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横浜開港祭
チャリティー吹奏楽コンサート
ザブラスクルーズ2006

◎市民に活力をもたらす「横浜らしいコンサート」として発展し、
  新たな街をつくる起爆剤となっていくことを期待したい

〜日本吹奏楽発祥の地・横浜〜

 毎年、6月2日の横浜開港記念日前後に行われている市民祭り「横浜開港祭」は、今年で25回を迎えた。その関連イベントの1つ「横浜開港祭 チャリティー吹奏楽コンサート ザブラスクルーズ 2006」が今年も開催されました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 私が初めてこのコンサートを見たのは沖縄から参加の米国第3海兵音楽隊が出演した2001年のこと。堅い雰囲気の吹奏楽オリジナル曲から、誰でもが楽しめるエンターテイメントまで多彩な内容で、3時間という時間を感じさせない、むしろとても時間が早く感じてしまうコンサートだったのに驚きました。
 それ以来、国内で開催されるコンサートの中では、毎年楽しみにしているコンサートの一つです。

 レポートを依頼されたことから、今年はこのコンサートについていろいろと見てみました。インターネットで検索してみると、このコンサートは日本吹奏楽発祥の地ー横浜を記念した「日本を代表する吹奏楽団によるコンサート」と題して企画されていて、今年で7回目の開催となります。
 また、海上保安庁への支援として日本水難救済会の「青い羽根」募金支援のチャリティーとしても開催されています。

 特徴は、あまり見る機会の少ない自衛隊等の公官庁バンドにスポットをあて、その演奏に触れる機会を設けること。
 さらに各界からの推薦等を得、コンクール等の実績や40年以上活動を続けているバンド等に協力依頼し一般へ紹介するというもので、これら推薦を得て出演された一般団体へは選考の上、行政省庁の賞をもってその活動を奨励支援するという側面も持ち合わせています。
 このコンサートは「横浜開港祭 ザブラスクルーズ実行委員会」という市民ボランティアだけで運営されているというのも驚きでした。

 この実行委員会は6月のコンサートの他にもいろいろな事業を主催しています。
 例えば外務省のHPによると、昨年は、欧州連合(EU)の協力による日本とイギリスのトップクラス・ユーフォニアム奏者による競演の他、金管バンドコンテスト等々・・・。
 関係者に聞いてみると、一般的に国内で言う吹奏楽だけではなく、「人が吹くという行為によって成立する洋楽を吹奏楽としている」とのことです。

 今年の「横浜開港祭 チャリティー吹奏楽コンサート ザブラスクルーズ2006」では、過去の観客アンケートで要望の多かったフェスティバル・バンドを創設したことが注目を集めているとのこと。
 私も40年位前にクラリネットを吹いていましたので、とても楽しみです。
 スーザの行進曲だったと思いますが、あの合奏の快感や、達成感はいまでも忘れられないですね。


 当日は、さわやかな快晴。久しぶりに歩いて会場に向かいました。この辺は海に近いこともあって潮の香りが感じられます。ホールに入ると、ひんやりとした空気とともに波の音、船の汽笛、カモメの鳴き声が迎えてくれました。
 中央には錨のオブジェが置かれ、譜面台にはバナーが取り付けられるなどこだわりが感じられる横浜らしい演出でおのずと高揚してきます。

 開演が近づくと、開港資料館の絵で見たことのある真っ赤な制服に身を包んだ「赤隊」を思わせる日本ビューグルバンドが登場! 初めて見ましたがとても格好いいですね。いつもより少ない人数での出演だったようで、今度は全員での演奏が聴きたいです。

 ファンファーレに続き、注目のフェスティバル・バンドの演奏です。
 祝祭吹奏楽団 ザ ヨコハマ ウィンド シンフォニーと名付けられたこのバンドは、生涯学習と横浜開港150周年に向けた賑わいの創造の機会として創設されたそうで、横浜のみならず関東近県の他に長野県等、遠くからの参加者もいるそうです。

 1曲目の「横浜市歌」から圧倒的なサウンドでした。
 体が感じ、体に染みこみ本能を揺さぶられます。

 最初は緊張の為か固い印象を受けましたが、ディズニー作品からみんなリラックスして楽しそうな音楽が始まりました。

 指揮の戸田 顕氏自身の作曲による「平和への行列」。
 主題部分ではもの凄いパワーを感じます。
 設定の倍以上の人数による演奏ということで、単旋律部分では作曲の意図ともいえる平和の訴求へ向かっていく昇華感、人々の思いが具現化されたようにエネルギー感に満たされていました。

 いろいろなところから集まった人達が4回という少ない練習で、よくここまでの演奏ができたなと思います。

 最後には、中田 宏横浜市長が激励に訪れて戸田氏へ花束を贈呈。
「市民による横浜発祥のこういう文化推進がもっと広まることを期待しています」とご挨拶されました。

 横浜市立万騎が原中学校吹奏楽部は、懐かしいスーザの快活な行進曲からカラオケでよく登場する演歌のメドレーまでと楽しめる演目。その演奏は良くコントロールされていると思いました。
 中学生のレベルを超えた演奏と表現力を持っているバンドですね。
 私と同年齢位の年配者が多いのもブラスクルーズの特徴のようで、演歌メドレー「ど演歌エキスプレス」では、とても喜ぶ姿が目に入りました。

