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玉川学園高等部吹奏楽団
第38回定期演奏会

バンドの一体感、連帯感を感じさせる演奏に
思わず「青春オブ・ジ・イヤー」をあげたくなってしまった

演奏会の前日、顧問の長谷部先生からBPにお誘いのお電話が入ったこともあって、玉川学園高等部の定期演奏会へ行ってまいりました。1つの公演でシンフォニック・ステージとポップス・ステージを分けたりしないで、それぞれの公演で1つの形式に集中するとのことで、定期演奏会は全編シンフォニックなステージとのこと。実は最近まで玉川学園前に住んでいたのですが、だからといって別に交流があるわけでもなく、高等部の演奏を聴くのは初めてだったりもします。

会場のパルテノン多摩に着くと、すでに異常な人だかり。客席も早々とほぼ満席の状態に。客層も高校生から初老の方まで実に幅広いのですが、やはり若者の数が圧倒的に多いので開演時刻が近づいても場内はかなり騒々しい感じ。やっぱ高校の演奏会はこうじゃなきゃね〜などと妙にオッサン気分に浸っていると、バンドが入場。

気がづけば、舞台上は客席に勝るとも劣らないくらい、満席状態。一体、何人おるんじゃい! という異様な風景が目の前に広がったのであった。

1曲目はコープランド“戸外の序曲”。1曲目からボリューム満点の演奏で、それまでざわめいていた客を一気にひきこんだ。特にラッパのソロは、響き・音色ともに◎。

2曲目はティケリの“シェナンドーァ”で打って変わってしっとりと。これが、胸にググッと迫る好演!和音・息のスピード・ザッツなど所々不安定なところもあったのだが、ライヴの良さを引き出し、1人ひとりの音が有機的に絡み合う、『活きている』音を存分に聴かせてくれた。最後の和音もとても柔らかく優しく響かせ、忘れてしまった何かを思い出させてくれるかのようなグッとくる演奏に、心の中で何度も「いや〜青春やな〜」「青春オブ・ジ・イヤーにノミネートやな〜」とつぶやくしかなかったわけである。

続く3曲目はエレビー“パリのスケッチ”。特に印象的だったのは第2楽章。メロディーラインが色々なパートで展開されていくのだが、パート間のメロディーラインの受け渡しが本当に上手く、流れるような演奏となっていた。バンドの一体感、連帯感を感じさせてくれる瞬間だった。

休憩を挟んでの4曲目は“アウェイデー”。バンドのサウンド特性にマッチした選曲で、シャープでタイト、ヤングアダルトな演奏を堪能することができた。
最後のプログラムは再びティケリで昨年完成したばかりの最新曲、“交響曲第2番”。いくつもの旋律が複雑に絡み合う曲だが、さすがにトリにもってくるだけあって、高い完成度! 決してバラけることなく非常に良くまとまったアンサンブルを聴かせ、音にも高い緊張感がある素晴らしい演奏だった。

アンコール1曲目はアッペルモントの“コーラリア”。演奏の後、先生が卒業する3年生を1人ひとり紹介。全員の名前をちゃんと覚えていて、なんだか温かい気持ちにさせられた。自分は高校のとき、こういう卒業イベントがなかったので少し切ない(名前すら覚えてもらえなかった)。
 続いて“国民の象徴”を披露し、演奏会は幕を閉じた。


自分の好きな“とある唄”の歌詞に、「捨ててしまったもの戻ってこないけれど 無くしてしまったものなら急に帰ってくることあるんだぜ」というお気に入りのフレーズがあるのだが、この日の演奏会はまさに「無くしてしまったもの」が僕の中に確実に帰ってきていることを、演奏の力のみで気づかせてくれた演奏会だったように思う。

玉川学園高等部吹奏楽団の皆さんに「生涯忘れることのできない素晴らしい演奏会を、本当に、ありがとう」


さてさて、不定期行事「楽屋で突然インタビュー」のコーナー、今回は顧問であり指揮者でもある長谷部先生にお話を伺ってきました!

…お疲れ様でした! 終演直後ですが、本日の演奏会の感想はいかがですか?

長谷部:「やり終えた!」「振り終えた!」その充実感がありますね。というのも今回の曲は非常に難曲だったものですから指揮自体が難しくて、僕の指揮で生徒が間違えてしまったりするととても申し訳ないので、自分としても充実感があります。本当に「やり終えた!」という感じです(笑)。

…今日の演奏は、とても有機的な、各自の音が絡み合うような演奏だったという印象を受けました。普段の合奏や、また音楽以外の面でも生徒さんと接することもあると思うのですが、そういった活動の中で特に気をつけておられる点、こだわられている点などはあるのでしょうか。

長谷部:「自分(生徒)が『意思』をもって音を出しているかどうか。意思のない音はいくら音程が合っていても、僕には届かない。雑音に聴こえる。意思のある音は、何かしらメッセージをもって届く。意思を持って、自分の描いたイメージを音に出して欲しい。そして、メッセージとして届かせる、聴かせるということをいつも頭に入れていて欲しい」というようなことを言っております(笑)。

…それでは最後に、全国のBP読者に向けて一言お願いします。

長谷部:皆さん、吹奏楽のオリジナル作品を探し出して、もっともっと演奏しましょう!

…お疲れのところありがとうございました!

長谷部:こちらこそ、ありがとうございました。

【プログラム】

・戸外の序曲/A.コープランド
・シェナンドーァ/F.ティケリ
・パリのスケッチ/M.エレビー
・アウェイデー/A.ゴーブ
・交響曲第2番/F.ティケリ

アンコール
・コーラリア/B.アッペルモント
・国民の象徴/E.E.バグレー

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