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小さな室内楽コンサート vol.4
東京ファロス木管五重奏団

◎木管五重奏(フルート・オーボエ・クラリネット・バスーン・ホルン)による戸田顕の新作《医者になった少年》の初演を聴く

 前日の第9回響宴から一夜明けた3月6日(月)に、東大宮コミュニティーセンターにおいて開催されました「小さな室内楽コンサート vol.4」に行って参りました。今回のプログラムはクラシック作品だけでなく、戸田顕氏の新作の初演があるなど、とても楽しみな演奏会でした。

 まずは演奏会の模様をお伝えする前に、今回演奏される「東京ファロス木管五重奏団」についてご紹介したいと思います。

 1998年に東京ニューシティ管弦楽団定期演奏会のロビーコンサートへの出演をきっかけに、東京ニューシティ・アンサンブルとして結成されました。その後、東京を始め神奈川、埼玉など各地の演奏会に出演し、2000年には三鷹・前橋それぞれでリサイタルを開催。また同年「カルメン」組曲を世界初録音したCD「カルメン」は各方面で話題となる。近年はアナウンサーの久林純子氏とのコラボレーションにより音楽劇「ピーターと狼」を上演するなど、室内楽の範疇を越えて活動されています。

 第一部は、モーツァルト生誕250周年ということから《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》が演奏されました。古典派の音楽をしっかりとしたテクニックと表現で素敵に演奏されていました。演奏会は、フルートの内山豊美氏の楽しく且つ為になるトークで進められていきます。

 続いては、今回の演奏会のメイン・プログラムであります、作曲家戸田顕氏の新作《医者になった少年》の初演です。この作品は、戸田氏の友人である、東京ファロスのオーボエ奏者・井上恵子氏との談笑の中からヒントを得て、2005年11月に完成されたそうです。編成は木管五重奏(フルート・オーボエ・クラリネット・バスーン・ホルン)そしてナレーションを奏者自身が語るようになっています。
 ストーリーは「ある村の少年が地雷のために妹を亡くし、その後、猛勉強をして外科医となり、友人の力を借りて病院を建設する」というもので、思い返すように現在から過去へ話が進むようになっています。今回、音だけでなくストーリーも戸田氏オリジナルによるもので、氏の「平和」への強い思い、願いが込められた作品です。作品は7曲からなり、「序・病院建設・少年の決意・妹・無情・畑にて・終曲」となっている、約15分の作品です。
 音楽だけでなくナレーションもあるので、とてもわかりやすくメッセージ性の強い作品だと思います。今回初演するにあたり木管五重奏の編成でしたが、編成(吹奏楽等)を大きくしナレーターを別にたてたり、木管楽器を変えたりしても演奏する方も聴く方も十分な作品だと思いました。演奏会はもとより、原爆投下や終戦記念日など「平和を祈る日」に演奏することによって、よりメッセージ性が強くなり、改めて平和への思いを考えることに繋がる、素晴らしい作品だと思いました。

 第二部は、木管楽器の伴奏によるソプラノ独唱は、ピアノやオーケストラによる伴奏等とは違い、独特の柔らかなサウンドを楽しむことが出来ました。またモーツァルトの《交響曲第40番》は、私の好きな作品の1つなのでとても楽しみにしておりました。オーケストラや2台ピアノでは味わえない木管五重奏の暖かい響きは、心を優しく穏やかにしてくれました。

 木管アンサンブル独特の響きを堪能できた素敵な演奏会で、特に戸田氏の作品は秀逸でした。「平和」というテーマを、メンバーの皆さんの技術・音楽性はもちろんの事、作品の良いところを更に引き出しており、その場に居た全ての人々が平和に対する思いを改めて考えさせられる、引き締まった素晴らしい演奏会になりました。


【プログラム】

第1部

○アイネ・クライネ・ナハトムジーク/W.A.モーツァルト
○医者になった少年(初演)/戸田 顕
  http://homepage1.nifty.com/ATODA/


第2部

○アリア「女が15にもなれば」/W.A.モーツァルト
  ソプラノ:武田千宜

○ブルガリア舞曲/アプシル
○ポルカ(バレエ「黄金時代」より)/D.ショスタコーヴィチ
○トロイメライ/R.シューマン
○交響曲第40番〜第一楽章/W.A.モーツァルト


【演奏】東京ファロス木管五重奏団

 

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