 途中、入れ替えの時間を使った海上保安庁の広報にあわせトロンボーンアンサンブル「ミスターボーンズ」による海にちなんだ曲の演奏も行われました。
 吹奏楽のみならず、横浜に関係した組織が集い様々な紹介をするということから「海猿」の登場です。これにも観客の関心が高かったように感じられました。

 そういえば、横浜の紹介と言うことでコンサート終了時に、配布されたお土産「横浜の味」これは美味かった。
 エバラ食品の「舶来カレー」とタカナシ乳業の「有機野菜ジュース」には皆さん笑顔。良い横浜土産でした。

 続く東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部は、安定した演奏能力もさることながら、エンターテイメントとしてもよく考えられていてとても楽しい一時でした。
 1年生だけの演奏でもそのレベルの高さがうかがえ、しっかりとした音楽が奏でられます。全員での演奏ではパフォーマンスは最高潮。まさに高輪ワールドで、観客は大喜びでした。

 この演奏後、表彰式が行われました。
  社会貢献度と演奏評価により選考され、支援の国会議員や横浜市会議員等により次のように表彰されました。


【本牧山 妙香寺賞】
 日本ビューグルバンド

【横浜市長賞、エバラ食品工業賞】
 ザヨコハマウィンドシンフォニー

【神奈川県知事賞、民主党代表小沢一郎賞】
 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部

【文部科学大臣賞、自由民主党総裁小泉純一郎賞】
 横浜市立万騎が原中学校吹奏楽部


 最後に模範演奏として航空自衛隊航空中央音楽隊が出演しました。
 吹奏楽ファンには、説明のいらない日本を代表する吹奏楽団ですね。

 私は初めて聴きましたが、まず驚いたのが、そのサウンドの違いです。前出の4団体も素晴らしいのですが、このバンドは模範演奏と呼べる別格な質感と高い理解度と芸術性を持っていると感じます。


 日頃、コンサートをよく聴きますが、譜面におかれた発音ばかりで、一番大事な「音楽」を感じられないことが多いのですが、今回出演したバンドはそれぞれの個性と音楽がとてもよく表現されていることが聴きとれました。

 特に中学生や公募によって編成されたバンドでは、見て楽しいだけではなく聴いていて「心が躍る」という久々の経験もしましたし、音楽の持つ本来の力でしょうか、引き込まれていくものをとても強く感じられました。

 公募バンドに参加したメンバーからいろいろな声が寄せられていましたので、いくつかご紹介しましょう。

「プロの演奏者と共に吹いたり、教えていただける場があるのは
 ”生涯教育”ならではの良い所だと思いました」

「ブランクのある人、また、大きな舞台で演奏する機会のない人(自分)などに、
演奏する機会が与えられ、嬉しいと思いました。
 また運営される皆さんがボランティアでされているという事にも感動致しました」

「年齢も技術的にもバラバラな人たちが集まってのバンドなので、
まとまりがないイメージがありましたが、
実際にはパート内でのコミュニケーションもとれ
細かい詰めも出来たので良かったです」

「憧れのみなとみらいのステージの、なんとまぶしいこと…☆
…うーん、これは病みつきになる〜☆
 とても胸が熱くなります(*^-^*) 演奏できて本当に良かった!!!
ブラスクルーズに参加したからこそできた、貴重な経験です!!
私の音楽活動の、とびきりの思い出になりました☆ 」

などなど・・・。


 このような活性化に結びつく生涯学習としての吹奏楽がさらに普及発展していくことが楽しみであると同時に、このバンドの目標となっている横浜開港150周年の2009年に向けては「羽田空港の拡張や国際化」「川崎臨海部の大規模再開発」等、様々なことが決定されたことから、これからはじまる都市基盤の整備とともに新しい横浜が発信されていくことになるだろう。

 このブラスクルーズにも文化振興において素晴らしいバンドが一堂に会し、オリジナリティーにあふれて市民に活力をもたらす横浜らしいコンサートとして発展し、新たな街をつくる起爆剤となっていくことを期待したい。

■横浜開港祭 ザブラスクルーズ実行委員会
 http://www.the-brass-cruise.org/

■横浜開港祭 ザブラスクルーズ
  ザ ヨコハマ ウィンドシンフォニー実行委員会
 http://www002.upp.so-net.ne.jp/tyws/


★横浜開港祭 ザブラスクルーズ
 ブラスバンド チャンピオンシップ2006開催のお知らせ★


 11月26日(日)、英国式金管バンドから大編成金管バンドまでを対象とした標記のコンテストが開催されます。詳細は以下HPをご覧ください。

 http://tbc-bbc.com/


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