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ミュゼ・ダール吹奏楽団 
第8回定期演奏会

日時:2005年5月7日(土)18:00〜
会場:西新井文化ホール
レポート:Y.H.

意欲的な取り組みの中から生まれた、素晴らしい演奏

新緑がまぶしくなり、肌に心地よい5月の風が吹くゴールデンウィークの終わり、足立区は西新井文化ホールギャラクシティにて、ミュゼ・ダール吹奏楽団第8回定期演奏会が行われた。
開場時刻ちょうどにホールへ着くと、そこにはすでに長蛇の列が。
創団6年にして東京都職場一般吹奏楽コンクール4年連続金賞、都大会2度出場という実力が伺える。

さて、この日のプログラムはまず、オープナーにヴァン・デル・ローストの“ファイヤーワーク”が演奏された。
色彩感豊かな輝かしい金管のサウンドが会場に鳴り渡る。
続いては2005年度吹奏楽コンクール課題曲Tである、松尾善雄“パクス・ロマーナ”。オープニングにおける華々しさに加え、重圧な響きでこの曲を演奏してくれた。
3曲目は、高昌師の“コリアン・ダンス”より終楽章。
複雑な変拍子により構成されたこの曲を、メンバーは高い技術力を持って吹ききってくれた。
第1部最後の曲は、お馴染みとなったC.M.シェーンベルクのミュージカル「ミス・サイゴン」より。
なお編曲はヨハン=デ・メイ版である。各曲における情景描写が素晴らしく、たっぷりと歌いこんだ魅力的な演奏となった。
ホールを空間ごと吹き飛ばすかのようなサウンドはまさしく“交響的描写”というにふさわしい。

休憩を挟んでの第2部は、ユーフォニアム奏者外囿祥一郎氏を迎えてのステージ。
まずはジェームズ・カーナウ“ユーフォニアムとバンドのための「ラプソディー」”でその素晴らしい音色と音楽性を披露してくれた。
そして次は今演奏会一番の目玉である、中橋愛生氏作曲の“La Decouverte du Feu”である。
これは「火の発見」と訳されるが、作曲のインスピレーションを受けたフランスのシュールレアリズム画家、ルネ・マグリッドのユーフォニアムを題材にした絵のタイトルだそうだ。
ぶつかり合う響きの中から、協和音がこの上ない輝きを持って現れる様が非常に印象的な曲であった。
その不協和、協和という繰り返しの周期と共に独奏ユーフォニアムは火と一体になり、そして火に抗する―そんな情景が音楽から浮かび上がってくる。
そんな燃えさかる火の音楽を、若い作曲家・ソリスト・バンドのコラボレーションが生み出してくれた。
そんな熱気に包まれた後、トリを飾ったのはこれもまたお馴染みのホルスト作曲、組曲「惑星」である。
この日は火星、土星、木星が抜粋して演奏された。
若干の疲労感が見え隠れし荒削りではあるが、スケールの大きいサウンドで会場を圧巻してくれた。

このミュゼ・ダール吹奏楽団は毎回演奏会に著名なゲストを迎えており、これまで客演でP.スパーク氏、A.リード氏、天野正道氏などを呼んだそうであるが、今回もそうした意欲的な取り組みの中から素晴らしい演奏が生まれた。
プログラムの代表挨拶にもあったようにまだまだ若いバンドと言う事ではあるが、その若さを武器にこれからも、ぜひこのような積極的な姿勢で時代に新しい風を吹き込んでほしい。


■プログラム

オープニング
・ファイアーワーク/ヤン・ヴァンデルロースト

第1部
・パクス・ロマーナ/松尾善雄
・「コリアン・ダンス」より“ロンド−フィナーレ”/高 昌帥
ミス・サイゴン・シンフォニック・ポートレイト
  クロード=ミッシェル・シェーンベルグ(arr.ヨハン・デメイ)

第2部 
・ユーフォニアムとバンドのための「ラプソディー」/ジェームズ・カーナウ
・マグリットの三枚の絵-ユーフォニアムと吹奏楽のための-
  I 火の発見/中橋愛生
・「惑星」より/グスタフ・ホルスト
  火星・土星(arr.小西龍也)
  木星(arr.建部知弘)


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