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第54回全日本吹奏楽コンクール
全日本吹奏楽コンクール(高校の部)全国大会

日時:2006年10月22日(日) 
会場: 東京・杉並 普門館大ホール
レポート:ブリュンヒルデちなみ(BP特派員)
行ってきました、全国大会!

 こんにちわ! 私、元吹奏楽部のお姉さん(ほとんどオバサン)、「ブリュンヒルデちなみ」と申します。パートはユーフォでした。

 このたび、BPの小太郎編集長から特派員に指名されまして、全日本吹奏楽コンクール全国大会(高校の部)を、朝イチから最後まで、ぜ〜んぶ聴いてまいりましたあ……ああ、疲れた……。

 私、コンクールって、地区予選や支部大会、そして普門館の全国大会と、いままで何度も行ってるんですけど、一日全部を通して聴いたことって、ないんです(ちなみに、私の成績は、地区予選ダメ金が最高でした・・・・・・あ、それから私のペンネームは、口癖が「ちなみに」なので、こうなりました。悪しからず)。

 今回は、小太郎編集長から「とにかく、29団体全部を、じ〜っと座って聴いて、どうなるのかをレポートしなさい」との厳命だったので、「ま、オバサン・パワーで何とかなるさ」と思って行ってみることにしました(せっかくの日曜日だけど、ほかに用事もないし、会う人もいないし……とほほ)。

 当日は、朝6時起きだ! 近所のデニーズに駆け込んで、ばっちし「焼鮭朝食」を食べてパワー充填!(ちなみに、もちろん納豆付きよ!)

 普門館に着いたのは、8時半頃。もう、会場付近はたくさんの人や生徒たちでごった返しています。とりあえず天気が上々で、よかったねえ〜。

 高校の部は「前半」「後半」の2部構成で、「前半」は朝9時から演奏開始。ということは、私なんか6時起きだったけど、1番の高校なんか、何時に起きたんだろう……。

■前半の部

 で、その1番なんですけど、何と、今年「3出」で、しかも「3金」がかかってる習志野高校なのよ〜! 何だかかわいそう……。朝の9時から演奏なんて……。

 でも演奏はすんごくよかったよ。課題曲Uの演奏終了後、ほとんど間を空けずに、自由曲『くるみ割り人形』を始めたのでビックリしちゃった。あれ、知らない人が聴いたら、同じ曲がまだ続いているように思えたんじゃないかしら? だけど全然違和感ないの。もしかしたら、課題曲〜自由曲でワンセットみたいなイメージで演奏したのかも。結果は……残念ながら「銀賞」で、「3金」はダメでした。やっぱ、朝イチはきついよね〜。

 2番目が、福岡工業大付属城東高校。自由曲『エルフゲンの叫び』が、すばらしくって大感動! 曲もすごくカッコイイ(これ、どういう意味の曲なのかな。富樫鉄火さん、解説書いて下さい!)。トランペットが高音を出すんだけど、バッチリ決まってて、うまいのなんの! こんな曲、私もやりたかった(ま、無理だったでしょうけど)。納得の「金賞」でした!

 ……と、こんな調子で29団体全部を書いていったら、徹夜になってお肌によくないので、あとは、印象に残った団体だけを書きますね(小太郎編集長、お許しを!)。全体の結果は、こちらでご確認くださいませ>>>成績結果

 大阪の明浄学院高校。女子校なのに、すごいの。おなじみ『中国の不思議な役人』なんだけど、よく聴くと、いままで聴いてたのと、どこか感じが違うんです。何ていうのか、音が分厚くて、こってりした感じなのね。プログラムを見たら、どうやら顧問指揮者の小野川昭博先生の編曲らしい。これって、もしかしたら「関西流」? 「大阪のおばちゃん」風バルトークとでもいうか……おっと、部員のみなさん、ごめんなさい(でも、あなたたちだって、すぐに私みたいなおばちゃんになるのよ)。でも、こういうの好きだなあ。「銀賞」なんておかしいよ!

 北海道の東海大付属第四高校の『第六の幸福をもたらす宿』は、ほんとに感動的な演奏でした。ラストなんか、私、泣いちゃいましたよ〜。超絶技巧を披露するんじゃなくて、とにかくいい音楽を聴かせてくれた、って感じ。「金賞」も当然です。おめでとう!

