吹奏楽マガジン バンドパワー 吹奏楽マガジン バンドパワー
吹奏楽マガジン バンドパワー
レポート >> レポートインデックス
第19回トランペット・フェスティヴァル

 アメリカではグラウンドゼロでの追悼式典が行nなわれているこの日、東京は北区にあります滝野川会館では、日本トランペット協会主催の第19回トランペット・フェスティバルが開催されました。
 この日は大学の部活があったのですが、スペシャル・ゲストにエリック宮城氏を招いての演奏会ということで、部活のトランペット・パート全員で観に行ってしまいました。中高生など比較的若い客層が多く開演直前まではどよめいていた場内も、開演を告げるベルが鳴って司会が始まるともう演奏会モード。それだけでもこの演奏会への期待度がうかがえました。

 オープニングを飾ったのは、日大芸術学部トランペット・アンサンブルによる「フェスティヴァル・ファンファーレ」。音の跳躍にやや不安の残る立ち上がりではありましたが、この演奏会のオープニングにふさわしい明るく爽やかなファンファーレでした。
 ファンファーレが終わると開会式が始まり、元N響首席奏者でもあります日本トランペット協会会長の北村源三氏から挨拶がありました。挨拶の最後に「クラシックばかりでなく様々なジャンルの音楽を楽しんでいただきたい」とおっしゃられたように、プログラムを見るとまさに様々なジャンルの曲の豪華ラインナップ! トランペットの祭典という感じで、もう正直胸がドキドキでした。

 最初のプログラムは第15回フェスティヴァル・オーディションの合格者7人によるソロ・コンサートでした。彼らは去る7月27日に行われたオーディションにて31人の応募者の中からテープ審査によって選ばれたそうで、みんなすごい表現力と技術がありました。なかには自分で曲を書いて演奏する高校生もいて、7人が7人とも違った音楽性を見せてくれてとても楽しめました。

 この演奏会は大ホールでのステージ演奏の他にも小ホールでの展示と試奏、リハーサル室でのトランペット体験コーナー&ワンポイント・レッスンなどを同時進行で行なっていましたので、休憩時間にはそちらにも足を運びました。
 今回一番注目を浴びたのは、スペシャル・ゲストでもあるエリック宮城氏の使うヤマハ発の新モデル、YTR-8340EMでした。ジャズ、クラシック、ポップスなど音楽のジャンルにとらわれることなく“あらゆる技術を表現できる”エモーショナルな楽器、という本人の宣伝もあって、大勢のお客が試奏していました。私も興味本位で吹いてみたものの、従来のヤマハ製のトランペットとは全然吹いた感じが違って、吹きこなせれば確かに色々な表現が出来そうでしたが、なかなか吹きこなせない気がした、というのが正直な感想でした。

◎エリック宮城の「スタートレック」にクラクラ・・・

 さて、休憩も終わって演奏会の方に戻ると、次のプログラムは5団体によるトランペット・アンサンブル・コンサートでした。全団体を聴いて思ったことは、アンサンブルはソロ以上に経験がものをいうなぁということです。
 名古屋音大や島根大の演奏もかけあいやハーモニーや音の厚みなどすばらしかったのですが、やはり陸上自衛隊の演奏は音の壁として厚みのあるサウンドが響き渡り、圧巻でした。
 もう1度休憩を挟んでの第3部はプロ奏者による演奏を中心としたフェスティヴァル・コンサートで、最初はジャンル無視のトランペット集団、PAZZLERによる演奏でした。1曲目の「ルスランとリュドミラ」序曲でもこれぞプロのアンサンブルというものを見せてくれましたが、2曲目の「大きな古時計」のテーマによる変奏曲では、ノーマルヴァージョンに始まり、バロック風、ハイドンの「トランペット・コンチェルト」風、ムソルグスキーの「展覧会の絵」風、英国ブラスバンド風、ジャズスタイル、そしてブラス・ロック調の大きな古時計を演奏し、演出としても楽しめる遊び心満載の音楽を聴かせてくれました。

 続いてはこのPAZZLERをバックにスペシャル・ゲストのエリック宮城氏が登場! 1曲目はおなじみのスタートレックのテーマでした。私は彼の生音を聴くのはこれが3度目ですが、いつ聴いてもあの音圧で泣きそうになります。2曲目の「ロンドンデリー」はその日の午前4時にできたばかりの新譜ということでしたが、練習の少なさを感じさせない、またハイトーンばかりではないエリックで魅せてくれました。
 本人は今日は本調子ではないというようなことをおっしゃってましたが、それでもあれだけの演奏ができる技量にただただ驚くばかりでした。

 それに続く30人を超す豪華なメンバーによるオールスター・スペシャル・ユニットの「テルプシコーレ舞曲集」と「ボレロ」の素晴らしい演奏が終わると、フィナーレは入場者全員による大合奏ということで、H.パーセル作曲の「トランペット・チューン&エア」でした。客席にいた大勢の人々が自分の楽器を持って一斉に舞台上に上がり、100名を超すトランペッターによって舞台上がすぐさま埋め尽くされました。プロと一緒の演奏、一般演奏者用のやや簡単な譜面ということに加え、曲も「麺の達人」でおなじみのあの曲なので、演奏した人も聴いていた人もどちらも楽しめたと思います。1つの空間を共有しているという実感がわきました。

 ちなみに演奏会が終わった後、エリック宮城氏のポスターをロビーにて配るというアナウンスがあり、もらおうかなと思っているうちにもうなくなっていました。まぁ、そんなこんなでとても充実した演奏会でした。トランペッターなら1度は訪れたい演奏会ですので、今年行けなかった方もぜひ来年足を運んでみてください

>> レポートインデックスページに戻る
吹奏楽マガジン バンドパワー
jasrac番号 吹奏楽マガジン バンドパワー