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第15回WMC世界音楽コンクール2005
(後編)

日時:2005年7月7〜31日
場所:ケルクラーデ(オランダ)
レポート:広瀬勇人(作曲家)
大会プログラム表紙
  ■人気の高かった自由曲

ヨーロッパ諸国からの参加団体が多いためか、自由曲にアメリカの作品を取り上げる団体は少数で、ヨーロッパの作曲家のオリジナル作品を取り上げる団体が多く見られました。(編曲作品としてはレスピーギストラビンスキーショスタコービッチをよく見かけました)。

ヨーロッパの中でも国によって傾向や趣向も異なると思いますが、吹奏楽部門とファンファーレバンド部門で特に人気のあった作曲家と主な作品をここに挙げてみました。


特に人気の高かった作曲家

 ◎フィリップ・スパーク(イギリス)
 「宇宙の音楽」「ドラゴンの年」「ダンス・ムーブメント」「祝典序曲」

 ◎ヤン・ヴァンデルロースト(ベルギー):
 「スパルタクス」「シンフォニエッタ」「アヴァロン

スパークの「宇宙の音楽」は、吹奏楽部門、ブラスバンド部門共に、自由曲として最も演奏回数の多い作品でした。超難曲から低グレード作品、古い曲から新しい曲まで、スパーク作品は同コンクールで本当にたくさん演奏されていました。

ヴァンデルローストも取り上げられる回数の大変多い作曲家でした。新しい曲だけでなく、10年も20年も前に書いた作品がこの様な場で演奏され続けているのは、安定した人気と幅広い支持層を持つからでしょう。

●人気の高かった作曲家

 ◎ベルト・アッペルモント(ベルギー):
  交響曲第1番「ギルガメッシュ」エグモント

 ◎ハーディ・メルテンス(オランダ):
 「ラメント」「イリス」「ドリーム・スケープ」「Milot le Oelamin」

 ◎マーティン・エレビー(イギリス):
 「管楽器のための交響曲」「パリのスケッチ」「ヴィスタス

 ◎アルフレッド・リード(アメリカ):
 「エル・カミーノ・レアル」「エルサレム賛歌」「ロシアのクリスマスの音楽」

 アッペルモントは、特にチャンピオンシップに出場するバンドに人気が高かった様で、「ギルガメッシュ」「エグモント」がよく演奏されていました。日本でも大人気のアッペルモントですが、地元ヨーロッパでも大変な人気のようです。
 また、意外?と言っては失礼ですが、編曲作品を含めてメルテンスの作品を数多く見かけました。

●その他、よく演奏されていた作曲家

 ◎トーマス・ドス(オーストリア):
アトランティス」「ソラリス」「アルピナ・サガ

 ◎スティーブン・ブラ(アメリカ):
ファイアーストーム」「ヘザー・リッジ・スケッチ」

 ◎ロブ・ホールハイス(オランダ)
「ファンファーレの為の協奏曲」「Fjoeren Wetter」

 ◎フランコ・チェザリーニ(スイス):
ブルー・ホライズン」「Abysses」

 ◎フェルレル・フェルラン(スペイン) :
キリストの受難」「光と影

なお、ブラスバンド部門では、グレイアム、スパーク、ブルジョア、ボール、グレッグソン等、自由曲の人気が分散しているようでした。

この他、以下の日本人作品も自由曲として演奏されました。今後益々多くの日本人作品が海外に紹介され、演奏されていく事を願って止みません。

 伊藤康英「ぐるりよざ」(演奏:The Philharmonic Winds、シンガポール)
 酒井格 「たなばた」 (演奏:Matyasfoldi Fuvoszeneker、ハンガリー)
 黛敏郎 「シロフォン協奏曲」より(演奏:Buizingen BrassBand、ベルギー)