 超強豪の埼玉栄高校。課題曲Tの、最初の音からして、全然違うの……。しっかりした大きな音なのよ。いったい、どういう練習すると、ああいう音が出るのかしら。自由曲『トゥーランドット』もすごかったあ……最後のほうなんか、永遠に音が続くんじゃないかってくらいの、ロングロングロングトーンなのよ……よくまあ、高校生が、あんなに長く息が続くわねえ。私なんか、駅の階段でヒイコラ言ってるのに……。ちなみに、もっち「金賞」です。


■休憩……あ、弁当忘れた!

「前半」の部が終わって、とりあえず外に出て休憩。早くも会場前では、朝日新聞の号外速報が配られてました。あ〜あ、お腹すいた……。あ! 昼食どうしよう! すっかり忘れてたわ〜! 普門館って、食べ物は何も売ってないんだよね。レコード会社の売店とかはたくさん出てるんだけど、飲食物は、せいぜいペットボトルの飲料を売ってる程度で……。しかも普門館って、近所にコンビニとか、何にもないし。まいった〜。いままで何度も普門館には来たけど、朝から最後まで、まる一日いたことないから、お弁当を持ってくるなんて発想、全然なかった〜。ううう……もう時間がない、「後半」も始まりそうだよ〜。小太郎さん、ひとこと言っておいてほしかった〜。

 と泣いてたら、目の前を、打楽器奏者の冨田篤さんが通った。以前、小太郎さんに紹介されてお酒の席に同席させてもらったことがある、熊本の打楽器奏者の方です。顔は怖いけど、すごく優しい人でした。BPでも紹介されてた、盲学校のアンサンブルの感動本『息を聴け』を書いた人です。熊本の盲学校をアンコンで全国大会金賞に導いた指導者で……そうだ、もしかしたら、冨田さん、お弁当の余り持ってないかしら? いやいや、チョコレートだけでもいいんですが……。アメでもいいんですけど……。

 ところが冨田さん、よほど忙しいみたいで、汗ダラダラで、「お、こんちわ〜、ご苦労様〜」で、行っちゃった……。あとで聞いたら、今回、冨田さんが打楽器パート指導している学校が、何校も、今日、この普門館に来ているんですって。で、最後の調整や指導のために、ここ数日間、上京してつきっきりらしいんです。いや〜、全国大会って大変なのね〜。指揮者だけじゃなくって、冨田さんみたいなパート指導者も地方から同行してるなんて……。しかも、複数の学校で指導してて、それがバシバシ全国大会に出るなんてスゴイ。もしかしたら、冨田さんが打楽器指導すると、全国大会に行けるのかしら……?

 と、そんなことを考えながら、お腹の虫をおさえているうちに、「後半」開始の時間になりました。仕方ない、コーラでも飲んでガンバロウ!


■後半の部

 で、「後半」の部が始まったわけですが、「前半」に比べて、何だか納得いかない結果が多かったなあ……(まあ、私みたいな素人と、プロの審査員を一緒にするわけにもいかないんですけど)。

 2番目の北海道遠軽高校、すごく音がしっかりしてて、金管なんかまとまりがいいし、弦バス3本で低音もしっかりしてたし、私、イチオシだったんだけど、「銀賞」でした。

 千葉の柏高校が、『こうもり』を演奏したのはビックリ! 柏って、いつも不思議な曲を演奏して私たちを幻惑の世界に導くじゃないですか。なのに、あまりにまっとうなクラシック曲で勝負してきたんで「ううむ?」って感じで聴いたんです。ところが、とても楽しい、見事な演奏でした。この『こうもり』は鈴木英史さんの編曲で、オペレッタの『こうもり』とは関係ない、『雷鳴と電光』が出てくるんだけど、最後はステージの両脇にバスドラム&シンバルを配置して、ステレオ効果演奏で「雷鳴」を表現してて、もう、楽しいのなんのって! これぞ音楽って感じでした。「金賞」!(ちなみに、実際にオペレッタの中で『雷鳴と電光』が演奏されて、みんなで踊りまくる演出もあるそうなんで、別の曲が入っていても、おかしいことじゃないらしいですよ……これ、小太郎さんの受け売りですけど)。

 愛媛県立伊予高校。私は、この日聴いた中で、課題曲Tは、ここがいちばんよかった。トランペットもすごく張りのある音だったし。もちろん自由曲『ローマの祭』もよかったですよ。「銅賞」なんて、ちょっとおかしくないかしら。

 岡山学芸館高校。ここも自由曲は『ローマの祭』なんだけど、トランペット別働隊が、ホンモノのファンファーレ・トランペット(というのかな? すごく長い管のラッパ)を3本使って、舞台上手で立って演奏してた。とてもきれいな音だったよ。だけど、ここも「銅賞」なのよね。

