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東京佼成ウィンドオーケストラ
第81回定期演奏会
日時:2004年4月23日
会場:横浜・みなとみらいホール
指揮:渡邊一正
レポート:まーりん(BP特派員)
いいものは受け継がれ、そしてこれからもすばらしい作品が生まれる
「OLD&NEW WIND MUSIC」・・・そんなステキな演奏会だった

ここ最近、毎回テンションの高い定期公演を聴かせてくれている東京佼成ウィンドオーケストラの定期演奏会。
 03-04シーズンの最後の定期公演となる今回は、いつもの池袋・上野から少し離れた横浜で「OLD&NEW WIND MUSIC」として、吹奏楽の古典から新作までを聴かせてくれるおいしいプログラムでした。

 今回は課題曲も演奏されるということで、会場には学生の姿がたくさん見え、通常の公演よりも拍手の数が多く聞こえてきます。
 そんなたくさんの観客でホールが熱気にあふれている中、幕開けにはオープニングにふさわしい「ファンファーレ・バラード&ジュビリー」が演奏されました。

 最初の輝かしいファンファーレ、中間部の美しい木管、そして祝典を表す全体奏。スミスらしい吹奏楽の重厚なサウンドを聴かせてくれました。
 テンポがやや安全運転でしたが、各楽器の見せ場をたくさん聴くことができて気持ち良く曲が過ぎていきました。
 解説文の中には、若い人にはなじみの薄くなった・・・ともありましたが、学生の皆さんも楽しく聴きけたのではないのでしょうか?

 続いて、今年の課題曲の中から2曲「祈りの旅」「吹奏楽のための風之舞」が演奏されました。
 独自の味付けもなく、非常にシンプルで楽譜通り(これがなかなかできないものなんですよね)の演奏は曲作りは、ともかく演奏する側にとっては非常に参考になったのではないのでしょうか。

 ここから3曲は新しい吹奏楽作品が続きます。
 若干24歳でアメリカの作曲賞を3つ受賞したマイケル・ジャップストンの「オマージズ」。今回の演奏が日本初演となりましたが、若手とは思えない深みのある音楽で、3楽章形式ながら切れ目なく緊張感のある音楽がホール内を包み込みました。処女作ながらこんなスケールの大きい音楽を書いてしまう作曲家、今後とも目が離せませんね。

 前半最後の曲は日本でもおなじみ、ギリングハムの新作「エアロダイナミクス」でした。エアロダイナミクス=空気力学という通り、ライト兄弟の人類初飛行成功100周年を記念して作られた曲の通り、描写音楽として色々と見せ場が多い作品でした。
 100年前の雰囲気ということで、ラグタイムの雰囲気を出したり、楽器に空気の音を入れて出すエアーの音など見せ場たっぷり、ギリングハム独得の曲作りは佼成ウィンドの熱い演奏とあいまって、前半のトリにふさわしい素晴らしい出来ばえでした。
 今後、日本でも「ウィズ・ハート〜」同様にヒットしそうな作品ですね。

                      

 休憩のあと、1曲目はアメリカの同時多発テロの追悼のために書かれたグランサムの「カム・メモリー...」で始まりました。
 冒頭からエレジー(悲歌)の名のとおり、痛烈な痛みを持った嘆きと、木管の歌の対比が印象深く心に残りました。

 そして、当日のメインである「アルメニアンダンス全曲」。この曲に関してはもう説明もいらないくらい有名な曲ですね。
 意外や意外、定期公演で演奏するのは初めてとのこと。たくさんレコーディングでも、地方公演でもやられているのに全曲は初めてって驚きですよね。
 パート1のファンファーレから最後まで、中間部がややアンサンブルは乱れたものの暖かい演奏を楽しめました。
 特にコンマスの須川さんがノリノリで演奏していたのも印象的。思わずこちらも笑みを浮かべながら演奏を聴かせてもらいました。

 また、会場にはリード博士も来られていて、メンバーもとても気合が入った演奏になっていたのではないのでしょうか。
 演奏後の拍手は素晴らしい演奏に対してもそうですが、作曲者への敬意を含んだ拍手で会場中が沸きました。
 この曲が古典に位置付けられてしまうのは微妙に抵抗があるのですが、いつまでたってもいいもんはいいです。15年、20年経ったとしても永遠に吹奏楽の名曲としてやっぱりまだまだ楽しませてくれる曲だと思います。

 アンコールには同じくリード博士の最新作「12夜」よりヴィオラとオルシーノが演奏されました(同じ作曲家の最新作とベストセラーを組み合わせるのもよいアイディアですね)。美しいコラールは最後のしっとりと演奏され、心地よい気分でホールを後にしました。

 今回のプログラム・テーマが「OLD&NEW WIND MUSIC」というものでしたが、作曲技法は今と昔では全く違いますが、いいものはずっとこれから先も受け継がれていき、またこれからもすばらしい作品が生まれる。そんな素敵な機会を楽しむことができる吹奏楽。やっぱりいいもんですよね。



〜プログラム〜
ファンファーレ、バラード&ジュビリー(クロード・T・スミス)
祈りの旅(北爪道夫)
吹奏楽のための「風之舞」(福田洋介)
オマージズ(マイケル・ジャップストン)
エアロダイナミクス(デイヴィッド・ギリングハム)
カム・メモリー...(ドナルド・グランサム)
アルメニアン・ダンス全曲(アルフレッド・リード)

アンコール
組曲「12夜」より2.ヴィオラとオルシーノ


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