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第24回富山ミナミ吹奏楽団定期演奏会
◎『これがライヴだ!』と感じさせる富山ミナミの定期演奏会!
北アルプスの山々が美しく雪化粧した富山。
その美しい山々に恵まれた富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)にて「第24回富山ミナミ吹奏楽団定期演奏会」が12月7日(日)に開催されました。
 私は、親交のあるお二人の新作を聴きに、この演奏会に行ってきました。演奏会は3部構成で、今回も天野正道、八木澤教司両作曲家の委嘱初演シリーズを始めとして、意欲的なプログラムが組まれており、聴きどころ満載の演奏会でした。
 さて、ここで少しだけ「富山ミナミ吹奏楽団」について触れてみましょう。昭和53年、富山県富山市を拠点に結成した社会人吹奏楽団で、平成11年全日本吹奏楽コンクール全国大会にて金賞受賞し、それから3年連続全国大会出場を成し遂げた、輝かしいバンドです。

 第1部、演奏会のオープニングを飾るのは、今回が同団委嘱シリーズ3作目にあたる八木澤教司作曲《ペル・ソナーレ》です。
 これまでの八木澤作品は演奏会の柱となる曲が多かったので、オープニング曲を聴かせて頂くのは私自身とても新鮮でした。
 華やかに始まる曲が多い中、静かに壮大かつ荘厳な雰囲気を演出し、演奏会の気品を上げるに相応しい作品でした。今後の演奏会でこの新しいタイプのオープニング曲のような例が増えるのかもしれません。
 続いてR.W.スミスの《ザ・タワー・オブ・ドリームス》です。打楽器に特徴をもつこの曲は、富山ミナミの代表で音楽監督・指揮者でいらっしゃる牧野誠さんの専門が打楽器でもあるため、パワフルでキレのある鋭い演奏でした。
 第1部最後の曲は《リバー・ダンス》です。この曲の出来を左右する打楽器が安定感抜群なので、流れる川の大いなる自然の力強さを上手く表現した、ひきしまった演奏でした。
 1部のクラシカル・ステージでは金管、打楽器に自信があるバンドでないとなかなか難しいプログラムでしたが、それを演奏会の第1部で堂々と演奏されていたのは圧巻でした。

 第2部は天野正道作曲《Le portrait d'une famille》(ル・ポルトレ・ドュン・
ファミィユ)です。
 この作品も委嘱作品で「家族」をテーマとした、心温まる、あたたかいフレーズ感を持った作品です。
 牧野さんが作品をお願いした時、お父様の容態が芳しくなく「お父様が作曲された《富山県民の歌》のメロディーを入れてほしい」という願いを受けてできあがったそうです。この曲の演奏に関しては、簡単に口では表せない、何かとても大切なものを投げかけ、感じさせてくれたもので、親子間だけでなく、演奏者、作曲者、聴衆の全員が、音楽の魂・言霊が共鳴していたに違いありません。
 前にも述べたように、金管・打楽器に定評のあるミナミですが、今回あえて天野氏は木管中心のサウンドの曲をかかれたのです。ですが、そのようなプレッシャーにも負けず、その期待に見事に応える演奏をしていました。この曲を演奏されたことによって、自分たちで気づきづらかった富山ミナミの新しい一面を発見することができたのではないかと、私は感じました。

 この曲の演奏後、会場にいらしていた天野先生のインタビューに加え、なんと、作曲者自らが指揮をし「《交響組曲第3番「GR」》より第四楽章」を演奏するという特別演奏がありました。この日演奏会に来た人へのちょっと早いクリスマスプレゼントになったことは言うまでもありません。私自身とても興奮して聴かせていただきました。

 第3部はポップス・ステージです。
 富山ミナミはポップスの演奏にも定評があるバンドです。毎回定演では必ずポップスを演奏されていますし、CDにも収録されていますから、こちらも聴きどころ満載でした。
 今回もパワフルで熱いステージが繰り広げられる中、第3部最後の曲、渡部哲哉編曲の《戦士たちの伝説》(編曲委嘱作品)で最高潮に達しました。
 この曲は「ローリング・ドリーマー」「スカイ・ハイ」「炎のファイター」「スピニ
ング・トー・ホールド」「サンライズ」の5曲のメドレーで、とても厚みのあるオーケストレーションに、木管・金管・打楽器それぞれにソロがある、というように、たっぷり見せ場があるので、演奏する方も聴く方も共に楽しむことができたと思います。格闘好きにはたまらない1曲だと思いました。

 演奏会終了後には、既に発売されている富山ミナミのCD『BR』を購入した方に、当日いらしていた天野・八木澤両氏のサインがもらえるという特典までありました! 新作初演をはじめクラシカルからポップスまで幅広く演奏された今回の定期演奏会。ライブ・初演に強い富山ミナミ吹奏楽団は、今年も健在でした。
 来年以降も、富山ミナミさんの活動から目が離せません!


■プログラム

第1部
・ペル・ソナーレ(委嘱作品・初演) 作曲/八木澤教司
・ザ・スター・オブ・ドリームス 作曲/R.W.スミス
・リバー・ダンス 作曲/B.ウィーラン 編曲/C.ストロメン

第2部
・Le portrait d'une famille(委嘱作品・初演) 作曲/天野正道
特別演奏
・交響組曲第3番より 第四楽章 作曲・指揮/天野正道

第3部
・「踊る大捜査線」より Rhythm and Police 作曲/松本晃彦 編曲/真島俊夫
・翳りゆく部屋 作曲/荒井由実 編曲/岩井直溥
・マンボ・イン 作曲/M.バウーザ 編曲/真島俊夫
・シャンソン・メドレー 〜モンマルトルの小径〜 編曲/真島俊夫
  パリの空の下〜ムーランルージュの歌〜バラ色の人生〜セ・シ・ボン
・戦士たちの伝説 リングにかける熱き肉魂 〜レスラー・ボンバ・イエ〜(委嘱作
品・初演)編曲/渡部哲哉
  ローリング・ドリーマー〜スカイ・ハイ〜炎のファイター〜スピニング・トー・
ホール〜サンライズ

アンコール
・アメージング・グレース アメリカ民謡 編曲/立原 勇
・ルパン三世のテーマ 作曲/大野雄二 編曲/星出尚志

■富山ミナミ吹奏楽団HP(ホームページでは演奏会の写真もたくさん見られるよ!)
http://webs.to/minami/

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