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東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
第15回定期演奏会
◎プロも驚く、昼夜2公演・・・しかも各3時間
魅せる、聴かせる、楽しませる・・・
色んな意味で「凄まじい」ばかりの演奏会だった!!
 ご招待をいただき、東海大学付属高輪台高等学校の定期演奏会へ行ってきました。昼公演と夜公演があり、初めはどっちに行こうか迷ったのですが、結局両公演聴くことに。長い1日となりましたが、まずは昼公演から順にレポートしていきます。

 会場に入ると、さすが高輪台高校、昼公演でも客席が埋まっており、すさまじい熱気を感じます。スタッフの対応も洗練されていて、演奏会に対する意識の高さが感じ取れる。そんな中、演奏会が開演。

 まず初めに一糸乱れぬ動きで奏者が起立・着席。次の瞬間、指揮者が指揮台に登るや否やすぐにタクトを振り始めた。
 流れるような一連の動きから、なんとも瑞々しい音での“春の猟犬”。今まで見た色々なバンドのオープニングの中でも、もっとも美しいオープニングだった。
 続いては1年生のみで構成された“ブダペストの印象”。前の曲に比べてメリハリも少なく表現力が足りないかなという印象だが、1年生のみで演奏しているとは信じがたいレベルの演奏だった。
 続く“マゼランの未知なる大陸への挑戦”では打って変わって非常に高い集中力があり、曲の世界に惹きこまれるような素晴らしい演奏を聴かせてくれた。
 続いての曲は酒井格の“森の贈り物”。曲調に合った若くてライトな音で1部の最後を締めくくった。
(2部に関しては、夜公演と同じプログラムなのでここでは割愛します)


“ハリソンの夢”は、鬼気迫るすさまじい名演

 さて、続いて夜公演。
 昼公演でも充分熱気を感じていたのだが、夜公演はさらに客席の熱気も増している。夜の部の1曲目は、鈴木英史作曲の“スパイラルラプソディ”。ここ数年、高輪台高校に委嘱作として「スパイラル・シリーズ」を提供している鈴木氏による本邦初演の新曲である。
 冒頭、不穏なベルトーンからの展開に鈴木節を感じたのもつかの間、途中から突然ドラムセットとベースによるJazzyなリズムに変わり、洒落たメロディーが展開されるというおもしろい構成の曲であった。
 演奏終了後、舞台上に鈴木氏が呼び込まれ、プチ・トークショーがスタート。どうやらこの曲、部員に曲名を決めてもらったらしい。名付け親の部長いわく、「狂った感じが好き」とのこと。
 そして鈴木氏と部長、顧問の畠田氏との笑えるやり取りの後、2曲目“大地と水と火と空の歌”に突入。昼公演同様、2曲目は1年生のみの演奏のようだ。ソロ・アンサンブルから始まり、全体を通して非常に緊張感のあるサウンドを聴かせてくれた。パーカッションが力強いビートを生み出し、バンドをうまく乗せていったという印象で、昼公演とはまったく次元の違うサウンドだったのがおもしろい。

 続く3曲目は3年生中心の編成でバレエ音楽“青銅の騎士”。若干スローテンポに感じたが、その分サウンドがていねいに作りこまれており、各シーン毎でメリハリの効いた好演だった。特に、低音楽器が曲を前に前に推し進めて流れを作っていたのが印象的だった。逆に木管高音楽器チームはもう少し音色の使い分けができれば、さらに素晴らしい演奏になったと思う。
 続いては1・2年生のみでバレエ音楽「ダフニスとクロエ」。難易度の高さで有名な曲。音が若干硬く、音量のバランスが良くない個所もあったが、迫力のある見事な演奏を聴かせてくれた。

 そして夜公演の1部最後の曲は“ハリソンの夢”。これもまた難易度の高さで有名なはずだが・・・音のキレ、スピード感、メリハリ、ダイナミクスレンジ、そして繊細さ、全てが恐ろしく高い水準での演奏だった。仕上がりは昼夜通してダントツである。むしろ、まったく別のバンドであるかのような、鬼気迫るすさまじい名演だった。

テーマは「祭り」・・・
メンバー全員がド派手な衣装で決めて、大盛り上がり大会


 熱狂の第1部を終え、休憩を挟んで第2部のポップス・ステージ。「これは・・・コスプレかッ!?」というくらい派手な衣装に身を包んだ奏者が舞台上にギッシリ、客席からもどよめきが・・・。
 バンダによるファンファーレの後、始まったのは“恋のカーニバル”。隣と肩があたるほどの密集・大人数のため、さすがに凄まじい迫力である。なんせパーカッションだけでも20人がステージ上にいるのだ。とても恋なんてできそうもない迫力だ。