 愛知の安城学園高校。有名な『天国と地獄』を、妙に大袈裟にやらないで、キチンと演奏してた。ラストのカンカン踊りの部分も、ワクワクして聴きました。そしてここも「銅賞」なのよ。やっぱ、私の聴き方って、間違ってるのかなあ……。

 東京都立片倉高校は『サロメ』。もう貫禄の演奏って感じ。「金賞」も当然ですね。

 大トリの福島県立磐城高校は、矢代秋雄『交響曲』を、顧問の先生の編曲で演奏。私、こんな曲聴いたの、生まれて初めてなんだけど、スゴかった! 何だか難しい音楽なんだけど、とにかく迫力や盛り上がりがスゴイの! もう、最後の30秒くらいって、鳥肌ものでした。こういう音楽を演奏できる高校生が、日本はいるんですね〜。「金賞」、おめでとうございます!


■バンドパワー賞、授与!

 こうして29団体を通して聴いたんですけど、最後の方で、私、ちょっと変なことを考えました。

 これって、「吹奏楽」のコンクールですよね? だけど、次々と演奏される曲って、ほとんど「クラシック名曲」なんですよ。それも、レスピーギとかラヴェルばっかり。3団体連続で『ローマの祭』が演奏されたりしていて……。何だか、「吹奏楽」コンクールじゃなくって、「クラシック名曲コンテスト」に思えてきたんです。

 まあ、オリジナルって演奏時間に合う曲も少ないし、カットもしにくいですよね。だったら、著作権の切れたクラシック名曲を、自由にカットや再構成して使う方がいいんでしょうね。それは分るんですけど……。もう少し、何とかならないのかなあ……。もっとオリジナルが取り上げられるようになってほしいなあ。難しいクラシックのオーケストラ曲を完璧に再現することだけが吹奏楽じゃないような気もするんだけど……(あ、オリジナルは課題曲で評価するから、それでもいいのかしら……)。

 いま、あらためてプログラムを眺めてみると、吹奏楽オリジナル曲を演奏した団体って、29団体中、たった4校しかありませんでした。

 せっかくですから、その4校を紹介して、「オリジナルを演奏してくれてありがとう! バンドパワー賞」をお贈りしちゃいます。

 ヒョ〜ショ〜ジョ〜! あなたは、クラシック名曲全盛の吹奏楽コンクールにあって、果敢にもオリジナル曲に挑み、「吹奏楽ここにあり!」の意気込みを見せてくれました。そのチャレンジ精神を祝して、ここに表彰しま〜す!

●九州代表(福岡県)福岡工業大学附属城東高等学校(指揮/屋比久勲)
  『エルフゲンの叫び』(ローレンス)【金賞】

●四国代表(愛媛県)愛媛県立北条高等学校(指揮/石村新吾)
  『三つのジャポニスム』(真島俊夫)【銅賞】

●西関東代表(埼玉県)春日部共栄高等学校(指揮/都賀城太郎)
  『科戸の鵲巣(しなとのじゃくそう)』(中橋愛生)【金賞】

●東海代表(愛知県)愛知工業大学名電高等学校(指揮/伊藤宏樹)
  『ダンス・ムーブメント』(スパーク) 【銅賞】


■みんな、おめでとう!

 というわけで、朝9時から、最後の閉会式の7時まで、計10時間。ひたすら席に座って、29団体を聴きました。途中、ちょっと眠くなりかけたけど、何とか全部を聴き通せました。昼食抜きでお腹もペコペコになっちゃったし、お尻も痛くなったけど、いい経験でした。

 最後に、たぶん、口では言い表せない苦労を重ねて全国大会・普門館にたどりついた29団体に、心から「おめでとう!」って言いたい。コンクールである以上、金銀銅賞のどれかに振り分けられるのは仕方ないけど、あれは、たまたま、あの日の審査員がそう感じただけ! あなたたちが演奏した音楽は、あの日の審査員のものじゃないよ。みんなのもの! そして、あなたたちのもの! だから、金賞が取れなかった団体も、そんなこと忘れて、どこかに、あなたたちの演奏を金賞だと思って感動してくれている人たちがいて、その人たちのために演奏したんだと思ってほしいなあ。少なくとも、私はそうでした! みんな、素晴らしい音楽をどうもありがとう!

 ああ……来年も小太郎さんから「行ってきて〜」って言われるのかしら? いいですよ、オバサン、やりまっせ〜! もちろん今度はお弁当持参でね!

(2006.10.23)

 

>お弁当に飲み物も3本付けちゃいますので、来年のよろしくお願いします(BP小太郎)


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