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「ヤン・ヴァンデルローストと4人の作曲家たち」
レコーディング・レポート

 Jan Van der Roost Present

日時:2005年2月22〜24日
会場:名古屋、名古屋芸術大学大ホール
レポート:広瀬勇人(作曲家)
2005年2月に名古屋芸術大学にて、デ・ハスケ社のCD「ヤン・ヴァンデルローストと4人の作曲家たち」の収録が行われました。(私も通訳として参加しました)この時の模様を、作曲者と作品の紹介も交えながらレポートしたいと思います。

<CD・作曲者紹介>

このCDはヤン・ヴァンデルローストの新作3曲(「ストーンヘンジ」は吹奏楽版の初録音)に加え、現在同氏に師事する4人の若い作曲家の新作を紹介する、という企画の元に製作されました。演奏は近年ヴァンデルローストが客員教授を務める名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ、そして指揮は同氏が担当しています。

ここで4人の作曲家、マキシム・オーリオ、トム・デ・ハース、広瀬勇人、ケヴィン・ホーベンについて簡単に紹介させていただきます。


●マキシム・オーリオ Maxime Aulio(フランス)
デビュー作「ガリバー旅行記」がストラスブール国際吹奏楽コンクールの課題曲に選ばれるなど、ヨーロッパ各地で演奏回数が増えてきており、フランス吹奏楽界では久々の大型新人として大変注目を集めています。
◎ 代表作:「ガリバー旅行記」(デ・ハスケ社)

●トム・デ・ハース Tom de Haes(ベルギー)
今回の作品が吹奏楽作品の初出版となりますが、今年度デ・ハスケ社から出版されるFl、 Cla、Sax、Trpの教則本(名称未定)に、多くの作品を書き下ろしています。

●広瀬勇人 Hayato Hirose(日本)
日本、アメリカで作曲を学んだ後、2003年よりベルギーに留学中。「アメリカン・オーバーチャー」はドイツ・バイエルン州吹奏楽コンクールの課題曲に選ばれました。
◎ 代表作:「ブレーメンの音楽隊」(デ・ハスケ社)

●ケヴィン・ホーベン Kevin Houben(ベルギー)
ベルギーの名門ブラスバンド「ミッデン・ブラバント」の指揮者を務める一方、作曲家としてもベルギー国内の様々な作曲コンクールに入選、入賞しています。
◎ 代表作:「アルカナ」(スケルツアンド社、デ・ハスケ系)

いずれの作曲家も、デ・ハスケ社及びその系列出版社から今後作品が発表されていくことと思います。

<収録風景>

 このCDのレコーディング・スーパーバイザーは、7年ぶりに来日されたヤン・デ・ハーン社長(デ・ハスケ社)が自ら務め、録音は名古屋芸術大学の録音スタッフによって行われました。

 収録中は、オランダ語、英語、日本語の3か国語が飛び交いました。
1テイク毎に、ステージ裏手からデ・ハーン社長が修正箇所をヴァンデルローストに指示(オランダ語)、指揮者のヴァンデルローストがこれを私に伝え(英語)、通訳の私がそれを訳して団員に伝える(日本語)という、少々時間の掛かる作業が続きました。
 また、作曲者のケヴィン・ホーベン、「ストーンヘンジ」の編曲者である高橋徹先生もこの収録に参加されました。

 連日のリハーサルの疲れもあり、団員の集中力が途切れそうになったり、難しいソロのテイク等で進行が滞りがちな場面もありましたが、その度にヴァンデルローストの機転の効いたトークで場が和み、緊張感がありながらも楽しく収録が進みました。演奏も全曲を通じて素晴らしいものに仕上がったと思います。

(ちなみにヴァンデルローストは、名古屋入りする前週にも、ベルギーにてCD「ミュージカル・ジャーニー(スパーク作品集)」収録の全曲を指揮しており、2週間でCD2枚分を指揮するというタフな活躍ぶりを発揮していました)

 今回の収録では、難易度の高い「ストーンヘンジ」と「コドン」を中心に収録が進められましたが、中でも「ストーンヘンジ」の収録にはヴァンデルロースト、デ・ハーン社長共に、並々ならぬ熱の入れようでした。
 というのも、13年前にブラスバンド作品として作曲されたこの曲は、デ・ハーン社長とその夫人であるヘンデリカに捧げられたもので、初演はデ・ハーン社長が指揮し、ヘンデリカ夫人もテナーホルン奏者として演奏されたそうです。

 ヴァンデルローストも収録中、「13年前の当時の様々な想いが頭をよぎるけれども、今は収録を進めなければならない」と、珍しく(?)感傷的な発言があり、この作品に対する思い入れの深さを感じさせました。


<収録を終えて>

 3日間の収録を終え、ヴァンデルロースト、デ・ハーン社長共に、大変満足されて日本を後にしました。

 今回のCD収録がスムーズに運んだのは、大学と出版社の間の細かな調整、また、収録前の演奏指導をされた竹内雅一先生(名古屋芸大助教授、同ウィンドオーケストラ指揮者)のご尽力に寄る所が大きいと思います。
 さらに、名古屋芸大録音スタッフの周到な準備、手際良い対応、きめ細かな編集作業は、デ・ハーン社長も「彼らはまさにプロフェッショナルだ」と唸るなど、素晴らしいものでした。

 収録された曲目も、スタイル、難易度、完成度など、大変バランス良くまとまっているように思います。
 多くの吹奏楽ファンの方々や関係者の皆様方に、このCDを聴いて頂ける事を願って止みません。


<収録作品:ひと言コメント>

■ヤン・ヴァンデルローストと4人の作曲家たち」

指揮:ヤン・ヴァンデルロースト
演奏:名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ

BPショップ>> http://www.rakuten.co.jp/bandpower/457687/666801

1.ザ・スワン・オン・ザ・ヒル:ヤン・ヴァンデルロースト
EuphとSaxのメロディーがそれぞれ印象的な、爽やかな序曲。(Gr.3)

2.パイレーツ・ドリーム:広瀬勇人
冒険心とファンタジーあふれる標題音楽。全4楽章。(Gr.4)

3.コドン:ケヴィン・ホーベン
シリアスで映画音楽を思わせる、スケールの大きな作品。超大作。(Gr.6)

4.アルゴナ序曲:ヤン・ヴァンデルロースト
西部劇とインディアンのスタイルの序曲。中高生バンド向き。(Gr.3)

5.ウィスパリング・ウィンド:マキシム・オーリオ
ドビュッシーと映画音楽を思わせる間奏曲。叙情的で綺麗な小品。(Gr.3)

6.シャタリング・スパーク:トム・デ・ハース
吹奏楽とビッグバンドの中間のような作品。オリジナルポップス。(Gr.4)

7.ストーンヘンジ:ヤン・ヴァンデルロースト(高橋徹編曲)
ブラスバンドの名作が、高橋先生の編曲によってさらにパワーアップ。(Gr.6)

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