 司会は元気な女の子とクールな男の子というなんとも不思議な組み合わせ。
 今回のポップス・ステージのテーマは「祭り」らしく、個性的なパート紹介の後、ゲストのオリタノボッタ氏が登場。衣装は赤いスーツである。どうやらりんご飴らしい。ちなみに昼間は白と黒のスーツだった。

 オリタ氏のステージ、1曲目はオリタ氏作曲による“Tears of moon(ボサノヴァ・ヴァージョン)”。ボサノヴァのリズムにオリタ氏の音色がよく馴染んで、会場は一気に洒落た空気で満たされた。オリタ氏のサウンドは昼公演よりもツヤがあり、ノリも最高潮のようだった。

 続いてオリタ氏へのインタビューの後、“星に願いを”。ムーディーなサウンドで大人のクリスマスイヴイヴ(この日は23日なので)を演出。ここでオリタ氏はクリスマスツリーをあしらった黒いマントを着用。赤いスーツに黒いマントなので、クリスマスというよりはハロウィンのようだったが、ムードよければ全て良しである。

 そして3曲目の“宝島”を演奏する前に、観客を「ウサギさんチーム」と「カメさんチーム」の2組に分けるというイベントが発生。それぞれ2・4拍クラップ、ツースリークラップの組に分かれることになりクラップ開始。
 会場内がクラップの嵐に包まれる中、宝島がスタート。ステージ前方まで出てきて吹きまくるオリタ氏、そして客席にも学生クラップ部隊がなだれ込んできて観客は完全にヒートアップ!
 さらに「ジングルベル」を1フレーズ挟むというお茶目なアレンジをしつつ、熱狂の中宝島が終了。会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

 アンコールではジョンレノンの“イマジン”をしっとりと聴かせ、オリタ氏のステージが終了。

 続いて“踊りあかそう”を演奏した後、大抽選会。
 アンケート用紙にナンバリングがしてあるのだが、なんと最後の大当たりはディズニーランド・ペアチケット! ウワー欲しい! 我を忘れて強烈に念を送ったのだが当たらず・・・。(個人的に)失意の中始まった次の曲は合唱での“学園天国”。そして最後の曲に行く前に、声をそろえて最後の曲の指揮者、檜貝氏を呼び込む学生たち。するとどこからともなくトランペットによる「必殺仕事人」のテーマが流れてくる・・・なんだかよくわからないが祭りのリズムにのって、そして仕事人のテーマを神輿に乗って吹きながら檜貝氏が登場。もうここまでくると何でもありだ。

 そして最後の曲“Latin Special 21!!”が圧倒的な迫力で展開される。この熱気のすごさに関しては、レポートで伝えるのは難しい。実際に皆さんに体験してもらうしかない。とにかく色んな意味で「凄まじい」としか言い様がないのであった。

 その後、アンコール最後の曲“アルセナール”が終わり、終演した頃には21:00を過ぎていた。夜公演だけで3時間にもおよんだステージだったが、あっという間であった。退館時にはロビーは凄い人の数で、なかなか前に進めないほどだったが、帰途につくお客さんたちが皆すがすがしい表情をしていたのがとても印象的だった。
 昼夜、1部2部通してハイレベルなパフォーマンスを披露してくれた高輪台高校の学生達に、心から拍手を贈りたい。


■プログラム
(曲名をクリックすると収録されてるCDが表示されるよ)

第1部

(昼公演)
序曲「春の猟犬」/A.リード
ブダペストの印象/R.ケルネン
 (ブダペスト・インプレッション)

マゼランの未知なる大陸への挑戦/樽屋雅徳
森の贈り物/酒井格

(夜公演)
・スパイラル・ラプソディ/鈴木英史
大地と水と火と空の歌/RWスミス
バレエ音楽「青銅の騎士」/R.グリエール
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲/M.ラヴェル
ハリソンの夢/P.グレイアム

第2部

・恋のカーニバル

オリタ・ノボッタ スペシャルステージ
 Tears of moon/Koji Orita
 星に願いを/L.ハーライン
 宝島/和泉宏隆

・踊りあかそう/F.ローク
・学園天国/井上忠夫
・Latin Special 21 !!/檜貝道郎

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