日の「高校の部」と「職場・一般の部」を2週連続で、朝から最後まで全部聴いたわけですが、私としては、とても面白い経験をしたと思っています。プロの演奏とは違った感動を与えてくれるアマチュア吹奏楽って、とっても素晴らしい世界だと私は思う。

 ちなみに、チケット入手にあたっては、BP編集部のほか、あえて名前は伏せますが、多くの方々にご協力をいただいたようです。ほんとうにありがとうございました。

 みなさん、来年また、全国大会で会いましょう! もし、私を見かけたら、声かけてね〜(って、誰も私なんか知らないか)。

(追伸)
 来年の「大学」「職場・一般」は、長野県だそうです。さすがに無理かな〜? もしかしたら小太郎さん、「来年は、いまのうちから土曜日も休みをとって、計4日間、全部門制覇なんかどう?」って言ってきそうな気がして怖いわ……。吹奏楽もいいけれど、その頃までには、結婚しておきたいもんだわよ。

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(2006.11.02)


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