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亜細亜大学吹奏楽団
第40回定期演奏会


日時:2004年12月12日 
会場:武蔵野市民文化会館ARTE大ホール
レポート:BP梅本

バンド全員で音楽を前に前に動かしていく、活き活きとした演奏が魅力

 暖冬だと言われつつも急に寒さが増したこの日の夕方、三鷹にある武蔵野市民文化会館にて亜細亜大学吹奏楽団の定期演奏会が行なわれた。単独公演を聴くのは今夏のサマーコンサート以来だが、さてどんなサウンドになっているのだろうか・・・。

 開場時間ちょうどくらいにホールに到着したが、場内にはホールの裏口まで続く長蛇の列が出来ていた。客層も幅広く、地域密着運営のこの吹奏楽団に対するファンの期待を感じさせる光景だった。開場してから間もなく、ホルンアンサンブルによるロビーコンサートが開催された。早くから来場した聴衆への、こういったささやかな心配りは大変素晴らしいことだと思うので、読者の皆さんも是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

 さて、多くの人々で客席が埋め尽くされた中、本番が始まった。1曲目はR.シェルドンの"マナティーリリック序曲"。出だしからゴージャスで伸びのあるサウンドが響き渡る。中間部のゆっくりした部分では若干消化不良だったのかサウンドがまばらになった感があったが、終盤には再びしっかりと音がまとまり、オープニングとしては申し分ない出来であった。

 続いて演奏されたのはバーンズの"詩的間奏曲"。やさしく、ドラマティックな曲である。冒頭のホルンソロが「しっとり熱い」素晴らしいソロを聴かせてくれた。このソロにバンド全体が呼応するように、歌心に溢れ、広がりのある、そして流れるような、気持ちのいい演奏を聴かせてくれた。

 1部のトリを飾るのは、夏のコンクールでも取り上げていたハンソンの"オペラ「メリーマウント」より"。オペラ「メリーマウント」から4曲を抜粋し組曲にしたものである。ドラマティックな曲であるが、1曲1曲が短いこともあり、奏者がしっかりとイメージの共有をしていないとゴチャゴチャして何をやっているか分からなくなってしまいそうな曲、という印象だ。しかしこのバンドは、頭の中に映像が浮かんでくるような箇所が随所に見られる演奏を披露してくれた。指揮者と奏者、そして奏者同士の意思疎通が十分に図られた好演だったと言えるだろう。欲を言わせてもらえば、奏者の移動などの都合もあり各曲間に時間を取っていたのだが、できればアタッカで聴いてみたかった。

 2部はマーチングステージ。テーマはホルストの"惑星"。なんだか、2004年は色んなところで耳にしている気がする。本編も白熱のステージを展開していたのだが、最も破壊力があったのはアンコール。この後の3部はどうなってしまうのかと心配になるほどだった。

 さて、3部の1曲目はリードの"アルメニアンダンスパート1"。言わずと知れた超有名曲であり、それゆえに生半可な演奏では聴衆はなかなか満足してくれない。この曲をどう料理するのか興味深かったが、まず初めのファンファーレが、一昔前の亜細亜大学を彷彿とさせるもの凄い音圧とゴージャス感で、この時点で聴衆の心をググッと引き寄せてしまったのは間違いないだろう。終盤は少し管打のバランスが崩れてしまったが、全体を通して曲の持つ叙情性を前面に押し出した演奏で、かなり聴き応えがあった。

 続いて3部のトリとして演奏されたのはハチャトゥリアンの"バレエ音楽「ガイーヌ」より"。さすがに演奏会の最後のプログラムだけあって気迫の伝わる、集中力の高い、一糸乱れぬサウンドを聴かせてくれた。

 アンコールは3曲。1曲目はサンタの帽子を被って"ホワイトクリスマス"。2曲目は"Saint Louis Blues March"。そして学生指揮者による3曲目はロジャース作曲"すべての山に登れ"。この曲は亜細亜大学吹奏楽団に続く伝統の曲らしく、演奏中に指揮の雲井氏やトレーナーの方から4年生一人一人に花束が手渡されていくというイキな演出もあり、この日素晴らしい演奏をしたバンドに会場からも暖かい拍手が贈られた。

 全体を通してバンド全員で音楽を前に前に動かしていく、活き活きとした演奏だった。特に木管セクションはフレーズ感のある演奏で、方向が定まってきた印象を受けた。雲井氏とタッグを組んだ新しい亜細亜大学吹奏楽団の今年一年間を、素晴らしい形で締めくくる見事な演奏会であったと思う。今後どのように発展していくのか、非常に楽しみである。



【プログラム】
T部
・マナティーリリック序曲/R.シェルドン
・詩的間奏曲/J.バーンズ
・オペラ「メリーマウント」より/H.ハンソン(arr.J.ボイド)
U部
マーチングステージ
「Sight of Music ~Show man ship!!~」
V部
・アルメニアンダンスパート1/A.リード
・バレエ音楽「ガイーヌ」より/A.ハチャトゥリアン(arr.林紀人)
アンコール
・White Christmas/I.Berlin(arr.岩井直博)
・Saint Louis Blues March/W.C.ハンディ(arr. J.Grag)
・すべての山に登れ/R.ロジャース(arr. 榊原栄)

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