■コンクール結果

今回のコンクールの主な結果は、以下の通りでした。

◎吹奏楽部門

●HCA(最上級、14団体参加)
1. Koninklijk Harmonieorkest Vooruit (ベルギー) 94.50点
2. Orchestre d'Harmonie de la Region Centre(フランス) 93.30点
3. Sinfonisches Blasorchester Vorarlberg (オーストリア)92.40点
4. Landesblasorchester Baden-Wurttemberg (ドイツ) 91.20点
5. Koninklijke Harmonie van Peer (ベルギー) 90.90点

「宇宙の音楽」吹奏楽版を委嘱したドイッチェ・ブレサーフィルハーモニー(ドイツ)は、当コンクールでも同作品を取り上げましたが、残念ながら上位には入らなかったようです。

●H1(上級、25団体参加)
1. Koninlijk Bevers Harmonieorkest v.z.w.(ベルギー)96.33点
2. Sociedad Filarmonica Alteanense (スペイン)93.92点
3. Harmonie Sint Cecilia (オランダ)93.92点

●H2(中級、19団体参加)
1. 玉川学園高等部吹奏楽団 (日本) 95.75点
2. Koninlijke Harmonie St. Cecilia Rotem (ベルギー)92.58点
3. Sociedad Musical La Paz de Siete Aguas(スペイン)91.17点

玉川学園高等部吹奏楽団(日本)がこのディビジョンで最高得点を獲得!
おめでとうございます!
(バンドジャーナルの2005年10月号に玉川学園高等部の指揮者・長谷部先生のレポートが載ってます。)

●H3(初級、16団体参加)
1. Banda Musicale del Liceo A. Rosmini di Rovereto(イタリア)86.75点
2. Koninklijke Jeugdharmonie Peer vzw, Peer (ベルギー)85.50点
3. Sociedad Musical La Familiar (スペイン)83.25点

◎ブラスバンド部門

●BCA(最上級、8団体参加)
1. Brass Band 13 Etoiles (スイス) 95.00点
2. Brassband Willebroek (ベルギー) 94.00点
3. National Band of New Zealand(ニュージーランド)92.00点
4. Brassband Buizingen v.z.w. (ベルギー) 91.00点
5. Reg Vardy Brass Band (英国) 90.50点

前評判の高かったナショナル・バンド・オブ・ニュージーランド(ニュージーランド)は3位に終わり、アメリカ・ブラスバンド・チャンピオンとして招待されたシカゴ・ブラスバンド(米国)は、残念ながら今回不調だったようです。

この他、マーチング部門に日本から参加した西原高校が、コンテスト部門チャンピオンシップ、ショー部門オープンスタイルでそれぞれ金賞、最優秀国際団体賞を受賞しました。おめでとうございます!

その他、全ての出演団体の審査結果は、以下のWMCのHPの「Results2005」で見る事ができます。
http://www.wmc.nl/site/index.php?lng=e


■次回開催は2009年

 第15回WMC世界音楽コンクール2005は大盛況の内にその幕を閉じました。

 今回、ヨーロッパで開かれる大規模な国際吹奏楽コンクールの一つとしてご紹介しましたが、もちろん、これも世界の吹奏楽業界やブラスバンド業界全体から見れば、ごく一部のものだと思います。

 例えば、この種のコンクールがもしアメリカやイギリスで行われたら(アメリカでは吹奏楽のコンクールが開催される事自体、稀だと思いますが)、演奏される曲目も演奏団体も全く違ったものになる事でしょう。

 それにしても、これだけ多くの国々で(実際にはもちろん、これよりもさらに多く)吹奏楽が楽しまれているということを肌で感じる事ができたのは、大変良い経験でした。
 このレポートを読んで下さったバンド関係者の皆様に、この情報が少しでもお役に立てば、大変うれしく思います。

 次に同コンクールが開かれるのは4年後の2009年。その時にはどんなバンドが出演し、どんな作品が演奏されているのでしょうか。今から楽しみです。

 その他、WMC世界音楽コンクールに関する詳しい情報は、同コンクールのHPをご覧下さい。

 http://www.wmc.nl/site/index.php?lng=e


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